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Hello Sleepwalkers「ここが新しいスタート」ワンマンツアー終焉

MusicVoice 6月29日(水)19時58分配信

 男女ツインボーカル5人組ロックバンドのHello Sleepwalkersが25日、東京・赤坂BLITZで全国ツアー『Hello Sleepwalkers2016 “Planless Perfection”』のファイナル公演をおこなった。3月に完成したニューアルバム『Planless Perfection』を引っさげ、5月21日から広島を皮切りに全国8カ所を巡る、全国ワンマンツアー。ニューアルバムに収録の全曲に、代表曲、キラーチューンを随所に挟み、アンコールを含め全19曲を、圧巻の演奏テクニックとパフォーマンスで披露した。バンド最高傑作のアルバムを生の空間で再現し、バンドが次のフェーズに進んだことを感じさせるライブとなった。

■今出来る最高の音楽を突き詰めて作った『Planless Perfection』

 BGMにチルアウトミュージックが流れる中、ツアーファイナルを見届けようと、オーディエンスが赤坂BLITZに続々と入場してきた。落ち着いたBGMは、嵐の前の静けさのようで、これから始まるショウへの期待感を高めていく。定刻を少々過ぎたところで暗転すると、オープニングSEが流れる。そうした中、ステージバックに掲げられた幕にHello Sleepwalkersの文字が浮かび上がる。

 手拍子と大歓声の中、1人ずつステージにメンバーが登場した。SEが終わるとユウキ(Dr)のカウントが入る。ツアーファイナルのオープニングは「水面」。照明によって青い空間がステージに広がっていく。まさに水面のイメージとマッチしたステージの中、テクニカルなフレーズのユニゾン演奏などで、オーディエンスの心を掴んだ。「待たせたな赤坂! 始めようか」とシュンタロウ(Vo.Gt)が言葉を投げかけると、「百鬼夜行」に突入。

 冒頭は、アグレッシブなナンバーをロックバンドらしく、爆音で立て続けに披露。そのサウンドにヒートアップしたオーディエンスが、フロアの前方に押しかけていく。オープニングから飛ばし過ぎで、スタミナ切れを心配してしまうほどの盛り上がりをみせた。

 ナルミ(Vo.Gt)が「Planless Perfectionツアーへようこそ!」と叫ぶと「LIFE is a GAME??」へ。レーザー状のライトが縦横無尽に飛び交う中、オーディエンスへ「歌え!」と言わんばかりに煽るシュンタロウ。ナルミのハイトーンボイスが、BLITZに響き渡る。オーディエンスもそれに応えるかのようにシンガロング(Sing Along)すると、シュンタロウは笑顔を見せた。

 続けて「Jamming」に突入すると、ダンサブルなロックナンバーによって、会場の一体感がどんどん高まっていく。ユウキ(Dr)とマコト(Ba)のリズム隊の出す安定したサウンド、そこにタソコ(Gt)とナルミのギターが絡みつきグルーヴィーなサウンドで、オーディエンスを魅了していく。

 ここで初めてのMCを挟む。シュンタロウが「『Planless Perfection』は、今出来る最高の音楽を突き詰めて作った作品。このアルバムの楽曲で、もっとみんなと近い距離でぶつかっていこうかなとツアーを廻ってきた。そして、無事に赤坂に辿り着くことができました。ありがとうございます!」とツアーファイナルを迎えられたことへの感謝を述べた。

 そして、怪しげなシンセサウンドをバックに、ギターのフィードバックから「EYES TO THE SKIES」を披露。英語と日本語の歌詞が絶妙なバランスで絡み合う。ステージから放たれるサウンドは静から動、大地から大空へと昇っていくような感覚。そして、シュンタロウが“この曲を自分以外の人が作って演奏していたら嫉妬する”と語った自信作「2XXX」へ。Hello Sleepwalkersらしいプログレッシブなサウンドで、フロアを攻撃するかのように音が波のように攻めてくる。体に感じるフィーリングはもとより、脳に直接響いてくるようなサウンドに、会場のテンションはどんどん上昇していく。

■音楽が憎くなってきて、何回も辞めようと思った

 アルバムの中でもロマンチックな雰囲気を持つ「ハーメルンはどのようにして笛を吹くのか」をナルミが伸びやかなに歌い上げる。そして、苦悩の中で出来上がったというミディアムナンバー「夜明け」へ。言葉を噛み締めるように、歌い上げていくシュンタロウ。ストレートな歌声が赤坂BLITZの隅々までに響き渡った。先ほどまでは体全体で盛り上がっていたオーディエンスも、静かにその歌声に耳を傾け、バンドが奏でるサウンドに酔いしれているようだった。この流れがライブの空気感を変えていく。続いて、グリーンのライトが放射状にシュンタロウとタソコを照らし出すと、幻想的なイントロを奏で「天地創造」を披露。

 ここでシュンタロウが「思うように曲が作れなかったりとか、バンドの進むべき方向が見えなくなったりとか、前に進めない時間が本当に長かった。そうしたら音楽が憎くなってきて、何回も辞めようと思った。でも、今思うとその時間があったから歌える曲があって、待っていてくれる人がこんなにいるんだってことを本当に痛感した。あれだけ憎いと思っていた音楽に救われているということを、みんなのおかげで気づくことが出来ました」と、これまでの胸中を語った。

