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京都の悪い芝居、バンドが主役の舞台

Lmaga.jp 6/26(日) 7:00配信

京都を拠点に創作を行う劇団・悪い芝居が、7月に大阪と東京で舞台『メロメロたち』を上演する。京都市内で稽古を行う作・演出家、山崎彬に話を聞いた。

カメラを向けるとふざけ始める山崎彬

悪い芝居の作風は、山崎が「スタイルを決めると飽きてくるし、その時やりたいことを素直にやる」と言う通り、コメディ色が強い時もあれば、現実と芝居がリンクする実験的な手法で攻めてくることもある。映画で言えば、時代劇からSFまで、多彩過ぎるジャンルを手がける三池崇史監督のようなスタンスだ。でもストーリー面では、一見問題なく社会生活を送っているけど、実は今の世界に対して強い違和感や負の感情を抱く「隠れ社会弱者」たちの葛藤をテーマにし続けている。山崎は、「そんな人たちが、社会になじもうと頑張ってるけどやっぱり無理! ってなる様を描いていきたい」と話す。

もともと「銀杏BOYZ」の大ファンで、「彼らの音楽のグルーブを演劇に変換できないか?」 ということにも挑戦し続けている山崎。そんななか、ミュージシャンの岡田太郎をメンバーに迎えたこともあって、公演ごとに舞台のドライブ感が強まってきた。次回公演では、「たとえ作る人が亡くなっても、一人ひとりの耳にも心にも存在を残すことができるのが『音楽』という表現。それを通して、死んでも永遠に残るモノとは何か? を、生演奏を交えながら軽やかに見せていきたいです」と、満を持してロックバンドが主役の作品に挑む。

「悪い芝居」。シンプルながらもインパクト強烈なこの劇団名の通り、彼らが作る芝居も、悪い。しかしそれは決して粗悪ということではなく、人間誰しもが持つ悪意や嫌悪などの負の感情を、エンタテインメントにしてみせるという意味においての「悪い芝居」なのだ。音楽の高揚感と演劇の物語性をひたむきに両立させるとともに、現実の隠れ社会弱者たちへの力強い応援歌ともなるはずだ。

取材・文/吉永美和子

最終更新:6/26(日) 7:00

Lmaga.jp