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“E3 2016”の会場内で『FFXIV』吉田氏にパッチ3.35の全容を直撃!【E3 2016】

ファミ通.com 6月28日(火)20時36分配信

文:ライター Mainai、取材・撮影:編集部 ででお

●ディープダンジョンのディープな質問を連発!
 出張プロデューサーレターLIVE in E3にて、2016年7月中旬リリース予定のパッチ3.35で追加される“ディープダンジョン 死者の宮殿”の詳細が発表。放送内で吉田氏は、実機映像を交えながらこの新コンテンツを解説したが、最終的に獲得できる武器の強さなど、いまだいくつかの疑問が残されている。そこで、今回のメディア合同インタビューで、そうした謎を吉田氏に質問。『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の次期アップデートの目玉となる要素の秘密をお聞きすることにした。

 ほかにも、E3 2016におけるプロモーションの成果や、先月公開されたばかりのパッチ3.3に関する質問についても吉田氏は真正面から答えてくれている。こちらもあますことなく掲載するので、逃さずご覧いただきたい。

 なお本インタビューは、読みやすさを確保するために若干の編集を行っている。このため、吉田氏の実際の発言とは異なる部分が存在することをあらかじめご了承願いたい。


●スプリントを活用しつつエリア内を探索することに
──パッチ3.35で、ディープダンジョン 死者の宮殿(以下、ディープダンジョン)以外で注目すべき要素はどの部分ですか?

吉田直樹氏(以下、吉田) う~ん、ほかはとくにないです(笑)。

──(笑)。ディープダンジョン一本ということですか。

吉田 もちろん、ザ・フィーストのセカンドシーズンを始めていくので、それに向けていくつか調整を入れます。ほかにも、フロントライン“砕氷戦”の調整などもありますが、コンテンツとして大きいものはディープダンジョンなので、そこがすべてと言っても過言ではないです。ディープダンジョン“死者の宮殿”は、パッチ3.3で同時リリースも可能だったのですが、遊ぶものが多すぎても結局分散してしまいます。ですのでギリギリまで調整を行い、パッチ3.35でディープダンジョンを公開、というかたちになりました。

──ディープダンジョンは今後200階まで追加されて、ランキングも行われるとのことでしたが、200階到達のアチーブメントや報酬などは予定されていますか?

吉田 ランキングそのものに報酬はなく、完全にやり込みです。誰がどこまでスコアを稼いだのかを競ってもらおうと思っています。200階到達の報酬についてはアチーブメントと、あまり強さに関係のない報酬を用意してあります。

──50階までの報酬は光輝く武器とのことですが、そこから先の報酬はどうなりますか?

吉田 100階と200階にはそれぞれ到達用の報酬ですね。

──輝く武器がもっと光るようなイメージですか?

吉田 武器とかではなく、どちらかといえば自慢要素に近いものです。

──性能でもないと。

吉田 性能ではありません。

──50階到達で得られる武器のアイテムレベルはどれくらいですか?

吉田 けっこう使えるのではないでしょうか。ディープダンジョン自体はかなりカジュアルなコンテンツなので、さほど難しくはないです。パッチ3.4でまたアイテムレベルの全体上昇があるので、パッチ3.35ではかなり強いほうの武器になると思います。

──とはいえ最強ではない?

吉田 最強ではないですね。最強は機工城アレキサンダー零式:律動編(以下、零式:律動編)4層突破の武器にしてあるので、そこまでにはなりません。ですが、アニマウェポンストーリーもやらないし、伝承武器をメインジョブに投入してしまったという人には、サブとしてかなり使えるのではないかと思います。

──特徴としては、光っていることが一番ですか?

吉田 それが一番です。特殊なプロパティなども、とくに付いてないです。

──光る武器の正式名称は何と言うのですか?

吉田 “魔器装備”が正式名称です。エーテルをまとっており、それを強化して死者の宮殿の中で強さを発揮していくという設定です。

──コンテンツの報酬は基本的に武器だけでしょうか?

吉田 そうです。

──ダンジョン内ではキャラクターのレベルが1からスタートするそうですが、何層くらいでレベル60に到達できますか?

吉田 40階に到達するくらいでレベル60になっているはずです。逆にそこまでにレベル60になっていないのであれば、途中の敵を無視しすぎているような気がします。フロアに潜む敵をある程度倒せばゲートがアクティブになるので、その時点でそこに4人で乗ってしまえばつぎのフロアへ行けます。とは言っても、フロア全体の敵を全滅させ、しらみつぶしにしなければいけないわけではないです。序盤はあまり経験値を意識しなくてもよい程度にはしてあります。

──ダンジョン内で獲得した経験値は、実際には加算されないのですか?

吉田 外へ出たときに、ダンジョン内で稼いだ経験値は割り戻されます。ですので経験値も報酬かもしれないですね。ディープダンジョンにはフリートライアル中でも入れるので、レベリング向けコンテンツとしても使ってもらえると思います。

──ディープダンジョン内で、攻略した階層の状況をセーブしたまま抜けることはできるのですか?

吉田 10フロアごとにセーブして外へ脱出可能です。

──ディープダンジョンは、今後50階ごとのアップデートが3回に分けて行われるのですか?

吉田 つぎのアップデートで200階まで一気に実装されます。

──50階のつぎが200階ですか?

吉田 はい。

──それはどうしてですか?

吉田 やりこみ要素ですので、とくに分ける必要がないからです。

──50階のつぎは100階で、そのつぎは150階から200階かなと思っていました(笑)。

吉田 やり込み要素ですから、フロアは深いほうが面白いと思います。

──つまり2回の実装で終了するわけですね。

吉田 はい。ただディープダンジョンというコンテンツのシリーズは続けるつもりなので、拡張パッケージ側にも同名の新しいカテゴリーの遊びを入れていく予定です。

──そこでたとえば300階が追加される?

吉田 いいえ、ディープダンジョンという遊びの別シリーズが始まるというイメージです。これまで8人向けレイドダンジョンとして零式:律動編とそのノーマルがあって、それとは別に24人参加型のタイプも存在します。そこにディープダンジョンという新たなバトルコンテンツのタイプがひとつ増えると思っていただければと。

──50階に到達するまでに、どれくらいの時間を要しますか?

吉田 地下1階から50階まで通しプレイして2時間半くらいではないかなと思います。ひとつのセーブポイントまでのあいだを、インスタンスダンジョンをひとつ攻略するくらい(の所要時間)にしてあります。10階まで到達したらセーブして一度外に出て、ほかのコンテンツを遊びながら(後日)また続きをプレイしよう……そういうふうに楽しんでもらってもかまいません。また、退出することにペナルティは設けていません。

──強化を終えた武器を持って、また中に入れるのですか?

