ここから本文です

トルコ国境警備隊、シリア難民に発砲 6歳児ら11人死亡

The Telegraph 6/24(金) 10:00配信

【記者:Josie Ensor】

 シリアとの国境で任務に当たっていたトルコの国境警備隊が今月18日夜、トルコに入ろうとしていたシリアからの難民に発砲し、少なくとも11人が死亡したと報じられた。犠牲者には6歳の子どもも含まれていたという。

 銃撃があったのは、トルコの都市アンタキヤ(Antakya)から約50キロ南にある非公式の検問所。死者の多くは同じ家族で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が支配するシリア北部の町、ジャラブルス(Jarabulus)から逃れてきていた。

 現地の活動家によると、この家族のうちオベイド・アボ(Obaid al-Abo)さん(50)とオベイドさんの6歳から21歳までの子ども5人が死亡。妻や、別の息子も負傷した。

 発砲の後に撮影されたとされる動画には、腹部を撃たれたとみられる2歳程度とみられる女児の遺体を抱いて泣く女性の姿が写っている。うつぶせに横たわり、毛布を掛けられている別の子どもの姿も見える。

 ある活動家は「(シリアの都市)アレッポ(Aleppo)の北東に位置するジャラブルスと、(シリア北西部の)イドリブ(Idlib)から逃げてきた複数の家族が、18日夜に国境を越えてトルコに入ろうとしていた。警備隊は彼らを無差別に銃撃した」と証言した。

 あるトルコ高官は、現時点で発砲事件の裏付けは取れていないが、調査中だと述べた。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、今年トルコへの越境を試みて警備隊に射殺された一般市民は60人に上るという。

 トルコ政府は、内戦が続くシリアからの難民を受け入れる政策を取っていると主張しているが、正式な国境検問所はすべて閉鎖している。

 難民認定を求める約270万人のシリア人を国内に抱えるトルコは昨年、かつては容易に超えられた国境を閉鎖。緊急の医療的行為が必要とされる場合にのみ入国を許可している。

 欧州を目指す難民と外国のイスラム過激派のトルコ国内への流入を抑制するようトルコ政府に求める声は高まっている。

 その結果、シリアの戦火を逃れてきたもののトルコとの国境付近で足止めされ、仮設キャンプでの暮らしを余儀なくされている人は16万人に上ると推定されている。

 国連(UN)や複数の人権団体はシリア難民への対応でトルコ政府を批判し、国境の開放を求めている。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は先月公表した報告書で、トルコの国境警備隊による難民申請者への発砲や殴打が常態化していると糾弾したが、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はこれを否定。トルコ軍も銃撃対象は一般市民ではなく、武装した密入国者だけだとしている。

 今回の事件を受け、欧州がトルコと結んだ難民対応をめぐる協定への疑念が改めて生じている。一部では、トルコは難民が送還されるべき「安全な国」ではないとの指摘が出ている。

 HRWで難民問題を研究しているゲリー・シンプソン(Gerry Simpson)氏は「トルコ政府高官が国境は開かれており、シリア難民を歓迎していると主張する一方で、トルコの国境警備隊は彼らを殺し、殴りつけている」と指摘。「心に傷を負った人々や、戦場から逃れてきた子どもたちに発砲するとは本当に恐ろしい」と訴えた。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:6/24(金) 10:00

The Telegraph