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【ファミキャリ!会社探訪(38)】スマホゲーム『Fate/Grand Order』で話題を集めるディライトワークスを訪問

ファミ通.com 6月30日(木)12時2分配信

●“ファミキャリ!会社探訪”第38回はディライトワークス
 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍する各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。38回目となる今回は、ディライトワークスを訪問。
 2014年に設立され、まだ設立2年というディライトワークスは、『Fate』の新作RPGとして話題を集めるスマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』を開発・運営している。今回は、その『Fate/Grand Order』の開発責任者として現場をリードする塩川洋介氏に話を聞いた。

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●“モノ作りに専念”するために転職を決意
――最初に塩川さんの経歴から教えてください。ゲーム業界を志したきっかけや、現在に至るまでの経緯を簡単にお答えください。
塩川洋介氏(以下、塩川) 専門学校でシナリオライティングの勉強をしていたのですが、たまたま隣でやっていたゲームデザインの授業に出たところ、とてもおもしろくて、それからはゲーム業界を志すようになりました。それまでは、それほどゲームを遊んでいたわけではないのですが、当然ゲームにもシナリオライティングの仕事がありますよね。それで、ゲームの仕事もおもしろそうだなと思い、まずはゲーム業界に入ることを目指しました。

――文章を書くことが好きだったわけですね。
塩川 そうですね。世界観を作るといった作業は好きでした。その後、専門学校在学中に、「ちょっと仕事を手伝ってくれないか」と声を掛けてもらい、ゲームの企画を手伝うようになりました。そのままその会社に入ったものの、会社が解散することになってしまい、「今度は大手メーカーで働こう」と考えました。というのも、最初の会社は規模が小さかったので、どうしてもある程度は独学で仕事を進めざるを得ませんでした。しかし、大手のメーカーなら、仕事をしながら現場でゲーム企画を学ぶことができると考え、当時のスクウェアに入社することになりました。

――スクウェアには、シナリオライターとして入社されたのですか?
塩川 いいえ、ゲームプランナーとして入社しました。当時は、プレイステーション2の『キングダム ハーツ』の立ち上げ時だったのですが、ちょうど前職でリアルタイム3Dのゲームに携わった経験があったので、参加することになりました。その後は、スクウェア・エニックス、SQUARE ENIX, Inc. 、Tokyo RPG Factoryなどのスクウェア・エニックスグループで、ゲームプランナーやクリエイティブディレクターとして仕事をしていました。

――どのようなタイトルに携わったのですか?
塩川 まずは、先ほどお話した『キングダム ハーツ』シリーズですね。PSPの『ディシディア ファイナルファンタジー』の開発にも携わりました。それ以降は、FLASHのゲームやXbox Live アーケードのゲーム、Tokyo RPG Factoryで『いけにえと雪のセツナ』の開発にも携わりました。

――スクウェア・エニックスグループには、かなり長い期間在籍されたようですが、ディライトワークスへ転職された理由を教えてください。
塩川 ディライトワークスには、“クリエイターを尊重する”、“クリエイターはゲーム作りに専念する”という方針があります。新しいことにチャレンジすることが好きで、つぎはスマートフォン向けのゲームを作りたいと考えていたときに、縁あって、入社することになりました。また、大きな会社に所属していると、モノ作りに専念できないという側面が次第に出てきます。ですから、クリエイターとしてモノ作りに専念したかったことと、この会社なら、将来的にもゲームを作り続けることができると思い、転職しました。

●『Fate/Grand Order』開発陣の熱量は、ファンに負けないほど高い
――現在手掛けているタイトルと担当されている業務について、教えてください。
塩川 『Fate』の新作RPGで、スマートフォン向けゲームの『Fate/Grand Order』を担当しています。原作者の奈須きのこさんを始めとするTYPE-MOONの皆様や、『Fate』シリーズを支えるライターやイラストレーターの方々といっしょに作り上げている、新しい『Fate』の作品です。同作にはサービス開始後から参加し、現在は開発責任者として、イベントの企画やゲームシステムの改善などを中心に行っています。
 『Fate/Grand Order』は、自分がゼロから考えた企画ではありませんが、まだまだゲームとしておもしろくできる余地があると思っています。改修、改善しながら新しい機能を追加したり、また、運営型タイトルですので、イベントの実施などについても、年間通して、どういったスケジュールや方向性で行うのかといった企画、立案なども行っています。