吉田 強化の状態も10階ごとにセーブされますので、どんどん強くなっていきます。“魔器装備”を強化して特定以上まで鍛えたものをダンジョンの外にいるNPCに渡すと、“現実化”して戻してくれるという流れなので、それを行ってしまうとまた鍛え直しになります。

──手に入れた武器を誰かに渡して、みたいな感じなのですね。

吉田 コンテンツ内で武器をある程度以上まで強化したうえで、ダンジョンの外にいる幻術士にそれを“現実化”してもらう儀式が必要になります。その際はクリア時のジョブに関係なく、好きなジョブのウェポンに変えてもらえます。

──途中でセーブできるのであれば、たとえばパーティで10階まで行って、つぎはひとりで11階以降の攻略に挑むことも可能なのですか?

吉田 たとえば4人で挑んだ場合、セーブデータに記録されているのはその4人での冒険なので、続きをやりたい場合はそのメンバーで行ってください。ただしセーブスロットはふたつあるので、片方をソロ……。ソロというよりもソロマッチングでプレイしたい場合は、そちら向けのセーブデータとして使ってもらえればと。双方のセーブスロットで共通なのは、武器と防具の強化値だけです。進行度だけが保存されているスロットがふたつあるという考えかたです。

──ディープダンジョンは構造がランダムで生成されるのがポイントですが、これはどういう仕組みなのでしょう? たとえば内部的に構造が100パターンくらい用意されているのですか?

吉田 そういうのではありません。当初『不思議のダンジョン』と同じアルゴリズムを採用しようと思ったのですが、『FFXIV』は出入り口の判定がサーバークライアント側で行われるため、繋ぎの部分においてそれが難しいことがわかりました。そこで、そこからヒントを得てオリジナルのアルゴリズムを制作。繋ぎのパターンがデータベースに存在しているので、それを使ってランダムに作っていった感じです。

──今回のデモ映像では部屋が4~5つでしたが、フロアを進んでいくにつれてこれがどれくらいまで増えていくのですか?

吉田 たとえば40~50階の段階では、最大で8部屋くらいです。1~10階まではお試しのような感じになっているので、だいたい4部屋くらいで構成されています。

──部屋1ブロックの広さはどれくらいですか?

吉田 10メートル×10メートルくらい……20メートルの部屋もあります。

──インスタンスダンジョンのボス部屋くらいの広さですか?

吉田 あれよりも少し狭いです。『FFXIV』のボスエリアの広さは40メートル×40メートルをレギュレーションとしているので、それよりは狭いです。

──ガンガン進めていけそうです。

吉田 はい。バトル中でなければTPも自然回復するので、スプリントもどんどん使っていけます。その部分も、いままでのコンテンツと遊びかたが違います。TPを節約していると展開が間延びするので、トラップに気をつけつつスプリントしてください。

──スプリント使用禁止のフロアもあるようですが、それ以外の制約にはどのようなものが?

吉田 アイテムが使えないなど、複数ありますね。

──武器が使えないとかもありますか?

吉田 それはさすがにないです(笑)。そうした制約もランダムで発生するので、必ずこのフロアではこれが出現、というわけではありません。

──全部で何パターンくらいあるのですか?

吉田 フロアトラップは結構ありますよ。マイナスだけでなく、プラスの要素もありますのでハプニングとしてお楽しみください。

──たとえばそのフロア内の戦いが劇的に変わるようなアイテムなどはありますか?

吉田 やはりモンスター変身ですかね。マンティコアに変身すると、すべての敵が一撃で倒せるようになります。ただ、ワンパンチで殴りながら前に出すぎると、大型地雷の罠を踏んでHPが激減したところに……というパターンもあったりします(笑)。

──手に入るアイテムの種類も完全に運ですか?

吉田 はい。運です。

●新規とベテランが交流できるシンプルな遊びの導入が狙い

──このタイミングで『不思議のダンジョン』的なコンテンツをリリースしようと思ったきっかけは何ですか?

吉田 コンセプトがふたつあります。ひとつは、新規で始めた人とベテランプレイヤーがいっしょに遊べるコンテンツを作るということ。もうひとつは、ギミックが中心でない、とにかく奥へ奥へ進んでいくだけのシンプルな遊びをバトルコンテンツとして用意したい……このふたつを僕がリクエストして、企画会議を重ねて作っていったのがディープダンジョンです。担当してくれたスタッフが、バトル計算式に精通していたのと、システム構築に秀でていたのでとても助かりました。「新規とベテランがいっしょに遊んでもらうために、ダンジョンに入ったら全員レベル1からのスタートにしよう」というのがまずすんなり決まりました。しかし当初は、いっさいセーブができず、一度外に出てしまったら毎回レベル1からやり直しというルールにしようか悩んでいて。まさに『不思議のダンジョン』そのものだったのですが、さすがにその作りではMMORPG的にキツイのではないかと議論をして、その結果、10階ごとにセーブできる方向へ進みました。

──100階以降はチャレンジ要素とのことですが、具体的にどのような展開になるのですか? 100階から200階まで突き抜けて進むことになるのでしょうか?

吉田 そうです。

──想定時間はどれくらいですか?

吉田 セーブできないと、コンテンツに束縛される時間が長くなりすぎるので、データを保存可能にしないとダメかなという話はしています。ただ、たとえば特定のフロアを何周もして武器を強くしてから一発勝負できる、いわゆるリセットマラソン(リセマラ)みたいな展開を防ぐべく、ランキングに登録できる冒険の回数は制限しようという話もしています。ひとつのセーブデータ当たり、スコアを書き込める回数は工夫しようかと話し合っています。

──プレイヤーの多くは社会人なので、2時間以上必要と聞くとビクッとしてしまいます。逆に30分で何階まで行けるかを競うようにはならないのですか?

吉田 セーブが10階おきなので、それを集中してプレイしていただければいいと思います。

──100階以降はそうもいかなくなるのですよね。

吉田 いま悩んでいるところです。僕たちとしてもサーバーのコンテンツ時間をホールドされ続けることと、サーバーダウンの発生がどうしても怖いので、何らかのかたちでセーブできるようにしないとダメかもと話をしています。

──『FFXI』にナイズルやアサルトというコンテンツがありますが、あれも当初はプレイ時間が長いために入室できない事態が生じていました。

吉田 『FFXI』の場合は、サーバー構造的にインスタンスコンテンツ処理というものが苦手だったので発生したのだと思います。ディープダンジョンのリリース時には、後ろに控えているコンテンツサーバーを相当数割り当てておく予定ですので、詰まりはほとんど発生しないと思います。インスタンス数をほかのコンテンツぶん削って割り当てます。

──同時に何セッションくらい処理できるものなのですか?

