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【ビョーク×VR】テクノロジーに込めた地球・人間・音楽への愛--「Bjork Digital」が実現した理由

SENSORS 6/29(水) 12:00配信

「Bjork Digital ― 音楽のVR・18日間の実験」
ビョークのVR作品展示が6月29日から日本科学未来館で始まる。そのオープニングに先駆けた公開収録とトークセッションに参加した。 当記事ではアーティストでありクリエイティブ・ディレクターとしての才能も持ち合わせるビョークの考えに迫る。なぜ彼女はテクノロジーの進化を喜んで受け入れ、常にチャレンジし続けられるのか?背景には彼女の人間への愛が伺われる。

とても不思議な公開収録に立ちあった。
世界の歌姫ビョークが仮面を着け360度カメラの前で激しく踊り、歌う。その背景には日本科学未来館のジオ・コスモスがプロジェクションマッピングで化粧され君臨する---

これはDentsu Lab Tokyo菅野薫氏が指揮を執った世界初のリアルタイム360度VRストリーミング配信の公開収録である。
昨年3月からビョークとのコラボレーションの機会を探り、アイスランドやニューヨークに打合せに行き企画をあたためたと語る菅野氏と、ストリーミング演出AR/VR、ライティングを手がけたライゾマティクスリサーチ真鍋大度氏、映像演出のP.I.C.S TAKCOM氏と日本科学未来館内田まほろ氏がビョークと行った、熱のこもった60分間のトークセッションの内容をお届けする。

ビョークがテクノロジーを作品に取り込む際の視点

内田: 「ビョーク×デジタル」、最新アルバム『Vulnicura(ヴァルニキュラ)』をVRをステージに作品公開された背景について教えてください。

Bjork: 今回の作品を話す前に、前作の話をしましょう。前作『Biophilia(バイオフィリア)』ではタッチスクリーンを使い曲を作りました。そして自然の理論をまず考えそこから曲を作り上げていくというプロセスを得てアルバムができました。今回の『ヴァルニキュラ』は逆の手法を取り、まず曲が出来上がりました。そしてその曲にはストーリーが時系列で存在し、まるでギリシャ悲劇のような作品に仕上がったのです。このギリシャ悲劇的作品をVRで表現するのが面白いのではないか?と思ったのがキッカケです。
新しいテクノロジーを使う時に気をつけなければいけないのは、芯があるかどうか。『ヴァルニキュラ』は物語性が芯として存在したのでVRを使っても良いかと考えてます。

内田: 本日公開収録したリアルタイム360度VRストリーミング配信、この作品をDentsu Lab Tokyoと作り上げたプロセスを教えてください。

Bjork: Dentsu Lab Tokyoとは長い間話をして今回のプロジェクトにたどり着きました。きっかけはジェシー・カンダ監督との『Mouth mantra』MVの口の中の360度撮影に対して彼らが技術面でサポートしてくれたことでした。その時から何か一緒にできないか? とお互い思い話を続けていたところ本日のリアルタイム360度VRストリーミング配信をオーディエンスの前で実施する話を提案してきてくれました。
非常に面白い取組なのでこの新しい体験に相応しい曲はどの曲か?を考えて『Quick Sand』を選びました。なぜならばこの曲は短くて焦燥感を掻き立てる曲だから。 今回はオーディエンスの前でパフォーマンスをするので、パフォーマンスに最適と考えました。そしてライブなので生で歌うことにこの曲の持つ焦燥感と、リズムがストロボっぽいのでオンラインで見ている人にも臨場感を感じてもらえると思いました。

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最終更新:6/30(木) 11:06

SENSORS