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JA紀州がコンビニ運営 集客力アップへ子会社設立

紀伊民報 6月27日(月)16時46分配信

 和歌山県のJA紀州(久保秀夫組合長)は本年度から、子会社を立ち上げ、コンビニエンスストアの運営事業を始める。Aコープに併設し、集客力アップにつなげたいという。本年度は「セブンイレブン」をAコープひだか店(日高町)で8月末、ゆら店(由良町)で11月末に開店する計画。

 25日、日高町農村環境改善センターで第2回通常総会があり、議案を可決した。運営会社名は「JA紀州コンビニ株式会社」(仮称)で、御坊市の同JA本店に置き、代表は久保組合長。従業員数は2店舗で30~40人程度。資本金3千万円で同JAが100%出資する。7月上旬に設立の予定。コンビニ経営や酒類、たばこの販売などを事業とする。

 コンビニ事業に乗り出す背景には、今年8月、御坊市内に大型スーパーが開店する予定で、距離的に近いAコープひだか店、ゆら店、かわべ店で客の大幅な減少が懸念されるとしている。

 地域の重要な生活インフラ機能を担っているAコープへの影響を最小限に食い止めるため、コンビニを併設し、集客力を高めることを目的にするとしている。

 本年度は特に影響を受けやすいひだか店、人口減少で集客に苦戦しているゆら店に併設したいという。18年度には3店舗目も計画している。5年連続して収支均衡が図れなければ事業撤退を検討する。九州地方のJAでセブンイレブンを運営している例があるという。

 総代会ではこの議案について、組合員から「JAの職員給与や生活を守るためのAコープの経営安定、コンビニの誘致にしか聞こえない。会社経営からいえばセブンイレブンを誘致するより、Aコープを閉めた方がいいのでは。もっと営農活動に力を入れて、販売物も努力して単価が上がるようにしていただきたい」という意見もあった。

 これに対し、久保組合長は、2015年度の部門別損益計算書を示して「信用や共済事業以外の部門は赤字なのが大体の農協の現状。一生懸命営農、販売に頑張るが、合併して准組合員が多くなり、生活環境や消費形態が変わっている中で、生活の基盤を支えるのもJAの使命だ」などと理解を求めた。また、梅干しなどJA紀州が持つ特産品について、セブンイレブン側と贈答用カタログ掲載や販売などの話があり、事業に乗り出すことを決めたことも紹介した。

 また総代会では、田中弘理事の退任に伴い、硲崇理事を新たに選任した。

■中期3年計画策定 

 JA紀州は2016~18年度の第1次中期3カ年計画を策定した。それによると、同JAの現状(2015年)として、農業従事者の高齢化が進み、販売農家のうち約4割が70歳以上となっており、農家の減少などで耕作放棄地は20年間で約3倍の683ヘクタールになっている。販売品販売高は104億円で、10年に比べて6億5700万円下がった。

 計画では、農業、地域、JAの3分野に分けてビジョンを掲げ、その実現に向けた実施具体策を挙げた。

 農業ビジョンは「JA紀州ブランドの確立と、地域農業振興による農業所得の向上を実現する」。ブランドの確立では、特産品の地理的表示や機能性表示への取り組みを検討し、販売力強化では、フェイスブックやツイッターといったSNSを利用した産地アピールの検討をする。担い手支援として、JA出資型の農業生産法人による農作業受託の検討をするとしている。

 地域ビジョンでは、地域住民とのつながり強化として、仲間づくりのきっかけとしてさまざまな講座を開いている「女性大学」の継続や、新たな企画として「男性大学」の実施検討も挙げている。

最終更新:6月27日(月)16時46分

紀伊民報