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【EU離脱】イギリスのこれからの手続きの流れを1分で説明します

BuzzFeed Japan 6月24日(金)17時22分配信

イギリスのEU離脱が決まった。ではこれからどうなるのだろう?
【BuzzFeed Japan】

イギリスはまず、EUと離脱に向けた具体的な交渉をする必要がある。

EU離脱は前例のない出来事だ。実際、EUを離脱するには、どういう手続きがあるのだろう?加盟国がEUを離脱したことは、いままでない。そもそも離脱派の人たちも、今度どういう関係をEUと作っていくか、示していない。

だが、離脱手続きの大枠は存在する。イギリスのキャメロン首相は、まず、EUのルールである「リスボン条約」50条に基づき、EU理事会に正式に離脱を通告することになるはずだ。

リスボン条約50条に書いてあることをまとめると、こんな感じになる。
- 2年間で離脱しないといけない。その間に他の国々と様々な合意をする必要がある。
- イギリスは、ほかの加盟国と直接話し合いはしない。細かい点はイギリス政府と欧州委員会との間で交渉する。
-EU加盟国の首脳たちは脱退について全員が合意する必要はない。27カ国中20カ国以上(ただし、それらの国の人口がEU全体の人口の65%以上を占めなければならない)が賛成すれば良い。
- 将来、イギリスがEUに再度加盟したい場合、ほかの新規加盟国と同じプロセスを経る必要がある。

脱退手続きの合意は、最初のステップでしかない。貿易協定も新たに作り直さなくてはならない上、他にもたくさんの手続きがある。

EUのルールは、イギリスの法や経済、組織、環境政策、労働規制などに深く織り込まれている。ファイナンシャル・タイムスはこのように解説している。
「英国政府は1972年以来、EUから派生する法律に頼りすぎてきた。これらの法律の置き換えには、何年もかかるだろう」

実は、イギリスはリスボン条約 50条に則って離脱を進めないという手もある。一方的に1972年の欧州共同体法を廃止することで、離脱することも可能だ。しかし、今後の他のEU加盟国との関係を考えると、これは賢明な策ではない。

また、フランスやドイツなど27の他の加盟国と、個別に新たな貿易協定を結ばないといけない。

大まかに言えば、 イギリスには3つの現実的な選択肢がある。一つ目は欧州経済領域(EEA)、世界貿易機関(WTO)のメンバーシップを介して、二国間の自由貿易協定(FTA)または取引を結ぶ、いわゆる「ノルウェーモデル」だ。

ノルウェーと同じモデルをとれば、EEAを通じて単一市場へのアクセスは与えられることになる。そうすると、英国は単一市場法と、多くのEUの規則に従わなければならないので、離脱のプロセスは、少し複雑化を避けられる。

EU関連の規則や予算に口出しすることはできなくなる。また、イギリス政府は欧州自由貿易連合(EFTA)への加入交渉する必要がある。

二つの目のオプションは、 FTAだ。これは、 EUがカナダと結んでいる協定と似ている。商品に関税のない自由貿易を提供することになる。

単一市場へのアクセスは制限されるだろうが、英国はEUの予算を支払わなくて済み、外国人労働者を受け入れる必要がなくなる。カナダはこの協定を結ぶまでに7年かかった。イギリスの場合も同じくらいの時間がかかるだろう。

ノルウェーモデルのFTAは、すべてのEU加盟国の全会一致を必要とする。これは、国単位での阻止が可能になることから、離脱よりも交渉が複雑になるだろう。

三つの選択肢はWTOだ。これは交渉の手間がかからない。しかし、FTAよりも多くの商品やサービスに、高い関税がかかることになる。例えば、自動車の輸出には10%の対外共通関税がかかる。

最後に。イギリスは、EU以外の国と結んでいる、53の自由貿易協定を結び直す必要がある。

そして、EU加盟各国の政府は、イギリスの今回の国民投票に対する国内世論を受けて、政治的判断をすることになる。そのため、イギリスが望んでいる通りになるとは言えないだろう。

EUにとっても、課題は多い。イギリス離脱後の意思決定メカニズム、予算をどうしていくのか。整理する必要がある。

とにかく、大変だ。

訂正
当初、離脱のルールについて、「27カ国中20カ国で、人口の65%以上が賛成すればいい」と表記していましたが、「27カ国中20カ国以上(ただし、それらの国の人口がEU全体の人口の65%以上を占めなければならない)が賛成すれば良い」に改めました。

最終更新:6月25日(土)9時7分

BuzzFeed Japan

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。