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病院の譲渡や機能移転…久喜の医療考えるシンポ 市民240人が参加

埼玉新聞 6月27日(月)10時30分配信

 経営不振による久喜総合病院(埼玉県久喜市上早見)の経営譲渡や、済生会栗橋病院(同市小右衛門)の一部機能移転など、課題を抱える同市の地域医療を考えようと、市民団体「久喜地域の医療を考える会」は26日、同市伊坂の栗橋文化会館でシンポジウムを開催し、市民ら約240人が参加した。

 シンポジウムの前半は、同会代表世話人でNPO法人医療制度研究会副理事長の本田宏医師が、医師不足や医師の過酷な労働環境、長期入院になるほど点数が減る日本の診療報酬制度などについて解説。栗橋病院・前院長補佐の本田医師は「栗橋病院に地域救急センターが開設した時、救急専門医は0人だった」と明かし、「人口10万人に対する医師数は埼玉県が全国最下位で、高齢者増加率は1位。埼玉にこそ、医学部をつくる権利と義務がある」と強調した。

 後半では、家族が救急車で市内の病院に運ばれた市民や久喜総合病院の誘致をした市民、久喜市議2人が登壇。本田医師が司会を務めた。

 市議らは栗橋病院の一部機能移転に関し、補助金や関係機関の動きなどを説明し、「久喜市は栗橋病院の運営にもっとお金をかけるべきだった。病院が老朽化する中、加須市は病院の資金援助などに積極的だった」と振り返った。来場者からは「加須市の医療も考える必要がある」という意見も挙がり、登壇者らも病院の移転による地域間のあつれきに苦渋の表情を浮かべた。

 本田医師は「医療は全て政治。医師が増えない要因の一つに財務省と厚労省の力関係があり、国には医師を増やせば医療費が増えるという考え方がある。目の前にいる医療従事者に文句をつけるだけでは医療は良くならない。日本の問題として長期的に考えて」と訴えた。

 栗橋病院の移転に関しては、久喜市議会が今月20日、移転計画の白紙撤回を求める決議を全会一致で、幸手市議会も24日、同院の現行存続を求める決議を賛成多数で可決している。

最終更新:6月27日(月)10時30分

埼玉新聞