吉田 それは割り振りかたしだいです。

──何百とか……?

吉田 そうですね。僕たちがQIB(クエストインスタンスバトル)と呼んでいるソロで突入するバトルですが、パッチ3.0開幕当時はワールドごとにそれぞれ500くらいずつ割り当てていました。『新生FFXIV』リリース当時は40ずつくらいしか割り振れなかったため行列になってしまいましたが、パッチ3.0ではほとんど詰まりは起きなかったはずです。

──大人気すぎて遊べないことは起きない?

吉田 それは大丈夫だと思います。

──パーティが全滅しそうになったときに、逃げることはできるのですか?

吉田 いいえ、モンスターはどこまでも敵視の乗った相手を追いかけてきます。ですが、むやみに走り回ってほかのモンスターをひっかけてしまうより、確実にその敵を倒して落ち着けばよいだけです。ダンジョン内部にモンスターがギッチリと詰め込まれていないので、そこまで警戒しなくても大丈夫なのかなと思います。

──危なくなりそうだと思ったら引けばいいわけですね。

吉田 そうですね。

──戦闘中でもアンクで味方を蘇生できるのですか?

吉田 非戦闘時でなければダメです。

──倒せそうもないときも逃げたほうがよさそうです。

吉田 基本的にソロで殴り合って倒せない敵はいません。戦闘不能になるときは、たいてい罠を踏んだ直後にモンスターに囲まれていて……みたいなパターンです。

──ギミック的には新規プレイヤーでも突破できる程度の難度ですか?

吉田 レイドのようなギミックは存在しません。モンスターの範囲技を避けるくらいです。レベル17から挑戦できるようにしたのも、(メインクエストを通じて)序盤の3つのダンジョンで基本要素を学んだ後からです。これらがクリアできていれば、まったく問題ありません。


●シナリオに黒衣森のゲルモラ遺跡が関係!
──ディープダンジョンのストーリーはどのようなものですか?

吉田 もともと黒衣森に古くから存在するゲルモラという遺跡があります。そこに妖異たちがあふれ返る事件が発生したため、その調査を頼まれるのが大筋です。果たして何によって妖異はそうなったのかというところと、(ゲルモラ遺跡の)先に何が待っているのかといったところは、ぜひ確かめていただきたいです。ただストーリー的には、今回の50階では完結していません。50階でとある出来事が起きますが、それがなぜそうなったのかという部分は、つぎのアップデートの100階まででわかる感じです。それ以降、100階から200階までは完全にチャレンジ要素ですので、(難度面でも)100階まではちゃんと到達できるように作ります。

──肩まで映されている女性がいましたが、その正体に関する巷の噂は正解ですか?

吉田 これ以上言うのは野暮かと思います(笑)。

──逆に顔を見せていないところが意味深です。

吉田 BGMもそうですが……ギリギリのところで(映像を)止めてもらえればわかると思います。

──つぎのアップデートで、物語の続きが楽しめるのですか?

吉田 その後どんなことがあったのかは、なんとなくわかると思います。最終的には100階までプレイしてほしいなとは思っています。

──ストーリーとしては100階がひとつの区切りになるのですか?

吉田 100階で完結です。

──200階まではどういうストーリーですか?

吉田 100~200階は完全にチャレンジです。

──ストーリーそのものがないのですか?

吉田 はい。“死者の宮殿”と名付けられた意味も、そこでわかると思います。

──専用のUIについて、配置の変更は可能ですか?

吉田 できます。

──コンテンツ中で獲得したアイテムが専用UIに格納されるということは、所持品が満杯の状態で参加しても問題ないのでしょうか?

吉田 大丈夫です。専用スロットには、攻略のために必要なアイテムが入っていきます。ディープダンジョン内から現実世界に持ち出せるアイテムは基本的に何もありません。ただ、フェニックスの尾など、ダンジョン内で役立つアイテムも手に入りますので、少しは空けて行ってくださいね。

──ポーションをたくさん持っていけそうです。

吉田 ポーションはぜひ持っていったほうがいいと思います。トラップを踏んだ直後にポーションを飲めるかどうかで展開が結構変わりますので。

──ディープダンジョンはロールフリーとのことですが、100階以降、DPS4人で突っ込んで攻略できるものですか?

吉田 100階以降は現時点では何も保証しません。ひとまず100階までは保証するつもりです。

──DPSで突入して“意外ときついね”ということになるのですか?

吉田 地下1階から50階までは、とくに感じないと思います。実際、僕らはDPS4人でチェックしてきましたので大丈夫だと思います。

──ということは、100階以降の攻略を目指す際は、適切なロール構成に整えるべくセーブデータを一度崩したほうがいいのですか?

吉田 武器と防具の強化値はそのまま保存されているので、強さ自体は変わりません。進行度のみほかのメンバーでやり直すなり、ガチの固定パーティで100階から先に挑戦してみようか……というふうに遊んでもらいたいです。

──報酬の武器は、複数持てるのですか?

吉田 同じものを2本持つことはできません。別ジョブの武器であれば、複数所持できます。たとえば黒魔道士の杖をふたつ持っていても、たぶんどうしようもないですよね。

──全部で何種類くらいのモンスターに変身できるのでしょうか?

吉田 今回はサキュバスとマンティコアの2種類です。今後どこまで増やしていくのかは、まだわからないです。変身するからには極端に強いほうがいいのですが、じつは『FFXIV』のジョブはひとりでかなり多くのことができます。アディショナルをつければ黒魔道士でもフィジクが使えるうえに、単体/範囲攻撃もできるので、弱いモンスターだと変身できるメリットがさほどありません。そう考えると、よほど効果的なモンスターに変身できなければ面白味が出せないのです。ですので、マンティコアは殴りさえすれば一撃で倒せるという極端な味付けになっています。

──今後変身できるモンスターが追加されたとしても、そういう方向性になると。

吉田 とがったものでないと意味がないかなと思います。

──レベル60までカンストして以降は、強化値頼みになるのですか?

吉田 そうです。くり返しになりますが、パッチ3.35の時点では50階までなので、そのつもりでお願いします(笑)。

──今回は死者の宮殿ですが、つぎのストーリーも決まっているのですか?