 更に「この先どんなことがあっても音楽を辞める気はないし、もっと面白いもの、もっとカッコ良いものを追求していくつもりです。それをまた言葉にして、曲にしてみんなに投げ続けるから、これからも僕らの隣に居て下さい」と決意を述べ、「Perfect Planner」を披露。シュンタロウとナルミのハーモニーが美しく会場に響き渡った。下手後方に置かれたミラーボールに、ライトを反射させ照らし出されたメンバーは、ステージ上での存在感が今までよりも更に際立っていた。その照明による不思議な立体感の中、熱の入った演奏でオーディエンスを魅了していく。

■もっと良い景色が見たいです

 ここで、インスト曲へ突入。メンバーが順々にフレーズを廻していく。そこから、ニューアルバムの1曲目に収録されているエスニックな雰囲気を持つ「レトリック」へ。オーディエンスの大合唱が赤坂BLITZを包み込んだ。その合唱によって、より一層高まった一体感の中、シュンタロウが「ここからラストスパートいけますか!?」と叫び、ピコピコしたシンセサウンドが心地よく響くナンバー「Worker Ant」へ突入。「もくもく働こう♪」とコールアンドレスポンスも決め、ナルミが「良く出来ました」と賛美の言葉をオーディエンスに投げかけた。

 間髪入れずにキラーチューン「猿は木から何処へ落ちる」のイントロを奏でると、フロアから大歓声が上がり、ボルテージは更に上昇し、最高潮に達した。リミッターが切れたかのように、なりふり構わぬバンドのエネルギーに、フロアも全力でそのエネルギーをはじき返しているかのようだった。「こんなもんじゃ終わらせねえぞ! 赤坂!!」とシュンタロウの煽りから「午夜の待ち合わせ」へ突入。そして、本編ラストはアルバムのリードトラック「神話崩壊」でダメ押し。ラストのサビでは「神話崩壊」のMVでも登場したお札をモチーフにデザインした紙が、BLITZの2階から風に煽られ大量にフロアに舞った。まさか、MVの演出と同じように紙が降ってくるとは、誰も想像がつかなかったサプライズ。その圧巻の光景の中、本編を終了した。

 メンバーがステージを去った後、アンコールを求める声と手拍子が、会場に鳴り響いた。「アンコール!!」の掛け声から、いつの間にかメンバーの名前をコールしていくオーディエンス。その掛け声に呼び寄せられるように、再びステージにメンバーが戻ってきた。

 ここでドラムのユウキがMCをとることに。「こういうツアーをもっと出来るようになりたい。カッコいい新曲もあるので早く完成できるように頑張ります」と新曲への期待が高まる抱負を語り、ベースのマコトは「ツアーを8カ所廻ってきて、みんなに教えてもらったのは、自分は意外と欲張りだったということです。もっと良い景色が見たいです」と更なる大きな会場への希望を話すと、フロアから歓声が起こった。ナルミが「今日はアルバムのツアーだったから、アルバムの曲をたくさん演奏したけど、せっかくだから1枚目のアルバムからもやろうかな」と話し、始まったのは「月面歩行」。Hello Sleepwalkersの世界観を凝縮したような、壮大な楽曲で赤坂BLITZを満たしていく。

 そして、シュンタロウは「バンドメンバー以外に同じ音楽で騒げる仲間ってそんなに多くはいないんだけど、今回ツアーを廻ってきて、これだけ仲間がいたんだなということがわかって本当に嬉しかった。目の前にこれだけの仲間が居て、同じ音楽で騒いでるって、それだけで幸せだったし、それが一番大事だってことをみんなに気付かされました。ツアーは今日で最後だけど、ここが新しいスタートだと思ってるから、また次に向かう道の中で出会えることを信じて、もう一曲だけやって終わります」と話し、ラストは「アキレスと亀」を全身全霊で演奏。全国8カ所を廻ったツアーの幕を閉じた。

 今回の公演は現在、バンドがとても良い状態であることを感じさせた。昨年のツアー『Quintet Laboratory』を経て、苦悩の末にニューアルバム『Planless Perfection』を完成させ、今回のツアーを成功させたバンドが、次のフェーズに踏み出したことを実感させるステージだった。この先、Hello Sleepwalkersがどのような進化を遂げるのか、期待は高まるばかりだ。(取材・村上順一)

■セットリスト

Hello Sleepwalkers2016 “Planless Perfection”
6月25日 赤坂BLITZ 

01.水面
02.百鬼夜行
03.LIFE is a GAME??
04.Jamming
05.越境
06.EYES TO THE SKIES
07.2XXX
08.Stand-alone
09.ハーメルンはどのようにして笛を吹くのか
10.夜明け
11.天地創造
12.Perfect Planner
13.レトリック
14.Worker Ant
15.猿は木から何処へ落ちる
16.午夜の待ち合わせ
17.神話崩壊

ENCORE

EN1.月面歩行
EN2.アキレスと亀

最終更新:6月30日(木)3時27分

MusicVoice

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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