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日本人社長よりも外国人副社長のほうが報酬が高い日本企業のなぜ

THE PAGE 6月30日(木)16時0分配信

 トヨタ自動車社長の役員報酬が外国人の副社長よりも少ないという話が話題になっています。なぜ副社長の方が給料が高いのでしょうか。

外国人役員の報酬額はグローバル水準

 同社社長を務める豊田章男氏の2016年3月期の役員報酬は3億5100万円でした。これに対して、トヨタ初の外国人副社長であるディディエ・ルロワ氏の報酬は6億9600万円と、豊田氏の2倍近い水準となっています。

 このケースのように、外国人役員にのみ高い報酬を提示することは日本ではよくあります。例えば日立製作所の執行役常務のジョン・ドメ氏の報酬は9億円でしたが、中西会長は1億6100万円しかもらっていません。また武田薬品工業のCFO(最高財務責任者)だったフランソワ・ロジェ氏は2015年3月期で3億400万円の役員報酬を得ていますが、長谷川会長の役員報酬は2億7700万円でした。

 外国人役員に高額の報酬を支払っているのは、グローバルな水準に報酬を合わせないと他社に引き抜かれてしまう可能性があることが理由と思われます。

日本人の役員報酬は破格の安さ

 最近では、日本企業の役員報酬もかなり上がっていますが、それでもグローバル企業と比較すると低い水準です。役員報酬は従業員の給与とは異なり、株主から経営を委託されたことへの対価として支払われることが原則となっていますから、会社が儲かっていないと高い報酬は払えません。その点で考えると日本企業の業績はお寒い限りであり、当然、役員報酬も低く抑えられることになります。

 例えばタケダの場合、2016年3月期の当期利益率はわずか4.4%ですが、グローバルな製薬大手ファイザーの当期利益率は14.2%もあります。どうしても外国人に来て欲しいという場合には、高い報酬を提示しないと難しいというのが現実です。実際、ロジェ氏はスイス・ネスレに引き抜かれてしまいました。ただしトヨタだけは日本企業としては例外で、グローバルに見てもすばらしい業績を上げていますから、ルロワ氏が高すぎるのではなく、ルロワ氏以外のトヨタ経営陣の役員報酬が破格に安いと判断してよいでしょう。

 もっとも諸外国でも、人材を引き抜くためには社長よりも高い報酬が提示されることもあります。米・アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)の報酬は約10億円でしたが、CFOのルカ・マエストリ氏は約25億円と倍以上です。マエストリ氏はGM(ゼネラルモーターズ)に長く勤め、アップルの前はゼロックスのCFOでした。

 社長よりも高い報酬をほかの役職者に提示することや、外国人にのみ高い報酬を提示することの是非については、役員報酬が業績に強く関連するものであるという原理原則を考えると、最終的には株主がそれで納得するのかにかかっています。

 ちなみにソニー社長の平井一夫氏は5億1300万円と日本人としては破格の役員報酬をもらっています。ソニーはアップルに対抗できる力を持った会社などといわれていますが、ソニーが2016年3月期に出した当期利益は約1500億円でした。これはアップルが出した当期利益のわずか36分の1の水準でしかありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6月30日(木)17時28分

THE PAGE