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EU離脱に地方企業「まさか」 円急騰で不安の声こぼれる

福井新聞ONLINE 6月26日(日)17時19分配信

 「欧州戦略を見直さざるを得ない」「関税障壁でコストが増えてしまう」―。英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利した24日、同国に拠点を持つ福井県内の企業にも衝撃が走った。加えて英国以外の海外進出企業の間でも急激な円高で不安感が増大。世界規模での混乱が長引く恐れに「“ショック状態”は、いつまで続くのか」などと業績への影響を懸念する声が上がった。

 「えっ、まさか」。業務の合間にインターネットで速報をチェックしていたという眼鏡枠企画製造販売のシャルマン(本社福井県鯖江市)の宮地正雄社長は「英国、EU離脱確実」の一報を驚きを持って受け止めた。

 同社はロンドンをはじめ、フランス、ドイツなどに現地法人の営業拠点を持ち、欧州向け輸出は売上高の28%を占める。英国向けは全体の3~4%にとどまるものの宮地正雄社長は「欧州全体の市況が悪化することが、まず最初の懸念材料だ」と険しい表情で話した。

 今後の関税交渉の行方や、EU加盟各国で離脱の連鎖が生じかねないことへのリスクを挙げ、「保護主義が欧州で拡大しないか心配だ」と説明。同社は将来的に欧州を一つの市場と捉え、現地法人の機能を統合する構想も持ち上がっていたが、「これで将来構想を見直さざるを得なくなった」と述べた。

 レスターに工作機械の販売会社を持つ松浦機械製作所(本社福井市)でも昼休み中に流れた「離脱確実」の速報に衝撃が走った。高橋英郎取締役管理本部長は「最終的には、経済合理性を考えて残留を選ぶと思っていたので正直、ショック。先々は商流の変更なども考えないといけない」と厳しい口調で語った。

 同社の売上高の約4割は欧州市場。ドイツに構える欧州の統括現地法人と英国との間で、工作機械の部品のやりとりなどを行っている。。高橋英郎本部長は、EU離脱となれば「自由だった人とモノの動きに、何らかの制限がかかることになる。関税などコストが発生する」と懸念を示し、今後の英国とEU間で始まるとみられる貿易ルールの交渉などを注視していくと説明した。

 プレス機械を主力とするエイチアンドエフ(本社福井県あわら市)はグロスターに100%子会社があり、英国やフランス、ハンガリー、チェコなど欧州各国の顧客へのアフターサービスを中心に行っている。同社の担当者は「製造拠点ではないので、直接的には大きな影響があるとはみていない」と話した。

福井新聞社

最終更新:6月26日(日)17時19分

福井新聞ONLINE