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ソニー、センサー事業の位置付け変えず積極投資へ

EE Times Japan 6月29日(水)13時33分配信

■1997年以来、20年ぶり2度目の営業利益5000億円へ

 ソニーは2016年6月29日、2016年度(2017年3月期)の経営方針説明会を開催し、2017年度に営業利益5000億円以上を目指す方針をあらためて打ち出した。

【ソニーの営業利益推移グラフ】

 同社は、2015年度から2017年度までの3カ年中期経営計画を実施しており、数値目標として2017年度、営業利益5000億円、株主資本利益率(ROE)10%以上を掲げている。中計1年目だった2015年度は、営業利益2942億円(前年度比2256億円増)を達成し「初年度として良いスタートになった」(社長兼CEOの平井一夫氏)と評価する。特に課題であったモバイル機器事業、テレビ事業で大幅な損益改善ができたことを強調し、「2016年度はコンシューマーエレクトロニクス分野の全ての事業が黒字化する。コンシューマーエレクトロニクスの復活が2017年度営業利益5000億円を下支えすることになる」と語った。

■震災影響は営業利益ベースで1150億円

 中計2年目となる2016年度については、イメージセンサーの主力生産拠点の1つであるソニーセミコンダクタマニュファクチャリング熊本テクノロジーセンターが被災した影響により、営業利益ベースで1150億円程度のマイナス要因となる見込みだが、2016年度通期の営業利益予想は3000億円と、2015年度比微増を狙う。さらに2017年度営業利益5000億円の目標についても下方修正することなく、堅持したかたちだ。

 ただ、事業ごとの2017年度経営数値目標については、外部環境の変化に応じて見直しを実施。スマートフォン需要の成長鈍化の影響を受けるイメージセンサーを主力としたデバイス事業は、2017年度売上高1兆3000億~1兆5000億円、営業利益率10~12%としていた当初目標を、売上高1兆~1兆500億円、営業利益率5~7%に大きく下方修正。一方で、好調なゲーム&ネットワークサービス事業などの数値目標を上方修正し、全社として1997年以来、2度目となる営業利益5000億円の達成を狙う。

■車載など新規用途開拓進める

 厳しい環境下にあるデバイス事業については、「(ゲーム・ネット事業、映像・音楽事業に並ぶ)3つの成長けん引領域の1つとしての位置付けは変えない」と明言し、イメージセンサーを中心に積極的な開発投資を継続する。イメージセンサーの主力用途であるスマートフォンの成長鈍化への対応としては、「環境変化への対応“スピード”と強みのある領域への“フォーカス”を重視する」とし、スマートフォン向け拡販と並行して、新規用途の開拓を進める。

 新規用途としては、「まず、監視カメラ用途、そしてそれに続いてFA、ドローンなども含むIoT(モノのインターネット)、車載用途などを期待している」とした。中でも大きな需要が期待されている車載用途向けについては「本格的に事業として立ち上げるには相応の時間を要するものの、将来的な成長を期待している領域で、研究開発投資を積極的に行っている」とした。

■AI、ロボティクス、通信

 また2018年度以降の将来に向けた新たな成長への取り組みについても平井氏は言及。「ユーザーに感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続けるというミッションのもと、今後もエレクトロニクス、エンタテインメント、金融の3つの事業領域を柱とし、それぞれを進化させ、新たな事業機会を創出することで成長を目指す。強みであるた映像・音響技術、センサー、メカトロニクスなどの技術を、人工知能(AI)・ロボティクス・通信などと組み合わせ、生活空間のあらゆる“ラスト・ワン・インチ”で、新しい提案を行う」と語った。

 なお、熊本テクノロジーセンターの復旧状況について平井氏は、「復旧作業着手後は、順調で現在、多くの工程で稼働を再開している」とし、2016年8月末にはCMOSイメージセンサーのウエハー投入ベースで完全復旧する見通しであることを明かした。

最終更新:6月29日(水)13時33分

EE Times Japan