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氷河期生き残った天然杉の子孫か 筑波大教授が遺伝子確認、福井県高浜町

福井新聞ONLINE 6月25日(土)8時51分配信

 福井県高浜町の青葉山に自生する杉が、約2万年前の氷河期を生き残った天然杉の子孫の可能性が高いと、筑波大の津村義彦教授(森林遺伝学)が24日、発表した。調査した20本全てで、天然杉であると示唆する遺伝子を確認。天然杉が「若狭湾周辺で集団で自生しているのが見つかるのは初めて」ともいう。今秋ごろから分布調査を行い、自生する全ての杉の遺伝子を調べるとしている。

 津村教授がこの日、同町役場で会見を開いた。

 氷河期に杉は、温暖な地域を求めて若狭湾や伊豆半島周辺、紀伊半島南端、屋久島などに分布を変えていったとされる。津村教授によると、これまで若狭湾周辺で天然杉の報告はほとんどないという。

 津村教授は、現在の森林がどのように形成されてきたかを遺伝的な研究手法などを用いて調べている。「青葉山に天然杉があるようだ」との情報で津村教授は昨年9月、地元住民らと現地調査を行い、天然杉とみられる高さ約10メートル、直径0・5~1メートルの20本の遺伝子を調査。遺伝子は、島根県の北方にある隠岐島に残る、氷河期を生き残ったとされる日本海側の天然杉とほぼ同じだった。

 天然杉は戦後、全国で伐採が進んだ。青葉山に天然杉の子孫が残っていたことについて、津村教授は「見つかったのは頂上付近。場所が急峻(きゅうしゅん)なのに加え、樹木が曲がっているなど経済的な価値がなく切られなかったのではないか」としている。

 現在、全国には約210カ所の保護林があり、天然杉群を保全している。野瀬豊町長は「図らずも地形的にこのような杉が残る環境が整っていた。保全をベースにしながら学術的な分野で活用できれば」と話している。

福井新聞社

最終更新:6月25日(土)8時51分

福井新聞ONLINE