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「PTSDで覚醒剤認識なし」 米国人男性に無罪判決 千葉地裁

千葉日報オンライン 6/26(日) 14:12配信

 2014年9月に中国・マカオから成田空港に覚醒剤約3キロを隠したスーツケースを持ち込んだなどとして覚せい剤取締法違反などの罪に問われた住所不定、アメリカ国籍の無職男性(69)の裁判員裁判で、千葉地裁(金子武志裁判長)は24日、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)によりスーツケースに覚醒剤が隠されている認識はなかった」などとして無罪(求刑・懲役12年、罰金500万円、覚醒剤2袋没収)を言い渡した。

 男性にスーツケース内に覚醒剤が隠されていたという認識があったかが争点だった。

 判決によると、男性は同年5月ごろ、弁護士を名乗る人物から突然「男性のメールアドレスが詐欺に使われ、補償金として85万ドル受け取れる。書類を日本に持参しなければならない」とのメールを受けた。メールに従い、9月にマカオで現地配達人からスーツケースと1200ドルを受け取った。成田空港に到着後、税関でスーツケース内のリュックサックの背当て部分から、ビニール袋に入った覚醒剤約3キロが見つかった。

 判決で金子裁判長は「男性はベトナム戦争の従軍体験を原因とする中等度のPTSDで、犯行時、物事を大局的に判断する能力が低下していた」とする鑑定結果を支持。「通常であれば違法薬物の隠匿を疑うべき状況にあった」と認定した一方、「PTSDにより判断能力が劣っていた男性が、スーツケースに違法薬物が隠されているとの認識があったと認めるには、合理的な疑いが残る」と、無罪の理由を述べた。

 千葉地検の広瀬勝重次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対処したい」とコメントした。

最終更新:6/26(日) 14:12

千葉日報オンライン