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訴え、届いてる? 10代有権者への戦略に手探り 佐賀

佐賀新聞 6月27日(月)11時30分配信

=さが参院選 断面2016=

 参院選で佐賀県内は18、19歳の約1万7千人が新たに有権者となる中、各党や候補者の陣営は、若者向けの政策を訴えたり政策集を配ったりしてアピールしている。知恵を絞っているものの、もともと若年層は投票率が低いだけに「正直どうすればいいのか分からない」と手探り状態が続いている。

大学前で街演

 「佐賀大学前で青年局による街頭演説を行ったぐらい。学生の政治活動については正直、敷居が高く、足掛かりが見つけにくい」。自民党県連青年局長の向門慶人県議は初めての10代の有権者を歓迎しつつ、戸惑いを見せた。

 党本部からは学生組織の創設を求められ、福岡では既に発足しているが「佐賀では大学の規模や学生数も違う。安定的に人材を確保するのは難しい」と設置に至っていない。10代にどうアプローチすれば思いが届くのか、頭を悩ませる。

 民進党県連代表の大串博志衆院議員は、自らが中心となって作成した党の公約集で、給付型奨学金創設や若い世代の労働環境改善策を盛り込み「若者に関心の高い政策を盛り込んだ」と胸を張る。ただ、投票に結び付ける特別な手段を講じるまでには至っていない。

SNS「苦手」

 若者の利用が多いツイッターやフェイスブックなどのSNS(会員制交流サイト)を使った選挙運動は「苦手」と認め、自発的な広がりに頼らざるを得ない。親世代の支援者に「お子さんも連れてきて」と呼び掛けるが、反応は未知数だ。

 公明党は党本部で小学高学年にも分かる「こども・子育てマニフェスト」を作っているが、県内での取り組みは決め手を欠く。中本正一代表は「手探りだが、考えられることをやるしかない」。共産党は党中央委員会発行の若者向け政策集2万部を、約50店舗にフリーペーパーのような形で置いたり、大学周辺でポスティングしたりしている。社民党も党本部作成の若者向け政策集を支持労組の18、19歳の組合員らに配る。

「すぐ上の世代が低調」

 2014年12月の衆院選で、全国の20代の投票率は32・58%と全年代で最も低く、最高だった60代の68・28%の半分にも満たない。ある政党関係者は「すぐ上の世代が低調なのに、10代に働き掛けて投票に結び付くのかどうか」と対策に二の足を踏む。

10代有権者、1万7072人

 県内の10代有権者は6月21日現在、1万7072人で、投票率50%でも約8500票、30%なら5千票余り。別の関係者も「10代の票を試行錯誤して取りに行くのは、選挙戦略として非効率」と内情を明かす。

「10~20年先も応援してくれる」

 高校で主権者教育を担当する40代教師は「政治的中立性への配慮が強く求められる中で、候補者や政党について学校で踏み込んで教えることは難しい」と苦慮する。参院選に携わる“大人”たちに対し「初めての選挙でしっかりアピールできれば、10~20年先も応援してくれる存在になる。今回は若い候補者が多いので、長い目で見ればプラスになるはず」と訴える。

最終更新:6月27日(月)11時30分

佐賀新聞