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ネット選挙3度目 活用は道半ば

佐賀新聞 6月26日(日)13時22分配信

■「地上戦」重視

参院選は、インターネットによる選挙運動が解禁されてから3回目の国政選挙。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、ネットに親しむ有権者数は増えたものの、佐賀選挙区の各陣営は写真や動画の発信にとどまり、有権者とのやりとりもごく一部に限られ、従来の「地上戦」を優先している。ネット空間を政治参加の場にしようという機運自体が盛り上がりを欠いており、活用は道半ばのようだ。

出陣式や個人演説会の様子、友人の国会議員の応援メッセージ…。民進党の中村哲治候補(44)はフェイスブック(FB)に動画を積極的に掲載する。担当者は「奈良から来てまだ知名度が低く、ネットは不特定多数にアプローチする重要な手段」と話し、こう続けた。「どこまで票につながるかは未知数だけど」

ネットでの選挙運動が解禁された2013年の参院選。候補者は投票率が低い若い世代の票を取り込もうと、手探りしながら積極的に情報発信をしたが、反応はいまひとつだった。

自民党の福岡資麿候補(43)は22日の公示後、プロのカメラマンが街演に同行し、写真や動画を随時アップしている。FBの「いいね」の数は公示前の数倍になった。ただ、「選挙は顔と顔を会わせ、直接話す方が圧倒的に反応がいい」とも話す。自民陣営が3年間、試行錯誤してたどり着いた結論は「無理のない活用」という方針だった。

幸福実現党の中島徹候補(42)も前回参院選ではブログやツイッター、FBを駆使したが、今回はFBに絞った。「つじ立ちとか街演とか、フェイス・トゥー・フェイスに努めたい」

日本新聞協会が15年末、全国の15~19歳約200人に選挙で参考にする情報源(複数回答)を尋ねると、テレビ番組(政見放送)が最多の36・1%で、新聞記事が25・9%で続いた。ネットは新聞社以外のニュースサイトが11・7%、政党や候補者のウェブサイトが10・2%と伸び悩んだ。

佐賀女子短大1年の柴田ゆかりさん(19)=佐賀市=は「ネットで集める情報は、大学の研究や個人的に興味があることが中心。政治の情報は、テレビとか向こうから入ってくるものを受けるだけ。SNS(会員制交流サイト)で政治の話をするなんて、まずない」。日常的に政治を話題にすることが低調な風土のまま、ネットに活性化を求めるのは難しいと感じる。

■検索してまで見ない

若者以外のネット利用者も同様の意見が目立つ。佐賀市のケアマネジャー古田香澄さん(52)は「安全保障関連法の国会審議の時は、政党のウェブサイトで主張を見比べた。選挙では候補者のサイトを検索してまで見ようとは思わない。選挙公報で十分」と話す。

■比較サイトあれば…

ネットを使った選挙運動に詳しい選挙プランナーの三浦博史氏は「『勝てる』ネット戦略が見いだされない限り、ネット選挙の普及を候補者側に求めるのは難しい」と指摘する。その上で、利用者を増やす一例として「電化製品の価格比較サイトのようなものを各選挙区で作ればいい。公正で充実した内容の比較サイトは全国どこにもなく、そこから始めてはどうか」と提案する。(取材班)

最終更新:6月26日(日)13時22分

佐賀新聞