ここから本文です

「黒字だからこそリストラ」? 従業員のための5つの自衛策

ZUU online 6/25(土) 18:10配信

このところ、サラリーマンの雇用情勢がますます厳しくなってきているのをあなたも肌で感じているだろう。とはいえ、どんな世の中になっても、必ず業績が好調な企業というのはある。そういう調子のいい企業に最近よく見られるのが、黒字でもリストラをしていることである。

かつての常識では、企業は「赤字になったらリストラを行う」だった。今は「黒字だからこそリストラを行う」時代だ。

■昨今のリストラ事情

以前のリストラは、単に対象者を年齢で輪切りにするだけだった。その上で面談を行う際の圧で差をつけた。しかし今は、個人を直接ターゲットとするようになってきている。辞めて欲しい人のリストラ通知書には退職金の上乗せなどを行い、辞めて欲しくない人の通知書には上乗せをしないなど、通知の入口の段階から差をつけるのである。

企業の人員削減に対する需要を見越して、最近はリストラに手を貸す人材会社や社労士も現れ始めた。企業に代わって従業員と交渉を行い、退職に応じた者に別の仕事を斡旋する首切り稼業である。こんなことが許されるのかどうかはともかく、そこに需要があるのは間違いないようだ。

一体なぜ企業は、ここまで露骨な人員整理を行おうとするのか。理由のひとつに、社内の事業形態が変化してきていることが挙げられる。昔の企業は、ひとつの事業に真っ向からとり組み、市場のパイを取ることを目標とした。

市場が大きくなっていく前提があれば、より多くのマンパワーと資本力がビジネスの勝敗を分ける。そうやって自動車産業など、かつては多くの日本製品が、世界の市場を席巻してきた。

いまは市場の拡大ではなく、市場の移り変わりを前提としなければならない。首切りをしないことを貫いた名経営者が舵取りをしていた環境とは、前提条件が変わっているのだ。

■時代に応じて変化している企業が求める人材

このような情勢を踏まえて、現在の企業は「1つの大事業の推進」から「複数の小さなプロジェクトの遂行」へと、事業形態を変化せざるを得なくなっている。それは「小規模なプロジェクトを、社内で同時に複数稼働させる」というスタイルである。

社運を賭けるような「○◯億円プロジェクト」というよりも「小さなプロジェクトを10個」走らせ、そのどれかが大化けすれば御の字というイメージである。ところで、企業が「プロジェクトチームの集合体」のような形に変化しつつある中で、企業の求める人物像にも変化が見られるのだろうか。

まず、単純に社員数は増えない前提でプロジェクトの数が増えたため、「1人1プロジェクト」というわけにはいかなくなった。社員に求められるのは、1人で同時に複数のプロジェクトをこなせる応用力である。

世の中がめまぐるしく変化している中で、ただぼんやりと、昨日と同じことを繰り返しているだけでは淘汰されてしまう。企業も生き残りに必死なのである。

■リストラに対する自衛策 複数プロジェクトに関わる

少子高齢化時代を迎え、これから労働人口の減少が見込まれる中で、企業はリストラをしても問題ないのだろうか。

実際のところ、企業もそこまで先のことは考えられないのだろう。というのも、中小企業を除く、上場企業の社長の任期はせいぜい数年である。つまり、多くの経営者が見ているのは、この先、数年の情勢に過ぎない。彼らが気にしているのは、少子高齢化時代の到来よりも、今期や来期の売り上げなのだ。

あなたにとって大切なのは、今いる環境の中で、どう行動するかということである。もし現在、ひとつの部署でひとつの仕事しか関わっていないようであれば、まずは複数のプロジェクトに関わるのを目指すことである。

では、主体的に自ら複数のプロジェクトに関われるようになるには、どうすればいいのだろうか。参考までに、プロジェクトを立ち上げるまでの流れを、簡単に記載しておこう。

<プロジェクト立ち上げまでの流れ>

(1)問題の発見
まず、自部署と関連のある部署との間にある問題点を見つける。

(2)原因の特定
問題というのはたいてい、自部署だけにとどまらない。視野を他部署にまで広げると、問題の本質がどこにあるのかがわかるようになる。

(3)根回し
新しい提案というのは、最初ははねつけられる可能性が高い。まずは影響力のある人と接触し、提案が通りそうかを探って軌道修正する。

(4)ゴール設定
根回しの感触がよかったら、上司に報告して許可を得る。仲間を募ってミーティングを行い、詳細をつめる。

(5)プロジェクトの発動
断る理由がないレベルの小さなことから始めるのがコツ。

「プロジェクト」というと大げさに聞こえるかもしれないが、最初は改善提案をして、それを実行する程度で構わない。たとえ小さなことであっても、やることによって達成感を味わえ、それを見ていた人から、次のプロジェクトを立ち上げたときに、呼んでもらえるかもしれない。大事なことは、自ら「変えている」実感を持つことである。

■周りに流されないためには

もし、あなたが他人の顔色を見て、びくびくしたくないのであれば、いつでも自立できるように準備をしておくことである。もし、会社の都合に振り回されたくないのであれば、自分の基準を「マーケット」に合わせることである。マーケットに評価される人は、どこへいっても評価される。結局、人事とて役に立つ人間を切ることはできないのだ。

独立起業より社内プロジェクト。どんなプロジェクトも既存の枠組みには当てはめることができないから価値がある。ある1つのプロジェクトで重宝されたら、他のプロジェクトにも声をかけてもらえるようになる。

社内で最初の一人になる経験が、そのまま独立起業の準備にもなる時代が来た。変化の激しい世の中で生き残っていく方法とは、自分も変化し続けることである。そのための指針を「世間」に合わせていれば、自らの成長に限界などないのである。

俣野成敏(またの なるとし) http://www.matano.asia/
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、私塾「プロ研」を創設。お金・時間・場所に自由なサラリーマンの育成に力を注ぐ。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』(日本経済新聞出版社)など30万部以上の著作を持つ。

最終更新:6/25(土) 18:10

ZUU online

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。