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SCANDAL、ツアーで魅せた進化の過程 結成10周年への序章

MusicVoice 6月29日(水)18時6分配信

 今年10周年を迎えるガールズバンドのSCANDALがニューアルバム『YELLOW』を引っ提げ、国内とアジアでライブハウスツアー去る5月11日に、東京・Zepp Tokyoで『SCANDAL TOUR 2016 YELLOW』を展開。4月13日の宮城県・仙台PITを皮切りに国内21公演、アジア4公演を実施。6月28日には大阪・なんばHatchでファイナルを迎えた。このうち、東京公演は11日、13日、14日と3日間おこなわれ、同アルバムの収録楽曲を中心に、7月27日にリリースされる23枚目シングル「テイクミーアウト」も初披露、アンコール含め全21曲を熱い演奏で届けた。このツアーの東京公演の初日となる11日の模様を以下にレポートする。

■インストナンバー「Room No.7」でライブはスタート

 3月にリリースされたニューアルバム『YELLOW』のサウンドを生で体感したいと、会場は超満員の観客で埋め尽くされていた。流れていたBGMが徐々に大きくなってきたかと思うと突如の暗転。高揚感を煽るようなファンキーなオープニングSEが流れ始め、その楽曲をBGMにメンバー4人が登場した。

 アルバムの1曲目を飾るSCANDAL初のインストナンバー「Room No.7」でライブは幕を開けた。アルバム『YELLOW』の持つ世界観を象徴するグルーヴ感あふれるアメリカンロックサウンドに、会場は早くもヒートアップ。MAMI(Gt.Vo)のソリッドなカッティング、TOMOMI(Ba.Vo)の存在感のある骨太なベース、RINA(Dr.Vo)のアタッキーでタイトなリズムに、HARUNA(Vo.Gt)もステージ前方でギターをかき鳴らしながら、“オイ! オイ!!”と腕を高く掲げオーディエンスを煽った。そのステージから放たれるエネルギーに負けじと、リフレクションするオーディエンスも初っ端からパワー全開。


 2曲目は大陸的なスケール感を持つ「Stamp!」へ突入。RINAの叩き出すドッシリとしたドラムサウンドが、楽曲を引っ張っていく。ここから立て続けに1stアルバム『BEST★SCANDAL』から「スペースレンジャー」と「カゲロウ」を演奏。懐かしの楽曲にオーディエンスのテンションが高まっていく。更に、海沿いをドライブしているかのようなサウンドの「Sunday Drive」を披露し、夏の始まりを感じた。

 ピンポーンとチャイムのSEからスカパンク調の「今夜はピザパーティー」を披露。TOMOMIがピック弾きで攻めていく。基本的には指での演奏が多いTOMOMIだが、この楽曲の持つドライブ感を強調するために敢えてピックを選択。立て続けに2ndアルバム『TEMPTATION BOX』に収録されている「Hi-Hi-Hi」へ。この曲でもTOMOMIがピック弾きと、間奏でのレッチリのフリー(編注:米バンドRED HOT CHILLI PEPPERSのベーシスト。超絶スラップ奏法で有名)ばりのスラップでアグレッシブなサウンドを奏でた。続いて、『YELLOW』に収録されている中でも、サイケデリックな匂いを感じる「ヘブンな気分」を演奏。ダーティーなギターサウンドが、楽曲の持つ気怠い雰囲気をプッシュアップしていく。

 「Happy Birthday」では、この日が誕生日の人をお祝いすることに。訪れたファンで誕生日だったオーディエンスは9人。サビの“HAPPY BIRTHDAY! (YEAH!)”のフレーズに合わせ両手を上げるバースデーの人たちに向かって、他のオーディエンスが手をヒラヒラさせる演出が即興でおこなわれた。キラーチューンの「SCANDAL BABY」では4つ打ちのキックに合わせ、会場がロックなライブハウスから、ダンスフロアような空間に変貌していった。オーディエンスは、早くもピークに達したかのような盛り上がりを見せる。


