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ジョコビッチとマレーの2強堅く、フェデラーの復調具合と若手の台頭にも注目 [ウィンブルドン]

THE TENNIS DAILY 6月27日(月)10時32分配信

 ウィンブルドン(6月27日~7月10日)の開幕まで2日を切った時点のロンドンのブックメーカーによれば、1番人気はやはりノバク・ジョコビッチ(セルビア)で約1.7倍だそうだ。アンディ・マレー(イギリス)が4倍で、11倍のロジャー・フェデラー(スイス)以下に大差をつけている。クレーコート・シーズンの終盤、ローマ・マスターズと全仏オープンのファイナルで対決し勝敗を分けた2人の熱い戦いぶりが、フェデラー、ラファエル・ナダル(スペイン)とともにしのぎを削ってきた約5年の〈4強時代〉の終焉を物語ったのだ。その2人が心身ともに最高に充実した状態で、〈聖地〉で火花を散らす。

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 ジョコビッチは全仏オープンで念願の初優勝を達成したあと、休養に入って前哨戦をスキップ。これは過去5年間続けている日程で、一昨年、昨年と決勝でフェデラーを倒して連覇している。全豪オープン、全仏と立て続けに制覇したからには、最大の注目はやはり年間グランドスラムの可能性になる。男子では史上3人目、オープン化以降ではロッド・レーバー(オーストラリア)が1969年に達成しただけの記録で、フェデラーもナダルも〈年間〉には手が届かなかった。もしウィンブルドンで成功すれば、今年は8月にオリンピックが控えており、女子でシュテフィ・グラフ(ドイツ)が1988年に達成しただけの〈ゴールデンスラム〉という記録も大きく見えてくる。これまでにないモティベーションで大会に入ってくると見ていい。

 この野望をお膝元で打ち崩そうと待ち構えるのがマレーだ。2012年に地元ロンドン・オリンピックで金メダルを獲得し、翌2013年には英国選手による男子シングルス77年ぶりのウィンブルドン優勝を果たした。このテニス人生最高の時代をともに戦ったコーチ、イワン・レンドル(アメリカ)が、全仏オープン後に2年ぶりにコーチに戻ってきた。前哨戦のロンドン、いわゆる“クイーンズ”の決勝でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)のビッグサービスに苦しみながら逆転で優勝し、早々とその効果を実証した。強力な師弟関係再結成の最大の目的が、打倒ジョコビッチにあるのは間違いない。

 この2強に挑む形になるのが34歳のフェデラーだ。通算6度の優勝を誇るが、グランドスラム優勝の最後を飾ったのが2012年のこの大会だった。ジョコビッチに連続で決勝戦敗退のリベンジを狙っているが、やはり問題は年齢…身体の状態にある。2月に左膝を手術し、4月に一度復帰したものの全仏オープンは欠場してグランドスラム連続出場は65回で途切れている。目標を得意の芝に絞り込んだ結果が、前哨戦の2大会のベスト4。全仏でベスト4入りした22歳のドミニク・ティーム(オーストリア)、10代で最高位の28位につけているアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)という若手に競り負けたことが気になる。

 崩れた4強の一角を若手が狙っている。最右翼として挙げられるのはラオニッチだ。196cmの長身を生かし、2年前に錦織圭(日本/日清食品)、ニック・キリオス(オーストラリア)を倒してすでにベスト4に入っている。今年からコーチにつけた全仏チャンピオンで元世界1位のカルロス・モヤ(スペイン)に加え、ウィンブルドン対策として3度の優勝実績のあるジョン・マッケンロー(アメリカ)を臨時コーチに招いたあたりに、強い決意が窺われる。錦織は「モヤとマッケンローが並んでいるのはすごい光景でしたね」と苦笑いし、「たぶん、僕らくらいのランキングの中ではラオニッチが一番野心があると思う」と話した。必殺武器のビッグサービスに加え、ボレーがさらに安定すれば鬼に金棒。マック効果が期待される。

 そのほかの若手も虎視眈々と四隅の一角を狙っている。中でもティームが抜けている。今季、すでにツアー4勝でランキングも全仏後に自己最高の7位まで上げた(現在は8位)。クレーコートが得意だが、前哨戦のシュツットガルト(ATP250)では準決勝でフェデラーを倒して優勝し、ハレ(ATP500)でもベスト4に入った。

 2年前にワイルドカード(主催者推薦枠)で初出場してベスト8まで勝ち進んだキリオスも、いわばデビューの舞台だけに怖い存在。オーストラリアの兄貴分になるバーナード・トミック(オーストラリア)も芝には自信を持っている。ティームもそうだが、このオーストラリアの2強も揃ってオリンピック不参加を表明しており、その戦略と覚悟がどう表れるか。

 これらの選手と比較すると、錦織が勢いに欠けるというのは否定できない。4回戦敗退で終わった全仏オープンのあと、フロリダの拠点で気持ちを切り替えてヨーロッパへ再上陸したものの、前哨戦のハレで1回戦の途中に腹筋を痛めて2回戦の前に欠場。錦織は意外に故障明けに活躍するという実績があるが、芝の速いサーフェスはパワーヒッター、特にビッグサーバーに有利というのは確か。その点からすれば、1回戦の相手サム・グロス(オーストラリア)は嫌な相手。初戦をいい形で通り抜けることができるか、勝敗はもとより、その内容が注目される。

(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

最終更新:6月27日(月)10時35分

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