吉田 死者の宮殿というタイトルは同じです。50階までしか発見できていなかったのですが、パッチが進んだことで、そこからさらに奥へ進むドアが見つかったというふうに考えていただければと。

──次回アップデートはパッチ3.4ですか?

吉田 たぶんパッチ3.45かパッチ3.5のどちらかになるとは思います。

──3.Xシリーズでひととおりの更新は終わると。

吉田 死者の宮殿は、それで終わりになります。

──ダンジョンに突入する際、コンテンツファインダーを介さないようにした意図は何でしょうか?

吉田 フリーロールや進行度など、複雑なマッチングを行っているからです。あれをコンテンツファインダーに積み込もうとすると、システムそのもののデバッグをすべてやり直すことになってしまいます。これを避けるために、NPCからマッチングする形にしました。ですが、裏で動いているのはコンテンツファインダーそのものです。雲海探索 ディアデム諸島も同様に、飛空艇からアクセスするのか、あるいはイシュガルド上層のランディングにいるNCPを通じてマッチングするのかというのがありますが、あれと同じ仕組みになっています。

──踏破した回数はゲーム内で確認できますか?

吉田 10階層ごとにアチーブメントがあるので、到達フロアは記録していますが、到達回数はないです。

──新しいディープダンジョンが追加された際には、これまで強化してきた武器は引き継げないのでしょうか?

吉田 引き継がれません。遊びとして同じジャンルであるだけで、コンテンツとしては別物です。そのころにはアイテムレベルも大きく変わっているでしょうし。

──ジョブのアイコンをオリジナルなものにした理由は何ですか?

吉田 システム的にはとくに作る必要のないものですが、もとの『ディープダンジョン』はスクウェアが大昔に発売したゲームと同名です。ノスタルジックなものにしようという意図が大きいです。何より、セーブスロットという概念をわかりやすくするためには、あのUIがいちばん理しやすいと思ったのです。

──『FF』の昔のナンバリングのセーブデータに近いイメージです。

吉田 そうです。皆川(裕史氏・リードUIアーティスト)による指揮のもと、UIチームのドット職人が作りました。

──新たに書き下ろしたのですか?

吉田 全ジョブぶん新規書き起こしです。

──今後追加されるディープダンジョンも、すべてレベル17からプレイ可能になるのですか?

吉田 まだ開発に着手しているわけではないので、わかりません(笑)。

──コンセプトとして、初心者でも遊べる点は変わらない?

吉田 ダンジョン内ではレベル1から、というのはたぶん変えないと思います。


●レイドファインダーの稼働状況は“使ってもらえている”
──パッチ3.3で実装されたレイドファインダーの稼働状況はいかがでしょうか? タンクの参加を待つことが多いと言われているようですが。

吉田 ふつうのダンジョンと同じで、タンク待ちになっているのではという気はします。パッチ3.3はコンテンツの量が多く、やることがたくさんあるので、パッチ公開直後はマッチングしづらいかもな、と。とはいえ、データを見ているとかなり使っていただいていると思います。零式1~2層のクリア率はかなり高いですね。むしろ複数のワールドローカルルールが衝突して、“どっちの戦法でやるんだ”という話が出ているのを見ると、コンテンツファインダーぽいなぁと思ったりします(笑)。

──プロデューサーレターLIVEで土地の転売はNGと発言されましたが、ワールドの移動など、やむを得ない理由で知人に土地を売ることもダメなのでしょうか?

吉田 最初から転売目的で土地を購入し、実際に転売をしている人たちはNGですと先日お伝えしました。他者のプレイを阻害する行為に当たります。ワールドを移転するので誰かに土地をあげるとか譲るとかは、転売ではなく譲渡ですので問題ありません。



──そこにギルが絡んできても問題ない?

吉田 そもそも、土地の購入目的が転売ではなかったのなら、それはトレードの範囲内です。この線引きはログ調査などからきっちり行いますので、普通にプレイされていた方は、あまり心配されなくても大丈夫です。

──(転売目的のプレイヤーから引き渡された)土地が還元された場合、その価格は100%の状態に戻るのですか?

吉田 もとに戻ります。

──パッチが公開されるたびに土地が売り切れますが、吉田さんの中でのハウジングの理想形とはどのようなものですか?

吉田 うーん、理想と言われると難しいですね。土地の8割くらいが売れており、残り2割は新規の方が目標にしていく。引退される方の土地が空き、常に1割~2割空いている、というのが理想だと思います。現状、完売が発生しているのは超過密の数ワールドだけで、ふつうに買えるワールドのほうが圧倒的に多い状況です。いくつかの超過密ワールドだけが、瞬間的に売り切れてしまったのです。特定の数ワールドにだけ土地を追加するのも、管理上は望ましくないですし、さらに人が過密になる要因ともなります。

──即完売を生む原因となる転売は、なぜ起こるのでしょう。

吉田 過密ワールドでは需要が増える、需要があるならそれにギルを払う人もいる、大きく儲けられる……それで儲けたい人もいるということですよね……難しいです。現実の地価問題と同じです。パッチ3.4で実装されるアパートメントで、個人需要を満たすだけの量を追加するので、個人の方はまずそこで持ち家を確保してもらいます。それができたあとで、土地はフリーカンパニー側の需要をカバーするために、フリーカンパニー優先購入を考えてもいいのかなとも思いますが、これも悩ましいのです。個人/フリーカンパニーで土地を持ちたいというのはプレイスタイルが違うだけなので、購入したいというモチベーションの位置付けとしては同格だと考えています。

──一部ワールド以外は、需要と供給のバランスは取れているのですね。

吉田 そうです。ほかのワールドの販売率は8割くらいなので、いま始めた方たちのレベルが上がり、それにつれてギルが貯まるころに土地の価格が下がってくるので、それを購入できる流れになっています。

──何らかのシステムを使って転売を抑止することはできないのですか?