■新曲「テイクミーアウト」を初披露


 軽快なリズムで洋楽的要素を放つ「LOVE ME DO」では、HARUNAのファルセットが会場に伸びやかなに響き渡る。今までファルセットは敬遠していたというHARUNAだが、レコーディング、ツアーを経て新たな武器を手にしたと言っても過言ではなく、バリエーション豊かな歌声を聴かせてくれた。昨年のドキュメンタリー映画『SCANDAL “Documentary film「HELLO WORLD」” 』の主題歌「ちいさなほのお」ではキャンドルに炎が灯るように、赤い照明がひとつ一つ点灯していく。その演出も相まって、切ないメロディが今までの会場の雰囲気をガラりと変えた。オーディエンスもバラードナンバーにステージを見つめ、4人から発信されるメッセージに耳を傾けた。

 HARUNAは「10年前のことを思うと、ずいぶん長くバンドをやってきたなという気もするんですけど、でも、これからの方がもっともっと長いと思って、自分たちを信じて進んでいきたいと思っています」と、結成からの10年間を振り返った。そして「今日はそんな10周年を目前に、新曲を持ってきました。今年の夏はこの曲で、みんなと一緒に盛り上がりたいと思います!」と新曲「テイクミーアウト」を初披露した。

 今までのSCANDALとは一味違う、ファンキーさを更に昇華したようなお祭りナンバー。“タッタッタラ~♪”というコーラスがサビで印象的に響いてきた。初披露ということもあり、1コーラス目では探り探りだったオーディエンスも、2コーラス目からはビートに乗り始め盛り上がった。HARUNAは「新曲を初披露した時の、いつも通りの感じで安心した(笑)」と、この探り合いの感覚に笑みを浮かべた。

 新曲で幕を開けた後半戦、続いて披露された「Image」では、HARUNAとMAMIのギターカッティングの掛け合いは、コールアンドレスポンスのようなやり取りで、演奏的にも魅せ場の多い楽曲で会場を興奮の坩堝に巻き込んでいく。そして、HARUNAの渇いたアコギサウンドがアクセントとなって響く「Sisters」でバンドの勢いに導かれるようにボルテージは最高潮へ。「太陽と君が描くSTORY」では、オーディエンスの持つカラフルなタオルがフロアに埋まる絶景が広がっていた。本編ラストは「会わないつもりの、元気でね。」気持ちの入った心地よいビートを奏で、本編を終了した。


 アンコールでは、「Your Song」を日本語か英語バージョンのどちらで聴きたいか、オーディエンスからリクエストを募った。拍手の大きさで決まったのは、『YELLOW』のボーナストラックとして収録されていた英語バージョン。「OH-OH♪」と合唱がおきると、HARUNAが「東京こんなもん?」とオーディエンスを煽る。その言葉にさらに大きくなるフロアからの大合唱。ラストは「今日はちょっと雨が降ったから」と「Rainy」を披露。雨の日にしか聴けないレアな楽曲に、オーディエンスもリミッターが外れたかのように盛り上がり、ライブは大団円を迎えた。最後に「LOVE ME DO」のBGMが流れる中、メンバー紹介。「本当に東京楽しかった~!」と訪れたファンに感謝。メンバーはステージを去り、ライブは終幕した。

 今年で結成10周年を迎えるSCANDAL。『YELLOW』リリース時、ミュージックヴォイスでのインタビューでRINAが「気楽に楽しみながら演奏したいと思っている」と語っていたように、良い意味で肩の力が抜けレイドバックしたサウンドと、曲によってアグレッシブな演奏で観たものを元気を与えてくれる、メリハリのある演奏だった。10周年へ向けてまだまだ進化していくだろう彼女たち、8月21日におこなわれる大阪・泉大津フェニックス「SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL『2006-2016』」が楽しみになってきた。(取材・村上順一)


セットリスト

『SCANDAL TOUR 2016 YELLOW』
5月11日 Zepp TOKYO 

01.Room No.7
02.Stamp!
03.スペースレンジャー
04.カゲロウ
05.Sunday Drive
06.今夜はピザパーティー
07.Hi-Hi-Hi
08.ヘブンな気分
09.Happy Birthday
10.LOVE
11.SUKI-SUKI
12.SCANDAL BABY
13.LOVE ME DO
14.ちいさなほのお
15.テイクミーアウト(新曲)
16.Image
17.Sisters
18.太陽と君が描くSTORY
19.会わないつもりの、元気でね

ENCORE

EN1.Your song-English ver.-
EN2.Rainy

最終更新:6月30日(木)3時33分

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