ここから本文です

“完璧”という言葉がふさわしい――無償アップグレードで音を磨いたMrSpeakers「ETHER」シリーズを聴く

ITmedia LifeStyle 6月29日(水)21時14分配信

 先日、新進気鋭のヘッドフォンブランドであるMrSpeakersの新製品、「ETHER」シリーズを紹介させてもらった。新設計の「V-Planar振動板」なる平面振動板ユニットをはじめ、3Dプリンターにより成型された音響調整機構やアルミ合金削り出しバッフルなどの採用により、ひずみ感を徹底的に押さえ込んだ良質なサウンドを実現。開放型の「ETHER」、密閉型の「ETHER C」ともに、躍動感に満ちた、それでいて細やかなニュアンスまでしっかりと伝わってくる、表情豊かなサウンドを存分に堪能させてくれた。いちヘッドフォンファンとして、とても魅力的なモデルが誕生したものだと、大いに心揺さぶられたものだ。

「ETHER」は、イヤーパッドを外してグレーの“アップグレード”フィルターを入れ込むだけ

 そんなETHERシリーズに、早くも“アップグレート”が施されたという。前回試聴したものでも、十分魅力的だったのに、それがどうアップグレードされたのか。個人的にもかなり気になったため、再び製品をお借りすることにした。

 まず、アップグレードの内容について紹介していこう。それぞれ「ETHER 1.1」「ETHER C 1.1」という呼び名となったアップグレード版だが、基本的なパーツ構成はこれまでと全く同じで、サウンドチューニングに関わる部分のみパーツの変更が行われている。具体的には、ドライバー直近にフィルターを追加したり交換したりしているのだが、内容がとてもシンプルなこともあってか、既にオリジナルバージョンを購入した人にも「1.1アップグレードキット」として無償提供してくれるのだという(Webサイトでのユーザー登録が必要)。こういった配慮は、とてもありがたい。

 一方で、ETHERとETHER Cではアップグレードの方法が多少異なっていたり、ETHER Cにはイヤーパッド内に入れることで好みのサウンドに調整できる追加フィルターも2タイプ(片側白1枚、黒2枚の計3枚)用意されているなど、多少なり使いこなしに関わる部分のレクチャーが必要となってきた印象があるため、先にアップグレードの方法を紹介していこう。

 まずはETHERから。こちらはとても簡単。ラムレザー製のイヤーパッドを外すと、振動板の部分が四角く凹んだインナーバッフルが露出するので、その凹んだ部分にスポンジっぽいグレーの“アップグレード”フィルターを入れ込むだけ。フィルターには天地があり、固定ネジの出っ張り具合に合わせて入れ込む必要があるが、ひと目見れば分かるので、それほど苦労はないだろう。イヤーパッドを再び取り付ければ、アップグレードは完成だ。

 一方、ETHER Cはちょっとだけ“アップグレード”の内容が異なっている。イヤーパッドを外すと、インナーバッフルの凹み部分にはすでに白いフィルターが2重に取り付けられていて、そのうち1枚を外し(奥側の1枚はそのまま)、代わりにグレーの“アップグレード”フィルターを入れ込むことで完成する。こちらも、イヤーパッドを取り付け直せば再び音が聴けるようになる。

●“完璧”という言葉がふさわしいバランスに秀でた音

 このアップグレードによって、サウンドはどう変化したのだろうか。まずは開放型のETHERから。

 完璧、という言葉が最もふさわしい、バランスに秀でた音。オリジナルも充分満足のいく良質なサウンドではあったが、フィルターを追加することで、高域にほんの少しクセが乗っていて、ピアノの音にわずかなにじみが生じていたことが分かるようになる。フィルターを追加することで、それが完璧な、とてつもなくピュアな音色へと変化。響きの美しい音色が、ホールいっぱい広がってくれるようになったのだ。おかげで、レコーディングしたホールの音響特性が、一段も二段も良質になったように感じられた。この音のよさ、響きの美しさは圧倒的。ことETHERに関しては、是非ともアップグレードをオススメする。

 一方のETHER Cも、効果は絶大。1.1アップグレードを一聴した後、オリジナルに戻して試聴すると、それまでは、どちらかというとかまぼこ形に近い帯域バランスに仕上げていたことが分かる。それでも、高域側にわずかな乱れが感じられたのだが、アップグレードすることで、その部分が目立たなくなったうえ、音の抜けも良くなり、明瞭(めいりょう)さと響きの心地よさを兼ね備えた、良質なサウンドへとグレードアップした。同時に、中域にも厚みときめ細やかさが感じられるようになり、クラシックの再生にも良好な相性を見せるようになった。えり好みのないサウンドキャラクターになった、といったイメージだ。

 さらにETHER Cでは、イヤーパッド内に付属のフィルターを追加することによって、積極的に音質調整を行うこともできる。キレの良さを失わせず、グルーブ感溢れるロックを楽しみたい人は、黒いフィルターを1枚追加するのが良さそう。クラシックなど、アコースティック楽器がメインの演奏はそのままがベストだが、女性など、もう少し柔らかい音色が好きという人には、白いフィルターを追加するのも手だ。とはいえ、あくまで好みや楽曲の特徴によって傾向は変わるため、自分にとってのベストなセッティングを見つけ出してほしい。

 このように、MrSpeakersのETHER、ETHER Cのアップグレードは、どちらもETHERシリーズ本来の魅力を、さらに引き出してくれる素晴らしいプランだ。既存ユーザーには、(無料でもあるし)是非ともアップグレードすることを推奨したい。

最終更新:6月29日(水)21時14分

ITmedia LifeStyle

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]