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『スーパーロボット大戦V』寺田貴信氏&佐竹伸也氏が、シリーズ最新作を語る【インタビュー完全版】

ファミ通.com 6月24日(金)12時2分配信

●誌面に掲載しきれなかった内容もまとめて公開!
 週刊ファミ通2016年6月23日号(2016年6月9日発売)にて25ページにわたって掲載された『スーパーロボット大戦』(以下、『スパロボ』)シリーズ25周年記念特集。同特集で掲載したシリーズ最新作『スパロボV』の開発者インタビューの完全版を、ファミ通.comでお届けする。『スパロボ』おなじみのプロデューサー・寺田貴信氏と、本作で初めて『スパロボ』に関わるという佐竹伸也氏が語る、『スパロボV』とは?

■B.B.スタジオ プロデューサー
寺田貴信氏(文中は、寺田/写真左)
『スパロボ』シリーズのファンにはすっかりおなじみのプロデューサー。本作でも制作に深く関わり、開発指揮を執る。

■バンダイナムコエンターテインメント プロデューサー
佐竹伸也氏(文中は、佐竹/写真右)
おもに特撮関連のゲームに関わっているプロデューサー。『スパロボ』シリーズに携わるのは、本作が初めてとなる。


■ついに動き出した! 新しい『スパロボ』が出航
――最新作『スパロボV』(以下、『V』)のお話をお聞かせいただく前に、今回『スパロボ』シリーズに初めて関わる佐竹さんは、どんな役割を担当されているのか、教えてください。

佐竹 僕もプロデューサーではあるのですが、どちらかというとビジネス面というか、宣伝面などで『V』の魅力をお客さんに幅広く伝えていく仕事をしております。

――『スパロボ』自体はご存知でしたか?

佐竹 それはもちろん。私自身、直接関わることはなかったのですが、ほかのタイトルをプロデュースするかたわら、いつも新作が発表されるたびに参戦作品を気にしていました。

寺田 特撮関連のゲームを手掛けていた人ですし、キャラクターに対する熱意やこだわりを持った、頼りになるプロデューサーです。

――なるほど。ではさっそく、『スパロボV 』のお話をうかがいます。今回のタイトルである“V”に込めた意味をお聞かせください。

佐竹 今回の『V』は、『スパロボOG ムーン・デュエラーズ』(以下、『OGMD』)に続く、25周年作品第2弾と銘打ったタイトルです。この節目の年での新展開ということで、航海へ旅立つという意味を込めて“Voyage”の頭文字のVから取っています。

寺田 じつは、このタイトルが決まるまでに紆余曲折ありまして、別案もいろいろ出ていたのですが、結果的にはシンプルなアルファベット1文字の『V』になりました。

――今回は『V』というタイトルですが、おなじみのVがつくロボットたちがいませんね?

寺田 そうしたツッコミは間違いなく入ると思っていました(笑)。ただ今回のタイトルは、参戦作品がすべて確定した後に、アルファベットが決まったという経緯がありまして。Vのついた参戦作品がいないのはそのためです。

――長編の『スパロボ』である『Z』シリーズが終了して、家庭用ゲーム機ではひさしぶりの単発作品となりますが、単発作品にした理由は?

佐竹 理由はいくつかありますが、これには『スパロボ』初のローカライズも関係してくるんですよ。『OGMD』と『V』の2作品は、今回初めてアジアで展開することになっている作品です。もともと、海外にも『スパロボ』のファンはいたのですが、海外の人たちが楽しめるような、本格的にローカライズをした作品を届けられていなかったんですね。そこで今回、アジアのファンに向けてローカライズを行うことにしたんです。

寺田 海外のイベントなどに参加するたびに、“『スパロボ』を愛していただいている”という手応えを感じていました。ですので、これを機に新しいお客さんや、海外の人にも楽しんでいただけるような作品にしようということで、今回は単体で完結する作品にしました。とはいえ、シリーズものはもうやらない、というわけではありません。

佐竹 そうですね。もともと『OGMD』と『V』は、海外ローカライズが決定した状態で開発を始めた作品なんですよ。だから、Voyageというキーワードには、“『スパロボ』が本格的に海を渡る!”という意味合いもあります(笑)。

寺田 それは、僕もいま初めて聞きましたけど(笑)、世界観を一新したうえで『V』を単発作品にしたのは、海外のユーザーさんを意識したからでもあります。

――海外の方にも、しっかりローカライズされた『スパロボ』を遊んでもらおうという意思がハッキリしているわけですね。

寺田 はい。そうは言っても実質『OGMD』はシリーズものですので、実際には単発とシリーズ、両方チャレンジすることになります。そういう意味では、対照的な2作品ですね。

――海外展開は着々と進んでいたのですか?

