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<沖縄で覚醒剤600キロ>水際対策の危機、外国船急増で人員足りず

沖縄タイムス 6/26(日) 10:05配信

 那覇市の海の玄関口・那覇ふ頭に停泊した外国籍のヨットから、覚醒剤の国内最大押収量となる約600キロが見つかった密輸入未遂事件。台湾人の男女6人(うち船長ら4人を覚せい剤取締法違反の罪などで起訴)が乗ったヨットは当初、石垣港へ入国したが、現地で税関や海保による密輸監視の目をくぐり抜け、書類審査で3日間停泊した。外航クルーズ船の急増などで離島の監視体制は人員不足が深刻。捜査関係者は「密輸摘発は氷山の一角。水際対策は不十分」と危機感をあらわにする。(社会部・山城響)
 ヨットは石垣港から那覇港に入港した際、船内検査で麻薬のケタミンが見つかり、その後の捜査で覚醒剤も押収された。石垣を「通過」したことについて、沖縄地区税関の担当者は24日の記者説明会で、石垣では入港尋問にとどまり、船内検査は実施しなかったと認め「那覇に向かうことも把握し監視の範囲内だった。石垣で取り逃がしたという意味ではない」。船内捜索実施の判断については、「どこで取り締まり、検査するかは人員配置も含めたこちらの事情もある」と説明した。検査の実施基準は「取り締まりの手法に関わる」と回答を避けた。
 違法薬物の密輸取り締まりや通関業務を担う沖縄地区税関の職員は約220人。対象は、空港や港の旅客旅具に国際郵便物など多岐にわたる上、近年、海外観光客が急増する離島も抱える。同税関は密輸取り締まりに従事する監視艇「しまかぜ」で薬物の洋上取引にも目を光らせているが「限界がある」(税関幹部)と認める。
 県は観光客数1千万人を目標に掲げる。県内に入港する外航クルーズ船は2011年に年間82隻だったが、昨年は202隻。ことしは400隻超と倍増するとみられる。平良港は昨年の13隻から100隻超へ激増する見込みだ。
 同地区税関の安井猛税関長は「ここ1~2年で明らかに変化した」と強調。先島地域のクルーズ船増加には、本島から職員を派遣し「どうにかやりくりしている」(税関幹部)のが現状だ。他地区の税関から出向などで10人を緊急増員するも、捜査関係者は「当然、手薄になる状況も出てくる」と明かした。

<薬物密輸で検挙>近年まれに見るハイペース

 沖縄県警暴力団対策課のまとめでは5月末現在、薬物密輸の検挙数は8人で、昨年の7人を上回り、「近年まれに見るハイペース」(捜査幹部)という。薬物事犯の発覚するケースの大半が税関検査で、国際郵便物を含む密輸対策も課題となる。税関関係者の中には、国境を接する台湾での「覚醒剤製造拠点」を指摘する声もある。
 個人や組織で増加する薬物密輸にどう立ち向かうのか。捜査関係者は「水際対策の人員を増強しないと、物理的に追いつかない。捜査機関全体に言える」と警戒感を強めている。

最終更新:6/29(水) 23:15

沖縄タイムス