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AFC選手権まで3カ月弱…棚橋尭士の台頭で激しさを増すU16代表のFW争い

SOCCER KING 6月28日(火)18時33分配信

 FIFA U-17ワールドカップ2017出場を目指すU-16日本代表は、22日から鳥取にて開催されたU-16インターナショナルドリームカップ2016に出場。1戦目のハンガリーと3戦目のメキシコには4-1、6-0と圧倒したものの、2戦目となったマリには1-2と敗れ、大会を2位で終えた。

 大会を振り返ると、激戦区がさらに激戦区になった。

 今大会、FW登録で招集されたのは、宮代大聖、中村敬斗、久保建英、棚橋尭士の4選手で、常連メンバーを挙げるならば、宮代、中村、久保の3人だった。棚橋は今年2月の静岡合宿で招集されて以来となる久々の代表だった。それもそのはずで、棚橋は横浜F・マリノスユースにおいて、プレミアリーグイーストを戦うチームの試合に出場はおろか、ベンチ入りも果たせない状態だった。

 だが、U-16日本代表を率いる森山佳郎監督は今回招集に踏み切った。2月の合宿では「厳しい」とジャッジしたが、「試合に絡めていないが、良くなっていると聞いた」と、腐ることなく、横浜FMユースでコツコツと練習に打ち込んで来た棚橋に、もう一度チャンスを与えたのだった。

 棚橋は森山監督の期待に応え、ハンガリー戦とメキシコ戦で2得点ずつを挙げ、大会得点王となった。結果を出してみせた棚橋は、「いろんな思いがあった。久しぶりに自分が呼ばれて、やるべきことは点を取ること。僕は今回のFW陣で一番下の存在だと思っているからこそ、自分が決めると言う気持ちが強かった」と語る。

 初戦のハンガリー戦後、森山監督は「たくましくなった。いい形でずっと代表に入っている選手に挑戦状ではないけど、新たな刺客と言うかいい刺激を与えてくれたと思う」と棚橋の活躍に目を細め、同試合でツートップを組んだ中村も「どんな状況でも、シュートは常に狙っています。まずシュートを狙ってからのスルーパスやドリブルの仕掛けだと思っています」と、語ったように貪欲にゴールを目指した。

 棚橋のゴールで先制をした後の19分、中村は左サイドでボールを持つと、ドリブルでカットイン。細かいボールタッチと上半身の動きで対峙した2人のDFのタイミングをずらし、右足からゴール逆サイドネットに巻いて突き刺さる鮮やかなコントロールショットでネットを揺らした。その後もバイタルエリアで仕掛けてはゴールを狙い、放ったシュートは棚橋が8本(フル出場)で、中村は5本(60分までプレー)にのぼった。

 第2戦のマリ戦は中村と宮代のツートップとなったが、相手の素早い寄せと足の長さに苦戦。中村は2本のシュートを放つもノーゴールで、61分に棚橋と交代し、宮代はフル出場を果たしたが存在感を放てぬまま、シュート0本に終った。

「(棚橋)尭士も点を取っているし、いろんな意味で刺激を受けています。出たら絶対に点を取りたいと思ったし、刺激を受けて自分が足りないところも分かって来た」とは宮代の弁。

 3バックで挑み、立ち上がりから攻勢に出た第3戦のメキシコ戦では棚橋がゴールラッシュの口火を切ると、35分には中村、68分には棚橋が再びゴール。5点リードの76分には後半から出場した宮代が今大会初ゴールを挙げた。

 3人のFWがゴールを決める中、3戦ともにスタメン出場をした久保はノーゴールに終った。ハンガリー戦、マリ戦は[4-4-2]の右MF、メキシコ戦は[3-4-2-1]のツーシャドーの一角でプレーをし、ドリブル突破と両足からのシュートでゴールに迫ったが、フィニッシュの前にドリブルが引っかかり、決定機を外すなど、「シュートを決められない自分にイライラしていたし、自分から崩れて行ってしまったと思う」と振り返るように、目に見える結果を残せなかった。

 メキシコ戦では「何が何でもゴールを奪いたい」という気迫は伝わった。3戦を通じて、久保の仕掛けでチャンスを作り出すシーンはあった。だが、FW3人が得点した一方で、自身がノーゴールという結果は、到底納得のいかない出来だったことは間違いない。

 棚橋の存在は間違いなくFW陣に火を点けた。下から這い上がって来た棚橋に、主軸クラスだった中村、宮代、久保は大きな刺激を受けたはずだ。これからさらにモチベーションを上げて行く棚橋。さらにゴールへの嗅覚を研ぎ澄ました中村。悔しさを味わった宮代と久保。それぞれが抱いた感情は、それぞれにおいて間違いなくプラスになった。

「活躍をした選手は次があるし、どんどん入れ替えて行きたい。普段から競争意識を煽りながらやっていますが、ここでまた新たな刺激が入ったので、お互い高め合って行って欲しいと思っています」(森山監督)。

 U-17W杯出場を懸けたAFC U-16選手権まで3カ月を切った。激戦区となった攻撃陣はどのような化学反応を生み出し、チームを活性化させていくのか。はたまた4人の間に割って入る存在が出て来るのか、誰がどれだけレベルアップするのか。この期待感を抱けただけでも、大きな意義があった大会となった。

文=安藤隆人

SOCCER KING

最終更新:6月28日(火)18時33分

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