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英国EU離脱のプロセスとタイムスケジュールはどうなっているのか

THE PAGE 6月29日(水)7時0分配信

 23日に行われた欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う英国の国民投票は、大方の予想に反して離脱派の勝利となりました。今後、英国はどのような手続きでEUを離脱することになるのでしょうか。

離脱交渉期間は2年間だが、延長も可能

 EUからの離脱は、英国がEUに対して正式に離脱を通告するところから手続きがスタートします。今回の国民投票の結果を受けて、EU残留を主張していたキャメロン英首相は辞意を表明しました。ただ今後3カ月は首相職にとどまり、国民投票の結果について自らEU各国に説明するとしています。一方、EU離脱という仕事については、新しい首相に任せるべきとも述べていますので、10月の保守党大会までに新たな首相が決まる可能性が高くなっています。EUに対して正式な離脱通告が出されるのはそれからになるでしょう。

 もっとも離脱通告をしたからといってすぐに英国がEUを離れてしまうわけではありません。離脱通告が出されると、英国とEUはどのように離脱を進めるのかという離脱交渉に加え、離脱後、英国とEUとの間でどのような協定を結ぶのかという協定交渉が同時にスタートすることになります。離脱交渉の期間は2年と設定されていますがEU加盟国が全会一致で承認すればの同意を得られれば延長も可能。本当に英国がEUから離脱するのは2年あるいはそれ以上も先なのです。

 

新たに結ばれる協定で、自由貿易体制が維持される可能性も

 また、英国がEUから離脱するといっても、新しく結ばれる協定の内容によっては、従来の条件と近い形で自由貿易体制が維持される可能性もあります。というのも、すでに英国は欧州経済の一部となっており、欧州の大手企業の多くは、英国を含む複数の国に製造や販売の拠点を構えているからです。

 例えば、イタリアで作った部品を英国に輸出して半完成品にし、ドイツで最終組み立てを行うといったことが日常的に行われていますから、ここで英国だけに関税がかけられてしまうと、企業の経営に極めて深刻な影響が出てくることになります。EU内部における巨大企業の影響力は絶大ですから、こうした企業はできるだけ従来と条件が変わらない形で英国と協定を結ぶようEUに求めるはずです。

 さらにいえば、英国はEUにとって最大の「お客様」です。英国はEU各国に約20兆円を輸出していますが、英国はEU各国から30兆円も輸入しており、輸入額が輸出額を大幅に上回っている状況です。こうしたことからも、EU側が英国と完全に袂を分かつことは望まない可能性が高いでしょう。 

 もちろんEUにとってみれば英国のこうした行動はわがままに映ります。感情的に納得できない部分もあるでしょうからEUとの協定交渉がそう簡単に進むとは限りません。しかし、今回の国民投票によって英国とEUがすぐに分断するわけではないことは、理解しておいた方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6月29日(水)7時0分

THE PAGE