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和牛 海外に広がれ カット技術指南 モモやバラ拡大に力 農水省

日本農業新聞 6月30日(木)12時1分配信

 農水省は、和牛のモモ肉とバラ肉を、しゃぶしゃぶや焼き肉向けにカットする技術の海外への普及に乗り出す。2016年度から3年間かけ、欧米やアジアから料理人50人を日本に招き、独特の薄切りなどを教える。海外で和牛のモモ肉とバラ肉の需要は小さく、輸出も少ない。しゃぶしゃぶや焼き肉の消費を掘り起こし、牛肉の輸出拡大に弾みをつけたい考えだ。

・食文化とセットで

 牛肉の輸出額は15年、過去最大の110億円に達したが、サーロインやヒレ、ロースなどステーキ向けの部位に偏っている。これらは1頭から取れる量も限られており、輸出をさらに増やすには他の部位の需要掘り起こしが急務となっている。

 同省が目を付けたのがモモやバラ肉だ。日本ではしゃぶしゃぶや焼き肉用に定着する一方、煮込み用やひき材が主流の海外で和牛の需要は限られている。これを機に、日本の食文化とセットで売り込むことで販路の開拓を狙う。

 柱となるカット技術の普及は、18年度までの3カ年取り組む。年内には1回目の研修を開く予定。米国やフランス、香港など八つの国・地域から、こうした部位の活用に意欲的な料理人50人を呼び込み、しゃぶしゃぶや焼き肉など料理に応じたカット技術を伝授する。研修を受けた後は、それぞれの国でこれらの料理を広めてもらう。

 併せて、生産者団体などでつくる日本畜産物輸出促進協議会を通じて、海外でカット技術指導も行う。市場調査の一環としてモモやバラ肉を使った料理も振る舞い、需要があるか見極める。

 同省はモモやバラ肉の輸出が増えれば、ロットの大きな1頭フルセットでの販売につながり、輸送コストの軽減が見込めると指摘。「和牛に合ったカット技術を広く知らせ、牛肉の需要増大につなげたい」(食肉鶏卵課)とし、20年の牛肉輸出額250億円の達成に意欲をみせる。

日本農業新聞

最終更新:6月30日(木)12時1分

日本農業新聞