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せか猫の川村元気が手がけた小説「億男」中国で映画化、2017年10月に公開予定

映画ナタリー 6月29日(水)13時20分配信

「世界から猫が消えたなら」の原作者・川村元気による小説「億男」が中国で映画化されることがわかった。

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「億男」は、宝くじで3億円を当てた図書館司書・一男が、失踪した親友・九十九を探すため冒険するさまを通して、お金や幸せとは何かを描いた作品。この小説は2014年に発売され、書店員の選出によって受賞作が決められる2015年本屋大賞で10位を獲得した。

本作のプロデュースを担当するのは、ホウ・シャオシェンがメガホンを取った「黒衣の刺客」や第64回ベルリン国際映画祭の金熊賞受賞作「薄氷の殺人」を手がけたワン・ジャンと、ロウ・イエの監督作「二重生活」に携わったリー・リン。撮影は2017年に開始され、同年10月後半の公開を予定している。なお出演者は現時点では発表されていないので続報に期待しよう。

プロデューサー コメント
午後の日が当たる窓辺に座り「億男」を読み始めた。表紙がとても気に入って手に取ったが、最初のページをめくると最後まで一気に読み切った。ホッと一息いれて本を置き、窓から外を眺めると、北京の長安街にはすでに街灯が点々としていた。仕事帰りの車の警笛と光があふれ、ラッシュアワーのビジネスセンター街は昼間より一層コンクリート・ジャングルのイメージを感じさせた。ふと目を移すと、歩道に群がる人々の流れの中に、あるいは向かいのオフィスビルの豪華な部屋の中に、一男と九十九がいるような気がした。ある者は家路を急ぎ、ある者は残りの仕事を切り上げ接待の席に向かう。こうして彼らなりのごく普通の一日が過ぎていく。「億男」は、肩代わりした借金の返済に追われ、突然降ってきた大金に不安を感じる一男、事業で成功した九十九、そして彼のパートナーたちが「お金と幸せの答え」を探すために悩み苦しむ姿を通して、人間すべてが直面する心の葛藤を描いている。一夜にして大富豪となり、また一夜で大金を失う極端な物語の形式で、お金は人生を変えるかという永遠の命題を凝縮させている。現在の中国には大勢の一男と九十九がいる。成功した人がいれば、逆境に溺れた人もいる。このような激しい社会の変貌の中で、しっかりとした足場が築かれていないことを常に目にする。このような社会では、成功者だろうが、失敗者だろうが、あるいはまだどちらでもない無数のさまよう人たちにとっては、あの刺激と興奮とともに感じた不安や困惑に、ふと何かを考えさせ、まっとうな考えに導くような材料があればどれほどよいことであろうか。この優れた小説「億男」を映画化したいと意図したのは、この物語と登場人物を通じて、観客が「お金」というものを多面的にとらえ、「お金」が簡単には「幸せ」とは結び付かないが、同時に人生を狂わせるほど悪いものでもない。お金と上手くつき合い、欲望を人生のエネルギーに変えることが大切だと気付くことができればと考えたからだ。

最終更新:6月29日(水)13時20分

映画ナタリー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。