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事故抑止へドライブレコーダー診断 高齢者対応、福井県警「運転の癖確認を」

福井新聞ONLINE 6月30日(木)8時0分配信

 高齢ドライバーによる交通死亡事故が増加傾向にある中、福井県警は全国に先駆け昨年7月から「ドライブレコーダーを活用した高齢者交通事故抑止対策」を行っている。運転の癖や注意点を警察官が確認、指導し安全運転につなげてもらう取り組み。90歳を前に小浜署で指導を申し込んだ男性を取材した。

 「息子からは運転をやめ、タクシーを使うようきつく言われている」と話すのは、福井県小浜市大宮の神主田中信一さん(89)。買い物や趣味のゲートボールに通う際に車を使っており、ほぼ毎日運転するという。1956年の免許証取得以来大きな事故を起こしたことはなく、ゴールド免許の優良運転者だ。

 来年6月の免許更新時には自主返納するつもりだが、無事故で“有終の美”を飾るため、自身の運転を客観的に評価してもらおうと今回指導を申し込んだ。ドライブレコーダーを取り付けたのは23日から5日間で、「運転には十分に気を付けているつもり。でも警察官の指導によっては評価を受けたその場で返納する」と田中さんは覚悟の上で申し込んだ。

 28日には記録された映像を元にした安全指導が小浜署で行われた。交通課の中田佳志巡査から、▽黄色信号で交差点に進入しないこと▽右折時に直進車を優先すること-などの注意はあったが、結果はおおむね良好。「接触事故防止の意味でも自宅車庫でのバック駐車は大変素晴らしい。これからも焦らず安全運転を続けて」と太鼓判を押され、田中さんもほっと一息。「参加して良かった。友達にも利用したほうがいいと話します」と笑顔をみせ、来年6月まで安全運転を心掛け車に乗りたいという。

 同署では同事業の開始以来、今年5月末現在で17人にレコーダーの貸し出し、指導を実施。参加者には終了後、注意点や総評を記載した診断書を交付している。教習所の指導員が運転を評価する「シルバーセーフティドライビング講習」を取り入れるなどし、高齢者の事故抑止を進めている。

 同署の川村一博交通課長は「家族から運転を止められたり、一方で生活に車が欠かせなかったりして返納を迷っている人も多いはず。判断材料の一つとして有効活用してもらえれば」と呼び掛けている。

福井新聞社

最終更新:6月30日(木)8時0分

福井新聞ONLINE