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上川隆也、山崎豊子作品の役づくりは「ノープランでした」

Movie Walker 6月27日(月)12時55分配信

WOWOW史上最大のスケールで製作された、2部構成・全20話の超巨編「連続ドラマW 沈まぬ太陽」(WOWOWプライムにて放送中)。主演を務めた上川隆也へ、オールアップした翌日にインタビューを敢行。約半年間に及ぶ撮影を振り返ってもらうと、上川から「ある意味、達成感がないんですよね」という意外な言葉が返ってきた。果たして、その真意とは?

【写真を見る】「演技中は“役に出かけて行ってる”感覚」と、自身の役作りについて語った上川隆也

「白い巨塔」などで知られる山崎豊子の最高傑作と言われる小説を初めてドラマ化した本作。上川が演じるのは、“空の安全”を軽視した結果、未曽有の飛行機墜落事故を起こした航空会社に勤務する主人公・恩地元だ。信念を貫き巨大組織に立ち向かっていく恩地を、上川は「決して特別な人間ではない」と話す。

「恩地は、僕の隣人として住んでいても違和感がない人物。恩地のいる世界は、自分たちが過ごしている日常と大きく変わらないんです。そこに僕は大きな魅力を感じました。それは、現実で起きたことをベースに物語を描いている、山崎(豊子)さんの作品世界そのものだと思うんです」。

そんな等身大のキャラクターを、上川は試行錯誤せずに演じることができたという。「僕はノープランで臨むのが常なんですが、今回はいつも以上に、演技プランを決めないで現場に向かいました。山崎さんの作品は、登場人物の心理描写が緻密で、自然。なので目の前で起きる事件、事象に対して、恩地として相手のセリフ、その場の空気をしっかり感じて、頭でに演技をするよう心がけて臨んでいました」。

そして、申し訳なさそうに笑いながら「だからこそ、明日からもまたすぐに恩地さんになれると思います。自分が恩地を演じることに距離感が無さ過ぎて、撮影が終わっても、やり遂げた感がないんですよね…」と語った上川。その状態は、よく役者が陥る“役が抜けきらない”感覚とも違うと言い、「僕はいつも、演じる役に“出かけて行ってる”感覚が強いんです。だからなのか、役が終わればちゃんと戻って来られる。その出かける距離が、恩地はすぐ隣だった…ということです」と自身の役づくりについて分析した。

また、長い撮影期間を共に過ごしたキャスト陣についての熱い思いを吐露。出世のために恩地を裏切る行天四郎役の渡部篤郎を「僕とは世界の捉え方が本当に違う方」と表現した。「だからこそ、演技のアプローチも僕が思いがけない方向からやって来る。そこには惚れ惚れとしましたし、演者として本当に楽しい時間でした」。

恩地の妻・りつ子を演じた夏川結衣については、特に刺激を受けた共演者として絶賛。「夏川さんが言うセリフには、とてつもない温もりがこもっていたんです。第1部の後半で、恩地が会社に左遷させられ孤独なとき、ギリギリ正常な状態を保てたのはりつ子のおかげでした」。

そんな恩地の海外左遷時代を忠実に描くため、大規模な海外ロケが敢行された本作。「アフリカの大地では野生動物が当たり前に闊歩していて、恥ずかしながらそれが目から鱗でした。ありのままの姿でいる凄さと美しさに圧倒されましたし、きっとその思いは恩地も同様ではないのかな、と思えました」と、恩地としての目線を交えてアフリカでの思い出を振り返った。

「連続ドラマW 沈まぬ太陽」は7月10日(日)放送の第9話から、第2部に突入する。「遂に国民航空を揺るがす事故が起こり、再建へ歩みを進めれば進めるほど闇や壁が立ちはだかります。そういった組織の大きなうねりに、恩地がどう立ち向かうかご覧いただきたいです」と見どころを語った上川。終始丁寧に言葉を選び、熱く語るその真摯な姿は、誠実で正義感に厚い恩地元のそれに重なった。【取材・文/トライワークス】

最終更新:6月27日(月)12時55分

Movie Walker

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。