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タカタ、リコール費用の分担協議 今夏めどに本格化

日刊工業新聞電子版 6月30日(木)8時30分配信

 タカタは今夏をめどに自動車メーカーとリコール費用の分担協議を本格化する。リコール費用は1兆円規模に膨らむ見通しで、現在は車メーカーが原則立て替えている。タカタの財務状況ではすべてをまかなうことは難しく、車メーカーから支援を引き出せるかが焦点になる。タカタはエアバッグ市場でシェア約2割を占め、交換部品の供給でも中心的な役割を担う。タカタの事業継続と部品の安定供給を巡り、交渉は難航しそうだ。

 「金融機関から支援を受けているほか、全車メーカーから部品の供給をストップしないでくれと言われているとの話