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K-1 因縁の「壊し合い」対決で空前の盛り上がり!エース武尊は意地の勝利。それでも「小澤(海斗)選手のことは絶対認めない」

バトル・ニュース 6/25(土) 22:19配信

 6月24日、東京・代々木第二体育館には超満員札止めの観客が押し寄せ、熱気に包まれた。「新ムエタイ最強伝説」ゲーオ・フェアテックスが2連覇を達成したー65kg世界トーナメントも激闘の連続で盛り上がったが、やはり一番の注目を集め、会場内をヒートアップさせたのは「武尊対小澤海斗」だ。

 小澤は武尊を挑発し「対戦相手にリスペクトのない挑発」を誰よりも嫌う武尊は嫌悪感を露わにした。記者会見で2度の乱闘騒ぎを起こし、試合前日の計量と記者会見ではこの二人だけツーショット撮影なし。その場で殴り合いを始めかねないほど感情的になる二人を見て、主催者側が「危険」と判断したのだ。視線を合わせないように、徹底して二人を同じ場所にいさせぬように隔離した。
 二人の関係が険悪になればなるほど、大会への注目は高まった。最近のK-1は「前売り券完売、当日券なし」が当たり前のようになっているが、今大会は過去に例のないほどチケットの売れ行きは凄まじいものがあった。
「やはり武尊対小澤海斗の反響は凄かった。チケットもこれまでのK-1の大会で最も早く完売しました」(前田憲作プロデューサー)

 前評判は武尊の圧倒的優位。K-1のエースとして、K-1はもとより昨年末のRIZINなど様々な大舞台で、世界各国のファイターと戦ってきたキャリアはやはり強みだ。対する小澤はここまで注目を浴びて試合をするのは初めて。試合数を単純に比較しても、小澤はプロ11戦目。これが26戦目の武尊の半分以下だ。小澤のパンチ力は定評があるが、経験豊富な武尊に当てることはかなり難しいのでは、と。
 だが、入場する二人を見て「これは何かが起こるかもしれない」と感じた。落ち着いた表情で入場した小澤とは対照的に、武尊の目は怒気をはらみ、明らかにいつもの試合以上に殺気立っていたのだ。
 この時、武尊も「感情的になりすぎている」と自覚していたという。
「僕は(試合中に)感情が出すぎるところがあって、出すぎるとポカをする可能性もある。必死に抑えていました」

 リング上で冷静さを取り戻した武尊は、試合開始と共に蹴りを主体にじわりじわりと攻めていく。遠目からパンチで飛び込みたい小澤の動きを制するように、前蹴り、ミドル、ローを散らし、距離が近くなるとヒザを打ち込む。そして、次第に攻撃の的を小澤のボディに絞り込んでいった。
 小澤も必死だ。跳びヒザやバックブローを織り交ぜ、強引に中に入ってパンチを打ち込む。そのパワフルな攻撃で何度か「あわや」という場面を作り出したが、武尊はまったく動じなかった。変幻自在なステップワークで突っ込んでくる小澤を難なくかわすと、2ラウンドからさらに圧力を強めてボディに攻撃を集中。パンチの打ち合いの最中に笑顔を見せるなど、普段通りのペースで小澤を追い詰めていく。3ラウンド後半は、ギアをもう一段上げた武尊がボディ攻撃で倒しに掛かり、小澤は意地で立ち続けているのがやっと。試合終了のゴングと共に、小澤はがっくりと肩を落とした。
 判定は3-0で武尊。堂々の内容だったが、ここからこの試合のもう一つの見せ場が訪れる。
 武尊は、小澤のコーナーにいた小比類巻会長のもとに挨拶に訪れたが、小澤とは健闘を称え合うことも、視線を合わせることもなく一切無視。小澤も客席に向かって深々と頭を下げた後、武尊を一瞥することもなく足早にリングを下りた。インタビュースペースにも現れず、無言で会場を後にした。

 試合後、武尊は悔しそうな表情を見せた。
「KOできなかったのは反省点です。悔しかったし、勝って、王者としては最低限のことをした感じです。K-1を先頭に立って引っ張れるのは僕しかいないし、僕じゃないとダメだと思う。小澤選手はそれを奪い取ろうとして、プロとして相当な覚悟を決めて、あれだけ挑発をしてきて。どんなに積み上げてきても一敗ですべてを失うのが格闘技。僕も格闘技人生を、自分の命を懸けてリングに上がって勝ちました。だから『ノーサイド』とはしなかったですし、小澤選手のことは絶対に認めません」
 武尊はもっと先を見る。
「K-1はスポーツであり、喧嘩でもあって、今回は試合前から物凄く盛り上げて貰って、僕も試合へのモチベーションをかつてないほど上げて貰いました。だけど、K-1はまだまだこんなもんじゃないんです。もっと世界中の人が憧れる舞台にしたいし、僕はその先頭に立って引っ張っていきます」
 前田プロデューサーは、リング上の二人を見てこんな感想を持った。
「二人が目も合わさず、握手もしなかったのを見て『二人の戦いはこれからまだ続いていく』と感じました。今回の小澤選手は素晴らしかった。あれだけ噛みついて盛り上げて、試合でもこの大舞台でキャリアの違う武尊と正面からやり合った。この1戦で大きく成長したと思います。これからの小澤選手にぜひ注目してください」
 試合翌日の会見で、武尊はもっと分かりやすく小澤に呼びかけた。
「もう1回、俺とやりたいなら、這い上がってこいよ」
 武尊と小澤海斗。絶対に交わらない水と油のライバルストーリーは、今まさに始まったばかりだ。

(スポーツライター茂田浩司)

最終更新:6/25(土) 22:45

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