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都民以外も無料で見られる「東京防災」から、役立つ情報拾い読み

SUUMOジャーナル 6月28日(火)7時30分配信

2015年9月から、東京都の各家庭に無料配布された『東京防災』。わが家にも1セットある(冒頭の写真)。配布された当初から「内容が濃い」「デザインがいい」などと話題になっていたが、具体的に「やるべきこと」を「分かりやすく」解説した防災のマニュアル本として、たしかにすぐれものといえる。その情報の一部を紹介しよう。

■「分かりやすさ」や「行動喚起」がお役立ち度を高める「東京防災」

なにかと世間を騒がせた舛添要一氏だが、都知事時代に発案して誕生したのが「東京防災」だ。340ページにおよぶ防災のマニュアル本で、災害に対する備えから、発災直後や避難生活の際の注意点、生活再建までの幅広いお役立ち情報が分かりやすく書かれている。

具体的にどういった情報が掲載されているのか、見ていこう。
まず、次のクイズにどの程度回答できるか、やってみてほしい。

【画像1】防災おさらいクイズ(出典/東京都「東京防災」より転載)

「地震の揺れを感じたら、まず何をすべき?」「地震が起きたとき、火を使っていたらどうすべき?」「避難をするときに注意すべきことは?」など、どれも万一のときに、知っておきたいことばかりだ。

もちろん、回答となる詳しい解説が”答え”のページでまとめられている。例えば、Q5「地震が収まってすぐにしてはいけない行動は?」については、画像2のように絵入りで、具体的に分かりやすく解説している。大人であれば、読めばしてはいけない理由も理解できるし、絵があるので子どもにもNG行動が伝わる。

【画像2】発災時のNG行動。「火災や爆発の危険があるので、電気のスイッチに触らない。」「電話回線がパンクするので、発災直後に不要不急の電話の使用を控える。」など(出典/東京都「東京防災」より転載)

このように、あらゆる都民が理解できるように「分かりやすさ」を追求して制作されているのは、公的機関が制作したものとしては画期的だ。

さて、「東京防災」は5章構成となっている。

(1)大震災シミュレーション……東京に大地震が起きたときの発生時から避難、生活再建までをシミュレートして取るべき行動を説明したもの
(2)今やろう 防災アクション……今すぐできる防災の備えをまとめたもの
(3)そのほかの災害と対策……地震だけでなく、集中豪雨から感染症まで幅広い災害と対策についてまとめたもの
(4)もしもマニュアル……止血の仕方、消火器の使い方、簡易トイレのつくり方、簡易ベッドのつくり方などの知恵や工夫を図解したもの
(5)知っておきたい災害知識……地震や津波などの基礎知識や災害対応イエローページ、記入できる安全のしおりなどをまとめたもの
※画像1は1章に関する「防災おさらいクイズ」(2章、3章にもおさらいクイズがある)。

分かりやすさが追求されていることに加え、「今やろう」をスローガンに行動喚起に重きが置かれているのも注目点だ。340ページすべてを読み通す時間がない場合には、「今やろう」のマークだけでも拾い読みして、できることから始めようと促す構成になっている。

【画像3】今やろうマーク。「日常備蓄を始めよう」「避難先を確認しよう」など(出典/東京都「東京防災」より転載)

みなさんは、「今やろう」(画像3)の内容を行っているだろうか?
筆者の場合は、日常備蓄や非常用持ち出し袋の準備、家具類の転倒防止などは実施済みだ。が、東日本大震災のときに用意した備蓄品を見たら、賞味期限が切れているものがあったので、今入れ替えているところだ。

■今やっておきたい「室内の備え」

次に、筆者の専門である住宅と関連深い、「部屋の安全確認」について見てみよう。

【画像4】室内の備え。「地震負傷者の30~50%は家具類の転倒・落下・移動」「避難経路確保のレイアウト」など(出典/東京都「東京防災」より転載)

巨大地震を再現した室内映像などを見ると、テーブルやキャスター付きの収納などは、部屋の端から端まで何往復も移動するなど、家具が凶器になることがうかがえる。画像4の「室内の備え」のページでは、家具の下敷きにならないようなレイアウトや避難経路の確保などの注意点が解説されている。

「東京防災」という名称が示すように、都民向けの防災マニュアルなので、東京に住む人のライフスタイルを想定して情報が掲載されている。マンションに関するページも多いし、人混みや地下での避難などについても記載されている。

しかし、防災マニュアルとして注目度が高いことから、東京防災サイト上での無料公開をはじめ、書店での販売や電子書店での取り扱いもされ、都民に限らず情報を入手できるようになっている。さらに、東京都のホームページでは、英語版や中国語版、ハングル版も公開され、外国人にも情報提供がされている。

【画像5】パソコンやスマホ、タブレットで電子版の「東京防災」を見ることができる(写真撮影/住宅ジャーナリスト山本久美子)

さて、地震や土砂災害などの災害が頻発するいま、防災に関する備えはしっかりしておきたいものだ。届いた「東京防災」を本棚の奥にしまっている人、「東京防災」について知らなかった人は、今からでも読んで災害に備えることをお勧めする。

ちなみに、この記事のために「東京防災」を読み直したら、ページの右下の子どものサイのキャラクター「防サイくん」がパラパラ漫画で動くことに気づいた。公的機関らしくない遊び心も、大歓迎だ。

※本記事は「東京防災」のイラスト掲載にあたり、東京都より利用許諾を得て掲載しております

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山本久美子

最終更新:6月30日(木)16時29分

SUUMOジャーナル