吉田 土地を手放すことができる以上、悪意を持ってそれを行うのを防止することは困難です。トレードの仕組みもあるので、僕らの側では判断がつきません。システムで制限するとすれば、一度購入した土地は自分では破棄できない、とする必要があります。そうなると、たとえば「一度お休みするから土地を譲ってあげるよ。帰ってきたら返して/共同で住まわせてよ」というロールプレイ的行為ができなくなってしまいます。

アカウントひとつにつき家は1軒までというルールにしてほしいという声もありますが、1アカウントで複数のキャラクターを育てている人が、それぞれ違うキャラクターでロールプレイをしているのだから、家を持ちたいという思いはキャラクターごとにあるべきかなと。また、レベル50まで育てないと土地は購入できないですし、ギルも貯める必要があるので、ハードルとしてはかなり高めです。しかも、仮に1アカウント1土地対応をしたとしても、転売を目的にする人はアカウントを別に用意すればいいだけで、結局抜け道はできてしまいます。これらを総括して考えた場合、システムにガチガチの制約を入れ、窮屈なハウジングシステムになってしまうよりは、モラルに訴えかけたほうが、最終的に楽しく遊べる人の数は多いだろう、と思っているのです。『FFXIV』のプレイヤーのみなさんは、キチンとお伝えすれば「ダメだと言われたのでやめる」となってくださる方が多いです。それでも転売を強行する方がいるのであれば、徹底的に対処していこうかなというのが今回のお話だと思っていただければ助かります。

●ニーズヘッグとエスティニアンは“対の存在”
──パッチ3.3以降、宝物庫アクアポリスの追加や攻略手帳の調整により、ギルが稼ぎやすくなりました。現在の経済状態について吉田さんはどうお考えですか?

吉田 そもそもパッチ3.3公開前までが、持つ人と持たざる人のギルの格差が大きくなりすぎたと判断しました。みなさん現実の生活が本当に忙しいので、バトルコンテンツ一辺倒という方もすごく多いのです。そればかりをプレイした場合のギルの貯蓄量が非常に悪かった。パッチ3.2以降のほとんどの装備にマテリアの穴が開いていることもあり、マテリア装着代が消費ギルに加わり、修理代さえ厳しくなってきたという方もいます。レイドダンジョンに挑戦する場合には、食事や薬品も必要になります。毎日それなりの時間をかけてゲームをプレイしているのに、それ以外にも金策をしないと生活がツラいというのは、プレイの離脱につながりかねません。マーケットがそれに引きずられてインフレ気味になることも、事前シミュレーションしてあり、想定の範囲内に収まっています。インフレーションよりも、システム側に支払うギルさえ厳しいことのほうが問題なので、それを余裕をもって行えるよう、今回はかなりギルを出しています。システムから払い出されるギルの量を毎日見ていますが、こちらもいまのところ範囲内に収まっています。ゲーム内経済に関わっていない開発スタッフからも「こんなにギルを出して大丈夫なの?」と聞かれるほどです(笑)。稼ぎやすくなっているので、ぜひそれを楽しんでください。バトルコンテンツを楽しんでおられる方たちに、ぜひ宝物庫アクアポリスに参加していただきたいです。

──デイリークエストで用いる品をイベントアイテムの側に移したり、スタックできない所持品をスタック可能にするなどして、所持品に余裕を作るといった調整は不可能なのでしょうか?

吉田 通貨アイテムは今後も増えていきますし、旬が過ぎる通貨も出てきます。蛮族通貨もいま主流のものは、3.Xシリーズを超えるとおそらくさほど重要ではなくなります。どうしても過去の通貨を取っておく習慣をお持ちの方も多いので……荷物が多い、と思いがちなのですが。北米のみなさんは、わりと捨ててくれるんですよね(笑)。日本の方は“いずれ何かに使うかもしれない”という感じで几帳面に持ち続けておられます。この通貨をすべてデータ化することも可能ですが、それも実はセーブデータになります。みなさんからすると、インベントリに入っているのか、あるいはウィジェットになっているのかの違いだけで、これをやると所持品枠が追加されているのと変わりません。むしろ、所持品枠が増えたのに、特定の通貨にしか使えない枠が増えただけで、実はデータ的に損をすることになります。これをやれるのなら、素直に所持品枠を増やす方向へいくつもりです。

──パッチ3.3で竜詩戦争のストーリーがひとつの節目を迎えたわけですが、イシュガルドの世界を舞台とした物語は今後も続くのですか?

吉田 4都市目のエオルゼア都市軍事同盟に復帰したので、イシュガルドがまったく絡まないということはないです。どちらかといえば、竜詩戦争を終わらせてくれた光の戦士や暁の血盟に対して、さらに協力していくよという態勢で関わってくるイメージのほうが強いと思います。

──パッチ3.4や3.5で、イシュガルドでメインシナリオをこなすことはありえますか?

吉田 つぎのストーリーの幕開けにもなるので、イシュガルドに限ったことではなくなります。またガラリと変わっていくと思います。

──それはパッチ3.4からですか?

吉田 前回も転換期としてはパッチ2.5と2.55だったので、今回も大きいのはパッチ3.5かなとは思います。

──パッチ3.5までリリースすると、いま明言されましたね。

吉田 はい。パッチ3.5があるのは、以前お話ししましたよ(笑)。

──3.Xシリーズはいくつまで続くのですか?

吉田 少なくとも3.5は確定でいいと思います。

──ストーリーはもうちょっと続くと。

吉田 そうですね。

──イシュガルド編で、吉田さんがいちばん好きなキャラクターは何ですか?

吉田 3.0シリーズに関わらず、僕は一貫してアルフィノです。アルフィノとアリゼーは、『旧FFXIV』と『新生FFXIV』を繋ぐキャラクターとして作られました。なかでもアルフィノは、実はいちばん人間臭いといいますか……家柄がよく、頭もいい。でもその頭のよさは机上においてのよさ。彼は本当にまだ子どもなんです。情熱と野心もあるのですが、根本的に自分の手で何かを成し遂げたことがない。ですので、理想と机上の空論だけで突っ走った結果、普通の人なら心が折れてしまいかねない、大きな挫折と敗北を心の底から味わうことになりました。アルフィノはそこからまたひとつずつ、今度は仲間といっしょに、自分の手足も使って、経験を積み上げて、さらに進んでいく。アルフィノのセリフは、僕も直接手を入れる機会の多いキャラクターなので、今後も彼の成長というところはこだわっていきたいと思っています。もう一人はエスティニアンでしょうか……。彼は1.0(『旧FFXIV』)時代の竜騎士のジョブクエストから登場しているキャラクターです。じつは彼は、「いずれ拡張パッケージを発売する際の舞台は絶対にイシュガルドになるはずだから、そのときのキーパーソンになる」と決めて登場させたキャラクターです。人間の裏切りによって妹であるラタトスクを殺され、すべての人類を憎むニーズヘッグに対して、エスティニアンはニーズヘッグに弟と両親を目の前で殺されて、竜を憎むようになります。双方は対となるキャラクターですが、ニーズヘッグは最後まで孤独でした。ある意味、ニーズヘッグの孤独や憎しみを理解できるのは、実はエスティニアンです。一方でエスティニアンもニーズヘッグと同様、ずっと孤独と戦ってきたのですが、3.0シリーズで経験した旅を通じて、光の戦士、イゼル、アルフィノといった仲間ができました。両者の差は実はそれだけ。ですが、それによってエスティニアンは、踏みとどまれた。この辺りを描き切れたと思っていますので、そこは気に入っています。

──では好きなシーンは何でしょう?