寺田 ええ。ローカライズ作業を始めとして、海外のスタッフが熱意を持っていろいろとがんばってくれています。なかには、日本のロボットアニメのみならず、『スパロボ』にとても詳しい人もいるんですよ。また、以前からアジアでも『スパロボ』が認知されているという話は聞いていたのですが、今年初めに台湾で開催されたイベントで『OGMD』のローカライズを発表したところ、予想以上の反響がありました。たいへんありがたいことだと思っています。

――しかし、初のローカライズということで、機体やキャラ名の翻訳チェックなど、たいへんな作業が多いのではないでしょうか?

寺田 『スパロボ』のテキストは戦闘シーンの台詞を含めるとけっこうな量になりますから、国内のスタッフより海外のローカライズ関連のスタッフのほうがたいへんですね。また、『V』にはいろいろなロボットアニメーション作品が登場しますから、翻訳されたものを原作サイドの方々に確認してもらわなければなりません。多くの人たちのご協力がなければできないことですね。

――それと今回は2種類の機種での発売となり、喜んでいるファンも多いでしょうね。

佐竹 そうですね。過去作などでアンケートをたくさん取っておりまして、携帯ゲーム機の作品を遊んでくれているユーザーさんも多かったので、プレイステーション Vitaとプレイステーション4、両方で遊べるように制作しています。クロスセーブにも対応していますので、家ではテレビ画面で、外ではプレイステーション Vitaで遊ぶといったこともできます。

寺田 ユーザーさん自身のプレイスタイルに合わせて選んでほしいですね。

■参戦作品はこれまでにない変わった経緯で決まった!
■参戦作品リスト
無敵超人ザンボット3
無敵鋼人ダイターン3
機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダムZZ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
★●機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
機動戦士クロスボーン・ガンダム
★機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート
★●機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
劇場版機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-
機動戦士ガンダムUC
★勇者特急マイトガイン
劇場版機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-
真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
真マジンガー衝撃!Z編
★●真マジンガーZERO vs暗黒大将軍
フルメタル・パニック!
フルメタル・パニック? ふもっふ
フルメタル・パニック! The Second Raid
フルメタル・パニック!(原作小説版)
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
●ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
★宇宙戦艦ヤマト2199
★クロスアンジュ 天使と竜の輪舞

★……『スーパーロボット大戦』シリーズ初参戦作品
●……機体のみ参戦する作品


――『V』の新規参戦作品には驚きました。作品が決定するまでに、かなり試行錯誤があったのではないかと感じるのですが、今回はどのような経緯があったのでしょうか?

寺田 これまでとは少し違う経緯でしたし、決定まで時間がかかりましたね。今回、ファンの皆さんには、いくつか意外だと感じられる作品があるのではないかと思います。とくにロボットアニメーション作品ではない『宇宙戦艦ヤマト2199』は、僕自身にとっても意外でした。じつは以前、『スパロボ』に『ヤマト』を出せないかと考えたことが何度かあるのですが、今回、バンダイナムコエンターテインメント(以下、BNE)側から意外性のある作品を参戦させようという提案があり、関係各位のご理解とご協力を得て、『V』への参戦が実現しました。

――そうした事情があったんですね。そのほかの参戦作品の選択基準は?

寺田 これまで以上にユーザーさんのアンケート結果を重視し、なるべく幅広い世代に受け入れてもらえるラインアップを目指しました。『宇宙戦艦ヤマト』は長い歴史を持つ作品ですし、『宇宙戦艦ヤマト2199』を含めると、さまざまな世代の方がご存知だと思います。また、多くのファンがいらっしゃる“勇者シリーズ”から、『勇者特急マイトガイン』を、比較的最近に放映された作品から『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』を……という感じで、昨今のアンケート結果を参考にして決めていきました。ただ、人によって、世代によって思い入れがある作品は違うと思いますので、参戦作品の選択は難しいところではありますが。

――いつもとは違うやりかたではあるものの、幅広い世代をカバーしたいという思いで参戦作品を決められている、と。

寺田 これまでの『スパロボ』でもユーザーさんのアンケート結果を踏まえて参戦作品を決めていたのですが、今回はとくに時間をかけて精査し、BNEとB.B.スタジオのあいだで協議を重ねて決定しました。

――それはファンにはうれしいですね。

寺田 といっても、すべてのファンの方に納得していただけるラインアップにするのは、非常に困難だと思います。これは、『スパロボ』のようなタイプのゲームの永遠の課題ですね。あと、クロスオーバーで新しい試みをしようというのも『V』の参戦作品選択のひとつの基準となっています。ですので、小説やコミックが原作となっている作品がいくつか入っています。『真マジンガーZERO vs暗黒大将軍』は、いままでとは少し変わったクロスオーバーを行おうと考え、『スパロボ』への参戦をオファーさせていただきました。ユーザーさんからの要望になるべく応えられるようなラインアップにしつつ、意外性のある作品も盛り込むという、相反するコンセプトなのですが、これは過去の『スパロボ』で何回かやってきたことでもあります。とはいえ、『V』の参戦作品に対するユーザーさんの反応は、いつも以上に気になりますね。

