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長時間化する病院内保育所「仕事が終わらない親を待ち続ける」過酷な労働実態

弁護士ドットコム 6月28日(火)11時0分配信

病院に勤務する看護師や医師らのための「院内保育所」で、保護者に突発的な仕事が入って、保育士が帰れなくなるなど、病院ならではの長時間労働が発生している。医療関係者でつくる労働組合「日本医労連」が6月27日に実態調査の結果を発表した。

調査は昨年、医労連に加盟する院内保育所などを対象に実施。108の施設から回答を得た。このうち、99施設が認可外の保育所だった。

院内保育所は、病院スタッフの子どもを受け入れるため、一般の利用を制限していることが多く、なかなか認可を得づらい。認可があれば、各種の補助金を受けられるが、院内保育所では十分な補助金を受けられていないという。結果として、保育士の処遇にはね返ってきているようだ。平均初任給はおよそ15万7000円だった。

保育所を運営する病院や利用者の負担を増やし、保育士の給与に充てれば良いのではないかという考え方もありえるが、医労連によると、診療報酬の削減などで病院の経営が厳しく、簡単ではないという。実際、院内保育を企業に委託し、経費を節減しているケースは35%にのぼり、増加傾向にあるという。働いている保育士も非正規が45%を占め、その半数近くが3年未満の若いスタッフだ。

中野千香子中央執行委員長は、「病院は経済的な負担が強いので、企業に委託する。保育の質を落とすか、保育士の処遇を落とすかになっている。医療法人や利用者との話し合いも必要だが、国の補助金を抜本的に考えないとダメだと考えている」と待遇の改善を求めた。

また、保育所の営業時間でみると、7割以上の施設が「10時間以上」と回答しており、長時間化の傾向が見られるという。約半数の保育所が夜間保育を実施。休日も土曜日で78%、日曜日でも49%が営業するなど、病院側のニーズに応えている。保護者の急なオペなどに対応するため、33%の施設が「お迎えがあるまで」の延長保育を実施しており、帰りの時間が遅くなることも珍しくないという。

預かる園児の層も特殊だ。一般の保育園では0~2歳の乳幼児は3割ほどとされるが、院内保育所では約7割を占めていた。また、病院内に併設されていることもあり、一般の保育園では見てもらえない「病児保育」を受け入れている場合もある。医労連メンバーの現役保育士は、「院内保育所は特殊。過酷な現場で子どもと向き合っていることを知ってもらいたい」と話していた。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:6月28日(火)11時0分

弁護士ドットコム

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