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盗難の「肥前狛犬」帰還 転売繰り返し米国で発見 佐賀

佐賀新聞 6月27日(月)10時57分配信

 佐賀県小城市内で盗まれた佐賀県独自の石仏「肥前狛犬(こまいぬ)」が米国ニューヨークで見つかり、県内に返還されたことが26日、分かった。佐賀署が別の石仏盗難事件の余罪捜査で転売先をたどり、日本から電話で所有者に事情を説明したところ、国際配送で戻ってきた。行方を案じていた文化団体は喜び、狛犬の表情も心なしか、安堵(あんど)がにじんでいる。

ネット取引たどる

 佐賀市の寺院から石仏2体を盗んだ疑いで4月に逮捕された同市内の古美術店手伝いの男(74)が、小城市小城町の民家跡から狛犬を盗んだことを自供した。転売が繰り返されており、佐賀署員は足取りを追うようにネット上の取引を丹念にたどり、日本から約1万キロ離れた米国東部のニューヨークに渡った事実を突き止めた。

1800ドル(約18万円)で販売

 所有者に電話で連絡すると、盗難品だったことは知らず、返還を了承した。現地では「HIZEN KOMAINU(肥前狛犬)」の出品名でギャラリーに飾られ、1800ドル(約18万円)で販売されていた。

盗難品と一致

 肥前狛犬は、安土桃山時代から江戸時代中期にかけて佐賀で造られ、神社などに設置された。小型で簡素な彫り方が特徴で、近年は盗難被害が相次ぎ、ネットで競売にかけられるケースもある。佐賀署に郵送されてきた狛犬は重さ15キロで、高さ約40センチ、幅15センチ、奥行き30センチ。赤みがかり、盗まれていたものと一致した。

海を渡っていてびっくり

 多久市の文化団体「肥前狛犬を学ぶ会」の西村隆司事務局長は、海を渡っていたことに驚きながら「狛犬はやはり肥前の地にこそふさわしく、海外から無事に帰ってきてうれしい。二度とこんな被害が出ないように、保存に力を入れていく必要がある」と話していた。

最終更新:6月27日(月)10時57分

佐賀新聞