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日系人が聖火トーチをデザイン ブラジルの多様性を象徴し 美しくて大胆な形を造型

ニッケイ新聞 6月28日(火)5時55分配信

(ブラジル邦字紙 「ニッケイ新聞」 18日付)

 政治が大混乱して経済も低迷する中、美しくて大胆なリオ五輪の聖火「シャーマ・オリンピカ(トーチ)」が現在、現在ブラジル全国を駆け回って、オリンピック機運を盛り上げている。これは、サンパウロ市のデザイン会社「シェレス&ハヤシデザイン」(Chelles e Hayashi Design、以下CHDと略)のハヤシ・ローミーさん(47、三世)とグスタボ・シェレスさんがデザインしたもので、15年7月3日に発表された。ローミーさんにトーチ制作の裏話を聞いてみた。


 「『トーチを作ってみようか!』って気楽に呼びかけました。製品や包装のデザインはたくさん作りましたが、トーチは作ったことがありません。いい経験になると思いました」と笑った。

 トーチのコンペ(デザイン競技会)の参加権を与えられ、彼女とグスタボさんは社内で経験豊富な選抜チームを作り、デザインの制作にかかった。
 「最初に社員を8人集め、8週間でデザイン製作をしました」――準備はそうそうと5月から始まった。

 「まずは聖火とトーチの歴史と意味を調べ、そして五輪の旗の意味について調べました。五輪は文化、地域を越えて人々が楽しむ偉大なイベントです。五つの輪には友情、卓越や尊敬、平等、克服、勇気、決断という意味が含まれていました。調べるほど私たちは敬意を持ってデザイン作りに向き合いました。毎日トーチの波のデザインを改良して完成に近づけました」とローミーさん。

 コンペには国内外の全部で76社が参加し、デザインを競い合った。CHD社のチームは完成までに200以上のアイデア図面を作って練った。

 出来上がったデザインをリオ五輪委員会に提出し、他の9社と共に優良デザインに選ばれた。「委員会からリオに呼ばれ、オリンピックに関するビデオを観るなど、2日間滞在し、五輪について学びました。その後、10のデザインの内、ブラジルの特性である太陽、空、海、山という要素を含んだ私たちの作品が選ばれました」。


 ローミーさんらデザインチームは素材にもこだわった。「トーチには軽い再生アルミニウムが使われています。大きさは60センチ、重さは1・4キロです。スペインのバルセロナにある複数の工場が作っています。トーチの一部一部を各工場が請け負うかたちです」。



 デザインにこめられた意味を尋ねると、「私たちのデザインの大きな違いは、底にあるつまみをひねって点火を可能にしたときにはっきり出ます。トーチが開き、ブラジルの特性を象徴した波模様が現れます。有名なコパカバーナの波模様、白いボディには三角形の網のような模様をあしらいました。ブラジル北東部の果実ブリチーの模様であり、また三角形はそれぞれの辺に卓越、尊敬、友情を表します」という多彩なシンボル性がこめられていた。

 白いトーチの波線は下から色と形が変わり地面、海、山、空を表している。コパカバーナの有名な歩道の模様や海を表しているのが下部の青系の色だ。黄緑色の曲線はブラジルの山で、ポン・デ・アスーカル、コパカバーナの丘がかたどられている。頂点の黄金は空の太陽、また金メダルの意味も含む。聖火の受け渡しは「ベイジョ(キス)」と呼ばれる。

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最終更新:6月29日(水)3時45分

ニッケイ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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