ここから本文です

ドゥラメンテ「電撃引退」の損失と種牡馬入り後の課題

東スポWeb 6月30日(木)18時2分配信

 宝塚記念2着入線後のミルコ・デムーロの“衝撃下馬”シーンからわずか3日。昨年の皐月賞、日本ダービーを制したクラシック2冠馬ドゥラメンテ(牡4・堀)の現役引退が29日、JRAから発表された。“日本近代競馬の血の結晶”とも称された超良血馬の競走生活は、わずか9戦(5勝、2着4回)で幕を閉じる。その損失の大きさ、そして種牡馬入り後に待ち受ける課題とは!?

 阪神競馬場→栗東トレセン→ノーザンファームしがらき。宝塚記念後は場所を変えながら経過観察を続けたが、超良血2冠馬へ下された最終診断は靱帯、腱の損傷による「競走能力喪失」という衝撃的なものだった。

 今秋には“日本のエース”として仏G�凱旋門賞(10月2日=シャンティイ競馬場、芝2400メートル)に乗り込むはずが、まさに道半ばでの無念の引退。

 もちろん、最悪のケースを脱し、無事に種牡馬として再スタートを切れるのは不幸中の幸いだが、「第2の馬生」でそのポテンシャルを存分に発揮するためには大きな課題がある。

 サンデーレーシングの吉田俊介代表が「ドゥラメンテは今までのクラブの血の結晶」と称した“良血過ぎる良血”が、皮肉にも交配相手を極端に狭めてしまうジレンマを抱えているのだ。

 それも当然。父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンス、母母父トニービン…いずれも今の日本競馬の主流を支えている超ビッグネームばかりだ。

 改めてドゥラメンテの競走生活を振り返れば、凱旋門賞挑戦プランが持ち上がったのは今年に限った話ではない。昨春の皐月賞で“荒々しい”差し切り勝ちを決めた直後、生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表は早々に凱旋門賞登録を明言。次走の日本ダービーで見事に2冠を達成しながらも、後に骨折が判明し、挑戦プランが振り出しに戻った経緯がある。

“世界進出”にこだわる発言が早い段階から何度となく出ていたのは、もちろん世界最高峰でも戦える絶対能力への信頼あってのことだろうが…。国内では“血の制約”を大きく受けるとなれば、日本馬初の凱旋門賞制覇の栄誉を勝ち取り、その後も“世界で勝負する”青写真を描いていたから、とするのは飛躍し過ぎか。

 競馬に“たられば”は禁物だが、仮にドゥラメンテが無事に凱旋門賞に挑戦し、悲願が達成されていたとすれば…。欧州最大のビッグレースの優勝賞金(285万7000ユーロ=約3億2000万円)にとどまらず、「日本馬初」というステータスを盾にしたビッグなビジネス展開も考えられただけに、その損失はまさにプライスレス…計り知れない。

最終更新:7月1日(金)5時18分

東スポWeb

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