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沖縄戦「ガマ」生き延びた天久さん 亡き父しのびハーモニカ

沖縄タイムス 6月24日(金)10時26分配信

 「故郷(ふるさと)」「西武門節」を奏でるハーモニカの音が23日、そよ風に乗って平和の礎に響き渡った。奏者は71年前、読谷村波平のチビチリガマを脱して生き延びた天久シズさん(83)。防衛隊に動員され亡くなった父が生前に好んだ曲をささげ、在りし日をしのんだ天久さんは、「何事もなく平和であってほしい」と静かに願った。
 米軍が沖縄本島に上陸した71年前の4月1日、天久さんは母ときょうだい6人でチビチリガマに身を隠していた。
 「死ぬ準備が始まった」。ガマが米軍に見つかり、身を隠していた住民らは激しく動揺。自ら布団や毛布に火を付けたり、毒薬を注射したりした。
 だが、天久さんの母は「ここで死ぬより(ガマの近くにあった)家で死んだ方がいい」と家族を連れ出し、生き延びたという。
 しかし父に続いて、弟と妹を栄養失調で亡くした。毎年この時期、テレビなどで71年前の出来事が報じられるたびに「胸が苦しく、涙が出る」という。
 この日、子や孫と3世代で礎を訪れた天久さん。「戦になったらかわいそう。二度と起こしてはいけないよ」と、諭すように語りかけた。(社会部・島袋晋作)

最終更新:6月24日(金)18時52分

沖縄タイムス