吉田 強硬突入 イシュガルド教皇庁をクリアした後に、一連の出来事があり、光の戦士がオルシュファンの手を取るシーンです。ここは、蒼天編でもかなり大きなポイントなので、ものすごい回数のリテイクを出しました。あの場面は手直しされたものが上がってくるたびに、毎回泣きながらチェックしていて……年を取ったせいか、最近涙腺が弱いんです(苦笑)。あとは今回のメインクエストで登場した、竜の眼をなんとかしようとするシーンにもかなりこだわりました。

──禁忌都市マハの難度について、プレイヤーから多数意見が出ているようです。開発側の想定としてはいかがでしょうか?

吉田 昨日の放送でもお話したのですが、禁忌都市マハは、クリスタルタワーシリーズのもともとの難度から変えてないつもりです。ただ、魔航船ヴォイドアークがあまりにも簡単すぎたのが本当にマズかったと思っていまして……。クリスタルタワーシリーズは毎回リリースされるたびに、最初の2~3日はカオスと呼ばれたくらい全滅と攻略失敗がくり返されました。チャットでいろいろなアイデアが飛び交った結果、1週間くらいすると攻略が安定。新規の方が参加した際にはパーティ内で教えてあげる文化が形成されました。ところが(シャドウ・オブ・マハのシリーズは)ヴォイドアークがあまりにも簡単すぎたために、ギミックがわからなくても戦闘不能にならないのでチャットを行う必要がないうえ、仮に倒されたとして容易に立て直せる……この状態が、半年続いてしまいました。公開初日に禁忌都市マハの攻略に失敗したアライアンスのチャットログを確認したところ、まったく会話が交わされておらず、これはまずかったと改めて思いました。ワイプ(全滅)した後も無言のまま突撃してまたワイプの状態がくり返されており、その環境をヴォイドアークによって作り出してしまったことを反省しています。

──作業感を与えてしまったと。

吉田 そうです。あのままの難度で今後も24人参加型のレイドダンジョンを作り続けていたら、もはやゲームではなくなってしまう気がします。現在のマハも、みなさんの攻略が安定しつつあり、また無言の時間が増えてきていますが、クリスタルタワーの当時もそうだったので、それはそれでいいと思っています。今回、難度の段差を昔に戻したことでインパクトを感じた方もおられるかもしれませんが、今後は自然と周回に入ると思います。一方でオズマのデブリバーストですが、リリース前にも難易度を悩んで、ダメージを下げてリリースしたのですが、それでも1段階難しいギミックかもしれません。マーカーを設置するなど、攻略方法が安定してきたので、いまは何か手を入れるつもりはありません。またボスが硬いと言われる方もおられますが、僕たちはアイテムレベル215、かつマテリア未装着でバランスを取っており、また、ヴォイドアークとの難易度差を考慮して、開発の最終段階でボスのHPを10%ずつ削りました。いまは戦闘不能に陥る人が多いため、それが原因でボスが硬いと感じるのだと思います。さらに安定し、戦闘不能が減り、ギミック理解が進めばDPSが向上して楽になるはずなので、あと1~2週間ほどで慣れてくださると思います。

──メインクエストに関連して登場する、ニーズヘッグ征竜戦の難度についてはいかがですか?

吉田 インスタンスダンジョンのボスとして登場した当時はともかく、今回は竜詩戦争のラスボスという位置づけなので、ちょっとだけ被ダメージは高めかもしれません。1~2人倒されても立て直せるくらいのバランスにはしてあるので、ぜひ突破していただければと。報酬の獲得を目指すコンテンツとは違い、シナリオボスは1回クリアすればそこで終わりなので、竜詩戦争に決着をつけるべく、挑んでいただけると嬉しいです。しかし、難易度設定は難しい……。


●パッチ3.Xシリーズの今後の構想を聞いた

──奇数/偶数パッチごとにコンセプトを交互にくり返していく流れは、今後も続くのですか?

吉田 そうですね。アイテムレベルの更新が2回に一度入るので、それに合わせて高難度レイドダンジョンを公開しないと“挑戦”にならなくなってしまいます。高難度レイドダンジョン攻略を目指す人たち向けの強力なクラフターアイテムも同時に入ってくるとなると、偶数パッチではカジュアル系コンテンツのアイテムバランスの軸を据えるのがすごく難しくなってきます。みなさんが2~3ヵ月かけてアイテムレベル上昇を目指すときに、カジュアル系コンテンツを偶数パッチで入れると、ひとつ前のアイテムレベルの状態でクリアできるようにする必要が出てきます。そうすると、リリースから3ヵ月後にはものすごく簡単なコンテンツになってしまうため、今度は報酬の払い出しが難しくなってきてしまうのです。ですので波としては、ハード系とカジュアル系のコンテンツが交互にリリースされる点は基本的に変わりません。ですがコアコンテンツとカジュアルコンテンツは、いずれのパッチでもできるだけ双方にあったほうがいいので、まだ詳しくはお話できませんが、パッチ3.4で新しい遊びが入ってきたりします。このあたりは、今後のプロデューサーレターLIVEなどで、またお伝えしていきたいと思います。

──プロデューサーレターLIVEでアメリカのファンフェスティバルのチケット予約受付の開始が発表されたことで、いよいよ4.Xに向けてのアクセルが踏み込まれた印象を受けました。それを踏まえたうえでの、3.Xシリーズの今後の構想についてお聞かせください。

吉田 ネタバレが過ぎるので、コンテンツはお話できたとしても物語に関しては何もお伝えできません。とにかくパッチ3.4のメインクエストをプレイすると……うーん、難しいです(笑)。ファンフェスティバルで予定している発表も、ある意味メインストーリーの一部的に絡めてあります。アメリカでファンフェスティバルが開催されるあたりでパッチ3.4が入り、日本のファンフェスティバル開催があって、パッチ3.5がリリースされて……みたいな感じで、発表の内容とパッチが連動しているといいますか、そういう流れを考えています。

──詳細はその発表をお待ちくださいというわけですか。

吉田 そうですね。これだけ世界中の方々に応援してもらっているゲームなので、いちばんのビッグニュースはプレイヤーのみなさんといっしょに共有したいので、ぜひファンフェスティバルのタイミングをお待ちくださいという感じです。

──9月に開催される東京ゲームショウ 2016のタイミングでは、パッチ3.4の詳細はまだ明かされませんか?

