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【プレイレポ】現代のボトルメール・アプリ『ひとりぼっち惑星』は人々の孤独感を受け止める器だった

インサイド 6月29日(水)18時0分配信

メッセージというものは相手のためだけに伝えるものではありません。自分の心境を形にすることで、それが救いになることもあるのです。今回は、思いを形にすることの意味を伝える作品『ひとりぼっち惑星』のプレイレポートをお届けします。

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「ところにょり」さんが開発したiOS/Android『ひとりぼっち惑星』は、人がいない惑星からメッセージを送り合うアプリです。ジンコウチノウたちが戦争を繰り広げる惑星にいるひとりぼっちのいきもの(プレイヤー)は部品を集め、どこか遠くにいる他のプレイヤーとメッセージのやり取りを行います。

簡潔に説明すると、“インターネット時代のボトルメール”といったところでしょうか。いつ誰に伝わるかわからないメッセージを書くことの意味を知ることができる作品になっています。

◆『ひとりぼっち惑星』ゲーム概要

本作ではまず、ジンコウチノウの部品を拾い集めアンテナを作り上げていきましょう。この世界ではジンコウチノウたちが無益な戦いを繰り広げており、ひたすらに戦っては壊れ続ける日々が繰り返されています。

落ちている部品を集めたら、その部品でアンテナを建設していきます。その後に部品を使って受信を行うと、一定時間が経ったあと“宇宙のこえ”を取得することが可能となります。

はじめはゲーム内に収録されているデフォルトのメッセージがいくつか流れてくるようです。メッセージは宇宙に旅立った人類からのもので、地球への思いや旅の辛さなどが書かれています。もはやこの惑星に誰もいないことからわかるように、世界は絶望的な状況になってしまっているようで、送り主もそのことを誰かに話さずにはいられないようです。

メッセージをひとつ受信すると、また部品を集めてアンテナを増強し、さらに部品を使って受信を行う必要があります。

この行為を繰り返しアンテナを最大化させると、いよいよ他プレイヤーとのメッセージのやり取りが可能になります。また、別の画面では部品を使って送信機を作りメッセージを送信することも。メッセージはどこの誰に渡るか不明なので、そのことを留意して“こえ”を届けましょう。

◆宇宙から届くメッセージ

他のプレイヤーから送られるメッセージはさまざまで、作品の雰囲気を理解した地球への郷愁を描いた物語もあれば、気楽に笑えるもの、料理のレシピ、はたまた電波の無駄だとしか言いようのないメッセージまでいろいろです。

私が見た中で面白かったものは、宇宙船「すぴか」に乗って惑星を離れようとするふたりのカップルからのメッセージ。身分違いのふたりは故郷を捨てて宇宙への旅に出るはずだったのですが……、この先は自身の目で読んでいただきたいところです。

Twitterでは、絵描きやゲームクリエイターの苦悩のようなメッセージが流行している模様です。ややゲームの世界観からは離れたものとなっていますが、そういったメッセージをも受け入れられる物悲しい雰囲気こそ、本作のサーバーがダウンするほど人気が出た理由のひとつなのかもしれません。

たとえばSNSなどでは、匿名であっても発信者がある程度は明確になっています。そのため、愚痴など書きにくい話も存在するわけですが、このアプリでは誰が書いたかわからず、いつ、どこへ行くかわからない。そのためただのメッセージですら、それこそ100年後に発見されるボトルメールのような、奇妙な神秘性すら帯びてくるわけです。

誰もが覚えるであろう孤独感や疎外感、それを受け止めてラッピングしてどこかへ届ける。『ひとりぼっち惑星』はそういう機能を備えた場なのかもしれません。

◆過去作との繋がり

ところで、本作に興味を持った方にはぜひ「ところにょり」さんの手がけた過去作もおすすめしたいところです。

『ひとほろぼし』(iOS / Android)は、謎のモンスターを操作して人類を殺しまくるというミニゲームアプリです。非常にシンプルな内容ですが、関連シリーズの物語を知るためには重要な手がかりとなります。

そして、『ひとたがやし』(iOS / Android)は、土を耕し人類を作り、モンスターと戦うといったゲームになっています。お察しの通り、『ひとほろぼし』の対になる作品です。

なぜこの惑星は、孤独としか言いようがないむなしい場所になってしまったのか。それを知れば、ひとりぼっちの孤独感がより深まり、どっぷりとこの世界を堪能できることでしょう。

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『ひとりぼっち惑星』は配信中。基本プレイ無料(アイテム課金制)です。

(C) Shogo Senouchi

最終更新:6月29日(水)18時0分

インサイド