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MUCC、ツアー初日の野音公演レポートが到着。新曲「ハイデ」MVも解禁

M-ON!Press(エムオンプレス) 6月27日(月)17時31分配信

6月25日、日比谷野外大音楽堂にて『MUCC TOUR 2016 GO TO 20th ANNIVERSARY 孵化-哀ア痛葬是朽鵬6極志球業シ終T-』の初日公演を開催された。

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長いツアーサブタイトル(メンバーいわく“文字化け”)は、19年間に発表してきたアルバム名の頭文字等で、1文字が1作品を表現。2017年の結成20周年を前に、キャリアを網羅する意味合いの強い特別なツアーである。MUCCの野外公演と言えば雨が恒例だったが、曇天ながらも持ち応え、幸先の良いスタートを切った。

「哀ア痛葬是朽鵬6極志球業シ終T」と経文のように縦書きされた白・黒の垂れ幕が多数あしらわれたステージに、午後6時、メンバーが登場。逹瑯(vo)は歓声に応えて大きくマイクスタンドを振り回す。

YUKKE(b)がスラップするベース音からスタートしたのは、「大嫌い」。「気持ちいいね。野外でちょっとの時間、MUCCと遊んでってちょうだいよ」と語り掛けた逹瑯は、「嫌い嫌い嫌い嫌い」と歌いながらYUKKEに近付き、逃げられると次はミヤ(g)に接近。鋭い眼差しを向けられて、「すごい怖いんですけど!」と笑わせ緊迫感をほぐすと、SATOち(ds)に向き合ったあと、いよいよ歌い始めた。

「ENDER ENDER」からは一気に攻め込み、「KILLEЯ」へとなだれ込む。最新シングル「ハイデ」に収録されたこの曲は、抒情的なメロディーとメタルの様式美を取り入れたギターフレーズ、思わずシンガロングしたくなるコーラスパートなど、MUCCらしく多彩な要素が複雑に絡み合った曲。こうしてライブで体感すると、とにかくすさまじい勢いで駆け抜けていくのが痛快だ。

間髪入れず始まった「JOKER」では、逹瑯はマイクスタンドに沿わせる手を艶めかしく動かしながら、声色を巧みに操り、妖艶なボーカルで観客を陶酔させた。

疾走感に溢れた「謡声(ウタゴエ)」で観客を乱舞させると、「ハイデ」収録の「悲しみとDANCEを」のめくるめくリズムの変動、呪文を唱えるかのような歌声、不穏なギターリフで心の深部をえぐる。

イントロで悲鳴のような歓声が沸いたのは、2003年のメジャーデビューシングル「我、在ルベキ場所」。カクンと倒れ込んだ逹瑯は寝そべったまま歌い始め、やがて立ち上がると、激しく明滅するライトに射られながら、やるせなさに胸を掻きむしるような渾身の歌を聴かせた。

開放的な屋外にありながら、ダークな密閉空間を立ち上がらせた「鎮痛剤」(2001年の1stフルアルバム『痛絶』収録)は幻惑的だったし、「A.」の繰り返し奏でられるギターアルペジオは哀しくも美しかった。

そして特筆すべきは「ママ」である。心細げにウロウロと誰かを探し回るかのような動きをしながら、痛切な心の叫びを炸裂させる逹瑯。ひざまずいたり、のけぞったりしながら全身で荒れ狂うギターフレーズを鳴らすミヤ。目を背けたくなるような暗い世界を描きながらも、すさまじいカタルシスをもたらした。

ステージが薔薇色に染まるなか、荘厳なメロディを響かせた新曲「トリガー」、センチメンタルで真っ直ぐな歌が胸に飛び込んで来た「昔子供だった人達へ」と、新旧の壁をダイナミックにぶち壊しながらあくまで“現在のMUCC”の音で紡いでいく。

全編を通して言えることだが、どんなリズムの変化もハイテンポも盤石に支えるYUKKEとSATOちの安定感がすさまじい。ピアノイントロで驚嘆の声を巻き起こしたのは「イソラ」。幻想的なエレクトロサウンドとオートチューンで変容させたボーカルが、情感をかえって際立たせる。<風に身を任せよう>と歌ったタイミングでまさしく風を肌に感じたのは、野外ライブならではの醍醐味。この頃には陽が沈み、暗がりの中で「この線と空」をしっとりと深く響き渡らせた。

MCでは、「全部のアルバムは網羅できなかった。“入れられなかったな~”という曲、このツアーでガンガン入ってくるので。“あそこではこの曲やったか~。聴きたいな!”と思いながら、唇噛んで待っててもらいたいな、と」と逹瑯。