――『Fate』という、大人気プロジェクトの作品を手掛けているわけですが、開発に際し、やりがいを感じる点や苦労している点はありますか?
塩川 『Fate/Grand Order』発表時は、いちユーザーとして「『Fate』の新しいタイトルが出るのか」と個人的に楽しみにしていました。ただ、ローンチ直後の状況などを見て、「ゲームとして表現されていないのがもったいないな」とも感じました。また、プロジェクトに参加する前に、原作者であるTYPE-MOONの武内崇さんや奈須きのこさんとお話する機会があったのですが、彼らの話を聞くと、「この人たちは本気だ。『Fate』の新作として真剣に作っている」と感じました。こんなに高い熱量で仕事をしている人たちは、ゲーム業界でもほかにあまりいないのではないかと思うほどで、そういった方々と仕事ができることも貴重な機会だと思っています。
 本作は、アニメやゲーム業界のトップクリエイターたちが中心となって手掛けているプロジェクトで、おかげさまで500万ダウンロードを突破しました。『Fate』シリーズの知名度に対するプレッシャーは当然あります。しかし、たいへんだと感じるよりは、プロジェクトに参加している全員が本気で取り組んでいるので、“本物を作る”ということはこういうものなのかと、いまではむしろ楽しんでいます。

――スマートフォン向けゲームの場合、家庭用ゲームソフトに比べると、ユーザーの声がじかに届きますよね?
塩川 はい。『Fate』ファンの特性かもしれませんが、熱量がハンパないですね。『Fate/Grand Order』もそういった熱量に支えられているので、とてもありがたく感じています。もちろん、家庭用ゲームを作っていたときにも、そういった熱量はあったと思いますが、少し距離がありました。

――塩川さんは、『Fate/Grand Order』の開発に専念しているのですか?
塩川 正確に言うと、『Fate/Grand Order』のひとつ手前にある“FGO PROJECT”のクリエイティブディレクターになりますので、今後、このプロジェクトをどのように展開、発展させていくのかを考えています。

●5年後も、将来も、ずっとゲームを作り続けている会社に
――ディライトワークスは設立2年の若い会社ですが、どのような会社なのですか? また、クリエイターやスタッフにはどのような特徴がありますか?
塩川 私も含めてですが、会社の中心には、ゲーム開発会社でゲームを作っていたメンバーが非常に多いです。モノ作りに対して、極端なまでのこだわりを持ったクリエイターが多く在籍する、職人気質の強い会社だと思います。職務に専念できる環境が用意されているので、自分たちがおもしろいと思うものをひたすら追求し続ける、クオリティー至上主義の開発現場です。ですので、ベテランの方は入りやすく、また、若手はいろいろと学ぶことのできる職場ではないでしょうか。

――今後、どのような人といっしょに仕事をしたいとお考えですか?
塩川 まずは“チームの和”に合うといった、人間性を重視したいですね。また、オタク気質なスタッフが多いので、そういうタイプの人のほうが現場になじみやすいと思います。さらに、こだわり始めると黙々と仕事を進める人が多いので、お互いを尊重する謙虚さや真摯さがあるといいですね。それから、ゲームが好きで、ゲームを作りたい人にこそ来てほしいです。「『Fate』シリーズが有名だから」とか、そういった理由ではこの会社には合わないかもしれません。

――求人を募集している職種は多岐に渡っていますが、会社の将来像について、どのような展望をお持ちですか?
塩川 まずは『Fate/Grand Order』をもっといいものにすることを第一に考えていますので、その開発や運営に力を貸してほしいと考えています。さらに、自分たちもいちユーザーとして熱中できるような、新しいチャレンジにも徐々に取り組んでいきたいです。ディライトワークスは“ゲームを作り続ける会社”でありたいと思っているので、ゲームを作ることこそが私たちの存在意義です。本当にゲームを作りたい人たちが、安心して集える場所にしたいと思っています。

――それでは最後に、現在転職を考えているクリエイターにひと言お願いします。
塩川 現在、ゲームを作っている会社は数多くあります。しかし、その会社は5年後もゲームを作っているでしょうか? 単純に“いま、ゲームを作りたい”だけなのか、それとも“この先もずっとゲームを作り続けたい”のかを考えてください。もし、これからもずっとゲームを作りたいと思っているのなら、ディライトワークスという会社は、そういった考えの方たちのためにこそある会社ですから、長く、腰を据えて、ゲーム作りにずっと携わっていきたいという人にぜひ来てほしいです。ぜひ、いっしょにゲームを作り続けましょう。

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<ディライトワークスってどんな会社?>
  スクウェア・エニックスに在籍していた庄司顕仁氏が、志や夢を持ったクリエイターの挑戦と達成の場として、2014年に設立したディライトワークス。“ただ純粋に、面白いゲームを創ろう。”が同社のキャッチフレーズ。設立して2年の若い会社ながらも、TYPE-MOONの『Fate』シリーズの新作RPGとして、2015年に配信がスタートしたスマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』の開発・運営を担当している同社。また、アニプレックスとソニーミュージックによる青春×バンドリズムゲーム『バンドやろうぜ!』の開発も担当しており、こちらは今夏配信を目指して鋭意制作中だ。

ディライトワークス株式会社
●代表者:庄司 顕仁 ●設立年月日:2014年1月22日
●従業員数:117名(2016年6月1日時点)
●事業内容:ゲーム開発・運営

最終更新:6月30日(木)12時2分

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