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フジテレビ、グリーと組んでVR市場に参入「チャンスを逃すわけにいかない」

オリコン 6月30日(木)15時30分配信

 テレビ局のフジテレビと、ソーシャルメディア事業を展開するグリーが、VR(バーチャルリアリティー)領域で業務提携し、5月に「F×G VR WORKS」を設立。VR体験を伴った記者発表会が6月30日、東京・台場のフジテレビ内で行われた。放送を取り巻く環境が変化する中、フジテレビを代表して常務取締役大多亮氏は「このチャンスを逃すわけにはいかない」と、本人曰く「強迫観念にも似た思い」でVR市場への参入を決めた経緯を語った。

【写真】VRを体験した前園真聖氏&椎木里佳氏

 VRは、360度3D化された映像を見ることで、実際に自分がその映像の世界に入っているかのような感覚にさせてくれる技術。10月に発売予定のVR機能を持ったプレイステーションの予約が殺到しているなど、VRを家庭で楽しむ環境が整いつつあることから、2016年は「VR元年」とも言われている。

 大多常務は「フジテレビではこれまで培ってきたエンターテインメント、報道、スポーツ中継などの映像コンテンツを作ってきた制作力が財産。この強みを生かせばいままでにないコンテンツが作れるのではないか。先行者メリットも得られるのではないか。VRにおける強いコンテンツファクトリーになりたい」と意欲的。

 1990年代後半からゲーム・ネット・多チャンネル化により視聴者を奪われ、「テレビ離れ」が常態化したいま、VRは新たに視聴者の時間を奪うものになりかねない。その点についても大多常務は「テレビはずっとカニバる(競合の)歴史を歩んできた。録画機が出た時もDVDが普及する時も言われたこと。フジテレビはいち早く事業イベントや映画事業にも手を出してきたし、カニバっていく歴史の中で、先駆者としてのブランドイメージを構築することも大事」と主張した。

 続けて、「我々にとって一番恐いのは、おもしろいものを作れなくなる制作力の低下。VRに参入することでテレビが見られなくなっちゃうと考えるのではなく、どんどんやっていくほうが盛り上がっていく。関連番組をテレビで放送することもできる。むしろそういう可能性に期待したい」と力説した。

 グリーの田中良和代表取締役会長兼社長も「誰よりも早く参入して新しい時代を作っていくのが私たちの使命」と語っていた。

 現在の地上波テレビの市場規模は2兆7600億円程度だが、VRはゲーム、アミューズメント、環境、医療技術など、幅広い分野から、それもグローバルにニーズが見込まれ、2020年にVRの市場規模は世界で7兆3500万円相当に拡大するという予測もある。

 発表会では、永島優美フジテレビアナウンサーと“擬似デート”が楽しめるVRコンテンツを約100人の来場者が無線制御によるヘッドマウントディスプレイで同時視聴体験するという業界史上初の試みも実施。ゲストとしてスポーツジャーナリストの前園真聖氏、女子高校生社長として知られ、現在は慶應義塾大学1年生で実業家、マーケティング事業を行うAMFの代表取締役の椎木里佳氏が登壇し、バレーボールの試合をVR空間で楽しむコンテンツや、東日本大震災の被災地のアーカイブ写真や映像を交えた震災の記憶を360°映像でつづったコンテンツを体験した。

 フジテレビ・山口真コンテンツ事業局長は「ディレクターが取材した日本の風景や災害現場、記者会見など、VRコンテンツとしての報道番組の配信を始めようと準備しています。今年度については予算的な目標は設定していないが、制作を受託できそうなニーズはあり、今年度から黒字を作るれるのではないか、と期待しています。いずれ、会社全体を支えられるような収益を目指したい」と話していた。

最終更新:7月1日(金)0時11分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。