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デジカメ不振の中で富士フイルム「チェキ」人気のなぜ

ニュースイッチ 6月29日(水)11時50分配信

今年度の販売台数3割増。モノとして残ることに価値を見出す

 富士フイルムは2016年度にインスタントカメラ・プリンターの「チェキ」シリーズ販売台数を前期比約30%増の650万台に引き上げる。欧米を中心とした需要増加に対応するため、中国工場に加え、4月からフィリピンの光学レンズ工場でカメラの生産を開始した。フィルムは今秋、国内で生産能力を現行比1割増強する。

 また、スマートフォンで撮影した写真をチェキ用フィルムに印刷するプリンター「スマホdeチェキ」の新製品「インスタックス シェア SP―2」を7月15日に発売する。従来機に比べ画質を向上させたほか、データ受信後わずか10秒でプリントできる。デザインも一新した。想定価格は2万2500円前後(消費税込み)。初年度25万台の販売を見込む。

 市場へさらに浸透させるため、富士フイルムは「魅力的な商品と楽しみ方を提案し続ける」(武冨博信イメージング事業部次長)という。

 カメラ映像機器工業会の予測によれば、16年の世界出荷台数はコンパクトデジカメが15年比16・6%減の1860万台、レンズ交換式カメラが同5・3%減の1240万台の見込み。下落幅は小さくなっているものの、いつ縮小傾向に歯止めがかかるかは不透明だ。

 最も大きく影響しているのが、スマートフォンに置き換わっているコンパクトデジタルカメラ。一方、レンズ交換式カメラでは一眼レフカメラの出荷台数が年々減少しているのに対し、ミラーレスカメラは唯一その数を増やしつつある。一眼レフが中心の欧米市場で、どこまでその牙城を崩せるかがさらなる市場拡大の焦点となる。

 シェア1位のキヤノン、2位のニコンも、ミラーレス製品を強化・拡充する方針を打ち出している。市場を覆すような抜本的な革新がない限り、カメラ市場全体の再成長は難しい。今後は限られた市場の中でシェア争いがさらに激化しそうだ。

<解説>
 写真は「画像で共有」というのが一般的になってしまった現在。逆にモノとして残ることに価値を見出す流れも出てきている。チェキは撮影してその場で写真を見て、シェアできるのでスマホに近い感覚があるのかもしれない。

最終更新:6月29日(水)11時54分

ニュースイッチ