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「アンティーク投資」ってどれだけ儲かるの?5つの注意ポイント

ZUU online 6月30日(木)6時10分配信

「投資をして資産を増やしたい」と思っている人が真っ先に考えるのは、「何に投資するか?」ということではないだろうか。

資産を増やすための方法はいろいろあるが、その中でも最近、実物資産への投資が注目されている。実物資産とは、不動産、金、骨董品、絵画など、ものそれ自体に価値がある資産のことをいう。対する債券などの実態のない資産は、金融資産と呼ばれる。

実物資産の最大のメリットとは、「価値が目減りしづらい」ことである。特にリーマンショックなど、幾度かの金融危機を経験した現代において、実物資産に注目が集まるのは、ある意味当然だろう。

■アンティーク投資で注意すべき5つのポイント

実物資産の中でも、金や不動産投資についてはすでにお馴染みのことと思う。よって今回は、それ以外で注目を集める「希少品=アンティーク」投資についてとりあげることにしよう。

まず、これからアンティーク市場に参入したいと思った人が、注意すべき点とは何だろうか。主に以下の5つが考えられる。

(1)市場規模
同じ実物資産とはいえ、アンティーク市場は不動産などと比べると、比較にならないくらい小さい。それはつまり、需要も供給も少ないということを意味している。実際のところ、限られた人だけで構成されている業界に新規で参入して、利益をあげることは難しいのが現状である。

(2)選別眼
アンティーク品を投資対象に選んだ場合、購入するものが本物なのかどうかを、見極める能力が必須となる。もともと本当の価値をわかる者が少なく、贋作も多い中で、鑑定を依頼する者の目利きがどの程度なのか、何を根拠にどの鑑定士を信用すればいいのか、などの判断が難しい。アンティークへの投資は、お金だけなく知識も必要とされる。

(3)手数料
アンティーク品には、総じて取引手数料(スプレッド)が高いというデメリットがある。取引手数料以外にも、鑑定料、保管料、換金手数料、貸金庫代など、さまざまな費用がかかるので、そうした経費を上回る投資効果があるのかどうかを、考えなければならない。

(4)価格
どのような商品にも共通していえることだが、需要が供給より大きくなったときにのみ、プレミアがつく。対象が何であれ、価値が上がる前に購入し、価値が上がった段階で売るというのが鉄則となる。他人が気づく前に、先にその商品の価値を見抜き、購入する決断力が問われる。

(5)保存
購入した後も品質を保つためには、日々のメンテナンスが欠かせない。筆者は元時計メーカーにいたので、腕時計を例に挙げると、使わずに置いているだけでも劣化が進み、数年に1度「オーバーホール」といって、専門業者に何万円かを支払い、メンテナンスをしてもらう必要がある……といった具合である。

他にたとえば、金やアンティークコインなどは、現物を自分で保管するよりも、鑑定後に封をされた状態で、貴金属会社の貸金庫に預けることによって価値が出る。この場合、預けているものを持ち出す際にも、手数料をとられたりするので注意が必要だ。

このように、アンティーク投資には総じてお金と手間がかかり、決して「買って待つだけ」という代物ではないのである。

■アンティーク投資は長期的スパンで考える

ところで、アンティーク品を購入しても、当然だが金利はつかない。つまり「値上がりを待って売却し、差益を狙う」というのが、資産を増やす方法である。

アンティーク品が、資産としてプレミア価値が上がり続けているのは事実である。その背景には、世界的に紙幣の供給量が増え続け、お金の価値が下がっていること、希少品は破損や紛失などで減っていくため、必然的に残っているものの価値が上がっていくこと、などが挙げられよう。

もともと、アンティーク投資を行なっているのは富裕層が中心である。彼らがアンティークに手を出すのは、だいたいメジャーな投資をひと通り行った後であり、購入する一番の目的は「保全」である。金銭的に余裕があるため、買ったものをすぐに売却するつもりもない。

要は、アンティーク投資とは「寝かせる」ことを前提に行うものであり、10年単位で保有するのが普通である。長期保有が前提である以上、当然流動性には難があり、短期的なスパンで投資を行いたい人には、アンティーク投資は不向きなのである。

■トレンドとタイミング

これまでの解説に共通して言えるのは、プレミア価値がつく前に購入して、プレミア価値がついてきた段階で売るということ。

資産を増やす手段として実物資産を検討するなら、アンティーク品よりも不動産(特に土地)の方が理解しやすいかもしれないので少しだけ解説しよう。

高度成長期の日本では、郵便貯金に預け、マイホームを買い、退職金と年金で豊かな老後が約束された。いまの日本では土地が保全や節税にはなっても、価値上昇のキャピタルゲインの見込みは立て難い。

そのキーワードが、人口ボーナス。たとえば、我々が着目して投資しているフィリピンのダバオという土地では、出生率4.0(日本は1.4)、平均年齢23歳(日本は46歳)、GDP成長率9.4%(日本は1%程度)である。

何が言いたいかというと、投資の醍醐味は、自分より後にどれだけ欲しい人が現れるかの一点に尽きるということ。

自ら「社会生態学者」を名乗ったマネジメントの父P.F.ドラッカー氏もこのように述べている。「人口、年齢、雇用、教育、所得など人口構造にかかわる変化ほど明白なものはない。見誤りようがない。予測が容易である。リードタイムまで明らかである」

■アンティーク投資とは、「楽しみながら待つ」もの

アンティークとは本来、嗜好品であって、その商品自体に愛着、探究心、研究意欲を持ち、値段の上下以外に価値を見出せる人が買うものである。

アンティーク投資をするのであれば、趣味や楽しみを兼ねて買い、十分に堪能した後で、次にその商品を待っている人に譲るというのが、もっとも望ましい形なのではないだろうか。

俣野成敏(またの なるとし)http://www.matano.asia/
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、私塾「プロ研」を創設。お金・時間・場所に自由なサラリーマンの育成に力を注ぐ。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』(日本経済新聞出版社)など30万部以上の著作を持つ

最終更新:6月30日(木)6時10分

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