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南城の保育所民営化 市と存続派、深まる溝

沖縄タイムス 6/27(月) 5:05配信

 【南城】南城市(古謝景春市長)最後の公立保育所を巡り、市と存続を訴える市民団体の溝が深まっている。市は「民間に比べコスト高」「多様な保育ニーズへの対応」などを理由に、2017年度からの民営化を目指しているが、市民団体側は「十分な議論と合意形成がなされていない」と反発。民営化を急ぐ市側と市民団体の考えはかみ合わないままだ。(南部報道部・又吉健次)

■国の補助金出ず
 南城市は07年、市立保育所民営化基本方針を策定。公立7園のうち6園を15年4月までに民営化した。同方針は公立保育所について「子育て支援の拠点」と存続を明記したが、市は19年度までに保育士が定年、公立建て替えには国の補助金が出ない-などを理由に公立廃止にかじを切った。
 市は今年1月、市子ども・子育て会議で、民営化の方針を説明したが、委員らは「もっと議論が必要、資料提出を」と要求。だが3月の会議でも提出されず、不信を招く形となった。
■署名者に「電話」
 こうした中、保育園関係者や市民らは4月に署名活動をスタート。その後、市長は、署名活動をしていた市内の男性にSNS(会員制交流サイト)を通じて、民営化を巡る議論などをメールで数十回やりとりしたという。
 男性は「一市民と市長の力関係は違う。恐怖を感じた」などと市長の対応を疑問視。市民団体の市側への不信がさらに深まった。
 市議会では今月10日、一般質問で市長は「署名者に電話をした」、13日には「電話は市民から掛かってきた」などと矛盾する答弁もあり、傍聴した市民から保育園問題に対する“迷走”ぶりを指摘する声も上がった。
■意見交換会組む
 民営化について3月議会の施政方針演説で表明した市長。8月には事業者を公募するとの姿勢を示している。7月19日から意見交換会が組まれており、市側が民営化の方針を説明しつつ市民の考えも聴く場がようやく設定される。
 存続を訴える計7681人分の署名を市へ提出した同市社会福祉法人立保育園園長会は「私たちも登壇し、公立の存続を考える場にしたい」と話す。
 市立保育所の最後の1園の廃止に、市民らは「私たちが望んでいるのは一方的な市のやり方ではなく話し合い」「市長は結論を急ぎすぎないでほしい」と訴えている。

最終更新:6/27(月) 5:05

沖縄タイムス