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米国の対日冷延AD調査、ITCが「クロ」最終決定

鉄鋼新聞 6月24日(金)6時0分配信

 米国国際貿易委員会(ITC)は22日、日本と中国から輸入される冷延鋼板に対し、アンチダンピング(反不当廉売=AD)調査の結果、委員投票6対0で被害があるとする「クロ」を最終決定した。米国の対日冷延AD調査では過去3回は損害なしとする「シロ」判決を得てきたが、初の「クロ」決定が下ることになった。

 今回の最終決定で、日本には71・35%、中国には265・79%のAD税が賦課される。中国に対しては不当な補助金に対する相殺関税(CVD)調査でも「クロ」となり、AD税だけでなく256・44%のCVD税も課される。
 日本の対米冷延輸出は年間13万トン程度。米ドラム缶最大手のグライフ向け母材や、日鉄住金物産が出資するブリキメーカーのオハイオ・コーティング(OCC)向けローモ、ホワイトボードに使われるホーロー用鋼板などが長期的に取引されてきたが、今回のAD措置でこれらの輸出が難しくなりそうだ。
 米国では昨夏以降、地場ミルによる薄板や厚板でのAD提訴が相次いでいる。表面処理鋼板では日本は提訴を免れたが、熱延コイルは8月にもITCの公聴会が行われる予定。今秋の大統領選挙を控え、米国では政治的に輸入鋼材への姿勢が厳しくなっており、過去に「シロ」だった冷延が今回は「クロ」になったことで、今後の案件でも苦戦を余儀なくされそうだ。
 日本鉄鋼連盟は23日「日本製冷延の輸出が米国国内産業に損害を及ぼした事実はないことを主張してきた。にもかかわらず、ITCがこれらの主張を退けAD措置発動を決定したことは、不当かつ極めて遺憾」とする進藤孝生会長(新日鉄住金社長)の声明を発表した。

最終更新:6月24日(金)6時0分

鉄鋼新聞