――今回の新規参戦作品は、ファンの人気が高い、参戦が待ち望まれていた作品が多そうですしね。

寺田 先ほども言いましたが、人によって思い入れのある原作は違うと思います。ですので、『V』がどこまでユーザーさんの期待に応えられたか、それは発売前の反響や発売後のアンケートを集計してみないとわかりません。

――なるほど。ちなみに個人的にですが、ファン目線で気になっているものに、ひさしぶりの参戦となる『劇場版機動戦艦ナデシコ-The princess of darkness-』があります。この作品はブラックサレナが人気だと思いますが、『スパロボMX』では自軍への加入期間が短かったりもしました。このあたりが気になっている原作ファンも多いと思いますが、『V』では……?

寺田 ネタバレになるので、詳しくは言えませんが……自軍への加入タイミングは『スパロボMX』より早いとだけ、お答えしておきます。

――ありがとうございます!(笑)。『スパロボ』は「このキャラとあのキャラがこんな会話してる!」って驚くのも楽しみのひとつなので、原作にはないIFの要素や、キャラクターの絡みの部分も期待しています。

寺田 原作間のクロスオーバーはいろいろやっていますので、お楽しみに。

■戦闘シーンやシステムもブラッシュアップでより楽しく!
――戦闘シーンでの演出もより強化を?

寺田 そうですね。さらなるブラッシュアップを図っています。プレイステーション4に対応したことによって、ロボットの戦闘シーンは、よりキメ細かくなっています。キレイなエフェクトやカットインなどもいろいろ入れていますので、そうした部分も楽しんでいただきたいですね。

――システム面も気になるところですが、新システムも用意されているのでしょうか?

寺田 こちらも詳細は今後発表していきますが、基本的なシステムは従来のものを継承し、そこに新しい要素を入れています。あとは『OGMD』にもある“ビギナーズモード”のような、新規のユーザーさん向けのモードがあります。『OGMD』でビギナーズモードを入れたのは、少しでも多くのユーザーさんにプレイしていただけるきっかけを作りたかったからであり、シリーズものの続編であることを承知のうえで、ないよりはあったほうがいいだろうと考えたからです。『V』は25周年記念の単発作品ですし、もしかしたらひさしぶりに『スパロボ』をプレイしてみようと思われる人がいらっしゃるかもしれません。そういう方々や、初めて『スパロボ』に触れてくださる国内外のユーザーの皆さんに向けて、少しでも間口を広げたいと思っています。ただ、“ビギナーズモード”の仕様に関しては『OGMD』とまったく同じというわけではなく、本作では新しい仕組みを入れようと考えているところです。

――なるほど。幅広いユーザーが楽しめる作品を目指しているということですね。

寺田 そうですね。本作は、懐かしい作品もいくつか参戦していますし、シリーズものではない、新しいスタートを切る作品になっていますので、興味が湧いた方は、ぜひ遊んでみてほしいです。「最近やっていなかったけど、ひさしぶりにプレイしようかな」という人にも手に取っていただけるとうれしいですね。

佐竹 シリーズ25周年の節目のソフトですので、新規のユーザーさんにもぜひプレイしてほしいと思っています。若い人で、まだ『スパロボ』を遊んだことがない方たちや、アジアなど海外のユーザーの皆様にも、ぜひこのタイトルを遊んでもらって、『スパロボ』の魅力を知ってもらいたいと思っています。

スーパーロボット大戦V
メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
対応機種:プレイステーション4 / PlayStation Vita
発売日:2017年発売予定
価格:価格未定
ジャンル:シミュレーション・RPG



(C)賀東招二・四季童子/ミスリル
(C)賀東招二・四季童子/陣代高校生徒会
(C)賀東招二・四季童子/Full Metal Panic! Film Partners
(C)カラー
(C)Go Nagai・Yoshiaki Tabata・Yuuki Yogo/Dynamic Planning
(C)サンライズ
(C)SUNRISE/PROJECT ANGE
(C)ジーベック/1998 NADESICO製作委員会
(C)創通・サンライズ
(C)永井豪/ダイナミック企画
(C)1998 賀東招二・四季童子/KADOKAWA 富士見書房・刊
(C)1998 永井豪・石川賢/ダイナミック企画・「真ゲッターロボ」製作委員会
(C)2009 永井豪/ダイナミック企画・くろがね屋
(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
※画面はプレイステーション4版の開発中のものです。

最終更新:6月24日(金)12時2分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。