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クルマ選び、今後は「性格」が決め手に? 「自動運転」の鍵、開発本格化

乗りものニュース 6月25日(土)10時2分配信

実用化が待たれる「ライダー」

 いま、自動車メーカー各社は「人工知能(AI)」の開発に熱心です。

 トヨタは2016年6月、アメリカ・ミシガン州に3カ所目となる人工知能技術の研究、開発拠点を設置。ホンダも、東京・赤坂に知能化技術の研究開発を行う新拠点を2016年9月に設立すると発表しています。

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 自動車メーカーが人工知能の研究に力を入れるのは、「自動運転」の実現のため。人工知能は、自動運転を実現させるため必要なピースの“最後のひとつ”だからです。

 なぜ「人工知能(AI)」が“自動運転の最後のピース”といえるのか、それは、「自動運転」に必要な技術を知れば理解できるでしょう。

 まず、自動運転には「ハンドルを自動で動かす」「ブレーキを自動で作動させる」ことが求められます。これらはつまり、クルマを「動かす」技術です。停車中にブレーキ状態を維持するため、パーキングブレーキも電動化が必須。これらの技術はすでに実用化されています。

 次に「周囲を監視する」、すなわち「見る」技術も必要です。監視の目となるのは各種のセンサーで、遠い距離は「ミリ波レーダー」、もう少し近い距離は「赤外線レーダー」、そしてクルマのすぐ近くは「超音波ソナー」といったものがあります。また、「物体がクルマなのか人なのか」などを識別するカメラも、なくてはならない存在です。

 これらの技術もすでに実用化されていますが、「見る」ための技術にはもうひとつ、実用化が待たれるものがあります。それは「レーザースキャナー」で、メーカーによっては「ライダー」と呼ばれているもの。これはクルマのすぐ近く、しかも周囲360度にわたって存在する物体を、より詳しく識別するための技術です。

実はもう、結構近くなっている自動運転 しかし最後のピースが…

 数年前、自動運転の試験車両が屋根の上に、丸いドームを設置していたことを覚えている人もいるでしょう。グルグル回るものもありました。あれが「レーザースキャナー」です。

 しかし、量産車の屋根にあのような大きなものを置くわけにはいきません。それを、なんとか見栄えに影響のないように小さくして、しかも安くしようと、自動車業界をあげての開発競争が進んでいます。

 2016年5月、横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展」において、欧州の自動車部品サプライヤーであるヴァレオ社が非常に小さなレーザースキャナーのプロトタイプを出品しました。2018年には量産化される見込みともアナウンスされており、当然、トヨタ、日産も同レベルのものを開発しています。つまり、自動車に必要な「見る」技術が揃う日は近いのです。

 また、「地図」もなくてはならない技術。自動運転では道の幅や形、合流の格好など、非常に詳細な地図が必要となり、従来のカーナビ用のものでは役に立ちません。新しく用意しなくてはならないものの、作るノウハウはすでに存在し、現時点では自動車メーカーごとに制作されています。しかし、それぞれ勝手に作るのは効率的でないため、将来は各社で共通の地図を使うことが検討されており、現在、そのフォーマットを決める話し合いが進行中です。

 そして、最後に必要な技術が「人工知能(AI)による判断」、すなわち「考える」技術です。振り返れば、「動かす」「見る」という技術は、実はもうほとんど実用化されており、「地図」の技術も道筋が見えています。そうなったとき、まだまだ完成に遠いのが「考える」技術。だからこそ各自動車メーカーはいま、やっきになって人工知能の開発を進めているのです。

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最終更新:6月25日(土)12時51分

乗りものニュース