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ローカル・アベノミクス(4)2018年問題目前に地方大学の活性化はどうなる

THE PAGE 7月4日(月)7時0分配信

 ローカル・アベノミクスに関する連載の第4回目は、地方大学の活性化について取り上げます。教育界では大学進学者が減少に転じてしまう2018年問題が取り沙汰されていますが、とりわけ地方にある私立大学への影響は大きく、場合によっては国立大学にまで及ぶともいわれています。地方創生を実現するためには、地域にある大学の活性化は必須の要件といえるでしょう。

そういえば! ローカル・アベノミクスどうなった?

2018年問題とは?

 日本の18歳人口の減少はかなり以前から進行しており、現在はピーク時の半分程度まで落ち込んでいます。この間、大学の進学率は伸びていたことから、各大学は何とか学生を確保することができていました。しかし、これ以上大学進学率は上昇しない可能性が高く、2018年以降は再び大学進学者数が減少に転じると予想されています。これが2018年問題です。

 進学者の減少は特に地方で顕著になると思われ、学生数を確保できない地方大学の中には、存続が難しくなるところが多数出てくるともいわれています。これまでは盤石と思われていた国立大学も例外ではなく、場合によっては国立大学の中からも経営難の学校が出てくるという厳しい指摘もあります。

国立大学改革プラン、国立大学の業務見直しに関する通知とは?

 文部科学省はこうした事態を受け、2013年に国立大学改革プランを発表。大学ごとに機能強化の方向性を明確にする方針が打ち出されました。その中には、地域活性化のための中核的拠点という項目が盛り込まれており、国立大学の一部には地方創生の役割が求められることになったのです。2015年には、国立大学の業務見直しに関する通知が行われ、その中には、教員養成系や人文社会科学系の学部について、組織の廃止も含め、社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むという厳しい内容が盛り込まれました。こうした方針に対して一部の大学や有識者などからは、人文系学問を軽視していると激しい反発が出ています。

 以前、文部科学省の有識者会議において委員の一人が、旧帝国大学や早慶といったいわゆる一流大学以外の大学は、アカデミックな教育をやめ、職業訓練に専念すべきという提言(いわゆるL大学とG大学論争)を行ったことが大きな話題となりました。今回の話はそれとは直接関係しませんが、大学を地域活性化の拠点と位置付けるのであれば、純粋な学問ではなく地域社会からの要請が高い分野にシフトすることは、ある程度避けて通れません。一方で大学には研究機関としての性格もありますから、このあたりのバランスをどう取っていくのかはなかなか難しい問題です。

 一連の改革が実施されれば、地域の特色は何なのかということをあらためて問い直すよいきっかけとなるでしょう。地方活性化のカギが「ハコモノ」ではなく「人」にあるのは明らかですから、大学改革こそが本当の意味でのローカル・アベノミクスなのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7月4日(月)7時0分

THE PAGE