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“見守り役”名乗り 子ども110番 農家版 周知へステッカー 長崎・JA島原雲仙青年部

日本農業新聞 6/24(金) 12:00配信

 長崎県JA島原雲仙青年部が地域貢献の一環として、6月から子どもの安全を守る取り組みを始めた。その名も「こども110番の農家」。子ども110番の家は各地にあるが、農家という点がみそ。軽トラックや農機にステッカーを貼って、田畑で子どもの安全を見守る。地元の警察署や小学校とも連携し、犯罪や事故のない地域を目指す。警察庁によると、こうした取り組みは「他の地域では聞いたことがなく珍しい」(広報室)としている。

 昨年10月の会議で当時JA青年部の副部長を務めていた宮田和晃さん(36)が発案した。地域では子どもが学校に行くときも、遊びにいくときも、必ず畑の道を通ることから「子どもの安全を畑から見守ろう」と考えたのがきっかけだ。4月の第16回通常総会で提案したところ、2016年度の青年部活動計画の「重点活動事項」に位置付けられた。

 子どもが通学途中などに不審者から後を付けられたり、車に乗るよう声を掛けられたりしたとき、圃場(ほじょう)で作業をする農家に助けを求められる仕組み。

 農家は、助けを求めてきた子どもを一時保護し、犯人や不審者の特徴、使用車両などを警察に通報。犯罪抑止に向けた初期段階の対応を担う。保護者や学校への連絡、事件・事故に遭った子どもの引き渡しなどにも協力する。

 地元の小学校を訪ねて取り組みを説明したところ「ぜひ、やってほしい」と歓迎された。管内の一部を所管する島原警察署からも「不審人物が子どもに声を掛ける事案が発生している中、大変に心強い。犯罪を抑える力になる」と期待の声が上がっている。

 JA青年部では、運営規定や「こども110番の農家マニュアル」を独自に作成、各支部の部員494人に周知した。縦15センチ、横30センチのステッカーも作り、対象となる部員に配布。それぞれが軽トラや農機などに貼って「こども110番の農家」をアピール、地域の防犯に努める。

 青年部長の山田雄一さん(38)は「島原半島が先駆けとして、この活動がさらに広がっていくことを願っている。少しでも地域の防犯につながるよう今後の活動を充実させていきたい」と意気込んでいる。

<ことば> 子ども110番の家

 2005年11月以降、幼い子どもが誘拐され殺害される事件が相次いだことを受けて、警察や教育関係者、保護者らが連携して始まった地域の安全を守るボランティア活動。子どもは犯罪に遭いそうな時、「110番の家」を掲げた家に駆け込むことができ、各地に広がっている。

日本農業新聞

最終更新:6/24(金) 12:00

日本農業新聞