終盤は、包み込むような歌声が印象深かった「家路」に続き、Ken(L’Arc~en~Ciel)がプロデュース、田中義人がアレンジしたことでも話題の最新シングル表題曲「ハイデ」を披露した。洗練された四つ打ちを軸に、想い出の景色を呼び起こすような、新しくも懐かしい不思議な手触りのこの曲。幾多の白いライトが上下に動き、まるで揺らめく魂のように、眩い光を放つ美しい情景を立ち上げた。そのまま四つ打ちのリズムを引き継ぎながら「Mr.Liar」へ突入すると、ムードは豹変。怒涛の2バスドラムを踏み鳴らすと、大きく手を挙げてスティックを振り下ろしたSATOちは、猛スピードの高速ドラミングに没入。野音は咆哮とヘッドバンギングの嵐となった。ラストは「TONIGHT」、観客・メンバーが声を合わせ、会場が一体となる最強のアンセムで本編を締め括った。

アンコールに応えて一番乗りで登場したYUKKEが、「こういうツアーって、俺がファンだったらすげえワクワクすると思うんですけど、どうですか?」と問い掛けると、拍手と歓声が沸き起こる。

SATOちは、「俺、てるてる坊主をつくった」と明かしつつ、「前にやった『Chemical(Parade』ツアーときの野音。2011年)から5年ぐらい経つのかな? 雨でドラムのペダルがベチャベチャでツルツル滑って」と苦労を振り返った。

「このツアー、始まったのにまだまだツアーリハやります!」と逹瑯が明かすと、ミヤは「どういうことかと言うと、まだやってない曲があるから。地方スタジオに入る疑惑が(笑)」と補足。つまり、この初日に披露した以外の曲を、ツアー先の地方で練習しセットリストを絶えず更新していく、という攻めのプランを意味する。

メンバー間でこうしてトークを自然に繋ぎながら、「(音を出す最終時刻である)8時半までずっとしゃべっててもいいし。それでもいい(笑)? トークでもすげー楽しませるよ?」と冗談めかす逹瑯。エッジの立った音楽とは対照的なこの穏やかなMCの空気感も、19年という長い年月の賜物に思えた。

「シングルでは初めてなんですけど、作詞・作曲をやらせてもらいました」とYUKKEが明かした新曲「CLASSIC」は、8月28日放送開始のTVアニメ「七つの大罪 聖戦の予兆」のオープニングテーマ曲。「疾走感のあるシングルらしい、いい曲だよ? おどろおどろしくないよ? MUCCにそういうの求めてる?(笑)」と逹瑯は笑わせたが、冒頭からまさに疾走感がみなぎり、キャッチーなメロディーラインを誇るアニメソングの王道。作品の世界観に寄り添った歌詞も力強く、真っ直ぐに心に響いてきた。

全員ジャンプの指令を下した「1997」、夜の闇に似つかわしい暗い狂乱と渾身のシャウトで時空を歪ませた「オルゴォル」と続け、一瞬の静寂のあと、問答無用のキラーチューン「蘭鋳」へ突入。観客が一斉に髪を振り乱し、息を飲むカオスが出現した。

全員をいったん座らせる恒例の場面では、先走りして座ろうとした観客を「何勝手に座ってんの? お前ら、いつの間に見切り発車するようになった?(笑)」とイジる逹瑯。窓の明かりが灯るビルを見やりながら、「“俺も行きたい”と思うような、もしくは“絶対行きたくない”と思うような、最高の乱痴気騒ぎを見せてやれ!」と煽る。

初日であるこの野音を「今日を基準にしたい。絶対超えてやるからな。かかってこいや!」と自分自身に、観客に気合入れするように焚き付けて、SATOちのカウントで全員が一斉にジャンプ。その瞬間、ステージを覆い尽くすほどのスモークが噴出。めくるめく興奮の中、公演は幕を閉じた。

ツアーは次の7月9日の京都FANJから全国17ヵ所をめぐることになるが、MCにもあったとおり、各地でその会場でしか聴けない曲を披露する可能が高く、予測不可能だからこその刺激やスリルを味わえるツアーになることだろう。大阪城野外音楽堂で9月3日にファイナルを迎えるまでに、どんな変貌・進化を遂げていくのか、全公演を自分の目で確かめたくなるような初日公演だった。

TEXT BY 大前多恵
PHOTO BY 西槇太一

なお、アンコールにていち早く披露された、TVアニメ「七つの大罪 聖戦の予兆」オープニングテーマとして決定している楽曲「CLASSIC」の発売日が、9月14日に決定。Sony Music Shopでは非売品ステッカーが付く予約もスタートしているので、要チェックだ。アニメは8月28日、17時から放送がスタートする。

そして、前作シングルとなる「ハイデ」のミュージックビデオも解禁。今作のミュージックビデオはRADWIMPS、ゲスの極み乙女。、[Alexandros]、吉井和哉などのミュージックビデオを手がける大久保拓朗を監督に迎え、メンバーの地元・茨城県を舞台に楽曲の雄大さを表現した作品となっている。

リリース情報
2016.06.15 ON SALE
SINGLE「ハイデ」

2016.09.14 ON SALE
SINGLE「CLASSIC」

TVアニメ「七つの大罪 聖戦の予兆」番組サイト
http://www.7-taizai.net/

MUCC OFFICIAL WEBSITE
http://www.55-69.com/

最終更新:6月27日(月)17時31分

M-ON!Press(エムオンプレス)