吉田 お話できないのはメインストーリーに関してだけで、コンテンツに関する情報はお出しできるはずです。

──そこまで秘密にされるということは、新展開があるのですか?

吉田 そうですね。

──“こう来るか”みたいな感じで驚きますか?

吉田 どうなんでしょう。最初の展開では、そこまでじゃないと思います……。

──スーッとイシュガルド編から続いていく感じですか?

吉田 うーん、難しいですね。僕はミステリーものが好きなので、伏線を張っておいてひっくり返すのも好きですし、逆に「そうそう、やっぱり思った通りだ!」という展開もアリだと思っています。『FFXIV』はゲームの中でも、イベントなどのゲーム外でも楽しんでもらいたいので、リアル世界の情報発信もコンテンツのひとつとしてご注目いただければと思っています。

──パッチ3.4の具体的なリリース日はいつごろになりそうですか?

吉田 まだ内緒です。ただ、パッチ3.0からパッチ3.1までは、諸々の調整などもあってお待たせしましたが、以降はまた通常のサイクルに戻っていますので、みなさんだいたい予想がついてるのかなと。……火曜日にリリースされるのも絶対でしょうし(笑)。たぶんどのメディアさんも、1~2週ほどの誤差でパッチ公開日を的中させてくると思います。

──パッチ3.35のリリースは来月中旬とのことですが、具体的な日付はまだわかりませんか?

吉田 僕がいまこちらにいるあいだに日本の開発現場で何か大問題が起きてないとも限らないので、日付までは発表しませんでした。いまのところ大丈夫そうです。

──ファンフェスティバルの来場/視聴特典も発表されましたが、これらが将来的に売り出される可能性はありますか?

吉田 参加した人限定のアイテムに関しては、後で一般販売を開始すると“それなら後でもいいや”になってしまうのと、その特典を楽しみに買ってくれた方に対して失礼に当たる気がします。オリジナルサウンドトラックに付属しているミニオンの再販を行わないのも、初回限定版とアナウンスしているからです。ですので、大きな声をいただくようであれば検討しますが、いまのところ予定はありません。

──『FF』のナンバリングで人気を集めた、主人公以外のキャラクターがミニオンになったりしますか?

吉田 ないわけではありませんが、まだ何とも言えません。

──ケット・シーのぬいぐるみは日本でも買えるのですか?

吉田 はい。日本のe-STOREでも予約が開始されています。

──スリッパについてはいかがですか?

吉田 あれは試作中で安全検査前のものです。マーチャンダイジング部と提携工場でデザインして作ったものを、我々がいま確認しているところです。

──まだ形が変わる可能性があるのですね。

吉田 必ずしもこのままで行くとは限りません。とはいえ、スリッパは完成度が高いので、そのまま発売される可能性が高いです。

──E3 2016向けに大きいフィギュアを出すと以前のインタビューでお伺いしましたが、会場内で見かけませんでした。

吉田 もともとファンフェスティバル向けに出す予定のものです。インタビューのときは、「出すとしたらファンフェスティバルです」とお話させていただいたはずです。現在、絶賛作業中です。

──フィギュアについて何かお話いただけることはありますか?

吉田 けっこう値は張りますが、かなり出来はいいです(笑)。

──“とにかくでっかい”とだけ話をうかがっています(笑)。

吉田 『FF』らしく、かつ『FFXIV』らしくもある作りを目指しています。非常にかっこいいので、ぜひご期待ください。

──1体3万円くらいしますか?

吉田 そこまではしないかな(笑)。

──でぶチョコボが展示されていましたが、このキャラクターをチョイスした意図は何でしょう?

吉田 北米のマーケティングチームがぜひPRのためにということで。E3 2016に割り当てる北米のマーケティング予算で、彼らが提案してきてくれた施策です。開場のバナーを買い取って宣伝素材を貼ることも可能ですが、今回はその予算を制作物に回そうという提案でした。『FFXIV』は今年(2016年)拡張パッケージがないので、マーケティング予算はフリートライアル参加に繋ぐために使うのが本道です。今回はバナー買取をするくらいなら乗れるでぶチョコボを作ったほうがいいだろうと。写真を撮ったりツィートをしてもらったりすることで、『FFXIV』という名前を拡散し、そこから興味を持ってくれた方が……という流れを作ったほうが効果が高いだろうというのがアメリカ側の施策だったので、ゴーサインを出しました。


──でぶチョコボは北米でも人気があるのですか?

吉田 もともと人気は高いですね。でも、あんなに長い行列ができるとは僕自身思ってなかったです(笑)。


●E3 2016のプロモーションの手応えと『FFXIV』の近未来
──今回のE3 2016におけるプロモーションの手応えはいかがでしょう?

吉田 正直なところ、こういうイベントはMMORPGのPRとしては本当に難しいです。昔のMMORPGタイトルは、単純に試遊台を置いて自由にプレイしてくださいという感じだったのですが、それをやってもぜんぜん面白さが伝わりません。ほかのコンソールゲームが派手なボス戦たけをプレイしてくださいとやっている中で、キャラクターを走らせてザコ敵と戦っているだけでは、むしろネガティブPRになってしまうと思っています。そこで『新生FFXIV』のタイミングで、蛮神とだけ戦うバトルチャレンジを行ったおかげで、朝から行列が絶えない状況を作り出せるようになりました。E3 2016はその流れでセフィロトのバトルチャレンジを出展しおり、朝から長蛇の列が絶えないですね。今年は『FFXV』をはじめとする、北米地域に力を入れて売らなければならないものがあるので、会場のスペースはできるだけ他チームに譲って、今回は数を絞って合計8台を並べたのですが、やはりぜんぜん足りませんでした。あとはインタビューもたくさんお受けして、業界内のプレイヤーの方たちもたくさんいらっしゃるので、そうした人たちともたくさんお話をして、さらに『FFXIV』は盛り上がっていくよと、存在感をアピールできたのではないかと思います。

──中国版『FFXIV』の課金アイテムとしてチャイナ服が発売されましたが、こちらは追加される予定はありますか?

吉田 チャイナドレスは予定しています。日本側でデータ追加の準備を進めているので、もう少ししたら正式にお話できるのではないかなと。

──最近発表されるMMORPGでメガサーバーを運営するというのがありますが、『FFXIV』ではいかがですか?

