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社説[米軍専用施設39%?]過重負担の現実を隠蔽

沖縄タイムス 6月29日(水)5時0分配信

 在日米軍司令部が公式フェイスブックで、沖縄にある米軍専用施設は「(日本にある)米国の専用施設の39%」と発信していたことが明らかになった。
 「在日米軍 今週の事実」と表題を付けて、「全ての米軍施設の75%かそれ以上が沖縄に集中していると言われている」のは「事実ではない」と書き込むが、県も沖縄のメディアもこのような表現を使ったことがない。いったい誰がそう言っているのか。
 米軍基地は地位協定によって次の三つに分けられる。
 (1)米軍が管理し、米軍が使用する施設・区域(地位協定2条1項a)(2)米軍が管理し、米軍が使用していない時、自衛隊などが共同使用できる施設・区域(同2条4項a)(3)自衛隊が管理し、米軍が一定条件の下で共同使用する施設・区域(同2条4項b)。
 県が米軍専用施設の約74%が集中すると訴えているのは、この(1)と(2)を合わせた面積である。面積にして約74%が沖縄に集中していることは、最新の「防衛白書」にも書かれている事実だ。 
 何のことはない。「39%」は、専用施設の面積ではなく、施設数を比較した数字なのである。
 1ヘクタールに満たない東京や広島の通信施設と、8千ヘクタール近い広大な北部訓練場や、騒音被害が深刻な嘉手納飛行場を同じ1施設とカウントするのは、あまりに乱暴である。
 39%は、基地負担を軽く見せたいための姑息(こそく)な手法で、沖縄に基地が集中する事実を隠蔽(いんぺい)するものだ。
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 沖縄への基地集中に関して、「過重負担は誇張だとし、基地面積は23%しかない」という言説もインターネットを通して広がっている。ネット情報に頼りがちな若い世代には、それを鵜呑(うの)みにしている人も多いのではないか。
 23%は、(1)(2)に(3)を加えて、基地の比率をはじき出したものだ。いわば数字のトリックである。
 例えば北海道の別海矢臼別大演習場は自衛隊演習場の中でも最大の1万7千ヘクタール近い面積を誇る。しかし米軍演習は年に1度、1週間程度。
 そのような自衛隊の演習場まで米軍との共同使用施設として数えているために、北海道の数字が跳ね上がり、沖縄が相対的に低くなっているのである。
 39%といい、23%といい、いずれもネット上で拡散している数字であるが、沖縄の米軍基地を巡る真実からはほど遠い。
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 米軍基地は本島の面積の約18%を占めている。とりわけ都市化が進む中部には、約100機が常駐する嘉手納基地、オスプレイが常駐する普天間飛行場があり、世界的に見ても異常な配置だ。
 国土面積の0・6%にすぎない沖縄に専用施設の約74%が集中するだけでなく、20カ所の空域と28カ所の水域が米軍管理下に置かれている。
 狭い島に基地や訓練区域が住民地域に隣接して集中するのも、世界の中で沖縄だけである。
 数字を操って小さく見せようとするのではなく、目の前の現実を直視すべきだ。 

最終更新:6月29日(水)5時0分

沖縄タイムス