吉田 たぶん無理です。データベースなどあらゆる構造が、最初からサーバー設計に依存したものなので、運営中にもがサーバー化するのは無理があります。あれをやるならば、たぶん新しいゲームを作ります(笑)。

──データセンター間のマッチングはどうでしょう?

吉田 いままでと同じように、データセンター内マッチングからです。データーセンター間のマッチングは、論理データーセンターと物理データーセンターの双方を超える必要があります。この部分の説明は少し難しくなるので割愛しますが、我々はトライし続けるものの、一朝一夕にできるものではありません。いま我々は、チャットまで可能なワールドを超えたパーティ募集機能の追加をパッチ3.5の公開を目指して全力で作業しています。これで同一データセンター内のプレイヤーは、ほぼ同じワールドにいるのと同じ状態になるので……それが達成されてからです。そのつぎに来る要望は、おそらく“データセンターを超えさせてほしい”だと思うので、同一リージョン内のデータセンターであれば……と、少しずつお客様の理想に近づけていく感じでしょうか。とはいえ、物理的に同じ場所にあっても、論理的に完全に分かれているので、かなり難しい作業になります。先ほどのお話に少し戻りますが、メガサーバーを設計すること自体の難度よりも、運用しているサービスを止めないまま、別のサービスへ移行するということ自体がとてつもなく難易度が高いです。普通は絶対にやりません。データを破棄すれば移行も可能ですが、それは別ゲームを作るに等しく、それでは意味がないですよね。ですが、チャレンジすることも『FFXIV』のコンセプトのひとつなので、少しずつ穴を開けていきたいなとは思います。

──PlayStation VRが発売されますが、『FFXIV』で何か動きはありますか?

吉田 ないです(笑)。昨年のゲームショウでの手応えは大変よかったのですが、毎秒120フレームを維持しないと人によっては酔ってしまうので……。また、PlayStation VR利用者とガチのプレイヤーがマッチングしたときに、やはりプレイ差が出てしまいます。かといってPlayStation VR専用コンテンツを公開した場合、今度はPC版プレイヤーはそれを遊べないわけです。ビジネスとして軌道に乗る、あるいはお客様が要求するものに対してそれが答えになるのかを考えたときに、やはり今すぐは難しいと判断しています。VR対応のゲームを最上級のコンテンツにしようと思ったら、専用のコストをかけて作るべき……そうすると、それは『FFXIV』でやるべきことなのかなと。PlayStation VRの魅力はすごい感じているので、もし僕がそれに対応したタイトルを作れと言われれば全力投球するつもりです。『FFXIV』でそれをやることなのかな、というのが現状です。

──MMORPGとして遊ぶのではなく、PlayStation VRを通して『FFXIV』の雰囲気を楽しむくらいのことならできるのでしょうか?

吉田 それならまだ可能性はあります。冗談で、イディルシャイアの特定の家はPlayStation VRユーザーのみアクセス可能で、そこに入るとミコッテのパラダイスが待っている……みたいな要素を別料金で、みたいな話は出ます(笑)。それくらいやらないと面白くならないと思っているところです。

──E3 2016の出展作品の中で、気になるタイトルはありましたか?

吉田 毎年のことですが、このインタビュールームからなかなか出られなくてですね……(苦笑)。『GOD OF WAR』と『Horizon Zero Dawn』の「高水準にHDゲームを完成させる経験値やノウハウ」は、日本のゲームはかなり差をつけられていると思います。悔しいですが、年々その感覚は強くなる一方です。カンファレンスで『Horizon』の映像が出たとき、僕は地面の草ばかり見ていて……。プレイヤーキャラクターの3~4メートル先に、“自動草”ともいうべき、マップに対してメッシュ構造の網を張り、パラメータを設定して草を生やす仕組みがあります。これは『FFXIV』でも使っていますが、単純に作ると荒が目立ちやすいのです。しかし、密度を濃くし過ぎるとパフォーマンスが犠牲になります。『Horizon』ではパフォーマンスを稼ぎつつ、画面クオリティーを上げるために、この自動草の段階を3つくらい用意している感じでした。もっとも密度が濃く、クオリティーの高い草はプレイヤーの3~4メートルで書き換えている。草だけを見ていると、走ってくるところで密度がバーッと変わるので、そこだけ見ていると気づけます。しかし、プレイヤーはモンスターなど、遠距離の対象物に注視点を置くので気づけない。でも、静止すると画面全体の密度が非常に濃く感じられ、とてもクオリティーが高く見えます。こうした細かい工夫がさらっと実装されているのです。あとLoDも滑らかなうえ、“割り切り”も程よく入れてあり、画面の説得力もありました。フレームレートも安定していましたし、そうした部分は完全に作り慣れです。あって当然の技術を、当たり前に洗練させているので、安定性がものすごく高いのですが、日本であのレベルのものを2~3年で完成まで持って行ける会社は、ほとんどないかもしれません。日本もチャレンジを続けるしかこの差は埋まらないので、会社全体で頑張っていきたいですね。

──4.0リリースに際して、PS3の扱いはどうなるのでしょうか。また4.0でも、長期のレベリングが必要になるのですか?

吉田 PS3に関しては、3.Xシリーズ中は絶対にサポートを続けるのでご安心ください。一方でレベリングに関してですが、仮にレベルキャップが開放されるとしたら、前回はダンジョンで獲得できる経験値を絞りすぎていたので、その点は少し考慮したいと思っています。もうひとつ悩んでいるのは、中国や韓国ですでに行っている“ジャンピングポーション”をグローバル版でも導入すべきかどうかです。直前の拡張パックのレベルキャップまで、必要であれば専用のポーションを飲むことでレベリングがスキップできるという選択肢をグローバル版に用意するかどうか、みなさんの需要しだいかなと思っています。

──パッチ3.35を心待ちにしているプレイヤーへメッセージをお願いします。

吉田 パッチ3.3が公開されてまだ2週間も経過していないので、まだまだやりたいことがたくさんあると思います。今後1ヵ月はそれらの要素を楽しんでいただければと思います。極ニーズヘッグ征竜戦からカジュアルな宝物庫アクアポリスまでたくさんのコンテンツが用意できたパッチだと思うので、それらをコツコツと遊びつつ、パッチ3.35で追加されるディープダンジョンを楽しみにお待ちください。いままでのバトルコンテンツとは遊び心地がまったく違うので、それらを楽しんだうえでフィードバックをお寄せいただければ、さらに新しいジャンルのコンテンツを作る際の参考になりますので、ぜひよろしくお願いします!

最終更新:6月28日(火)20時36分

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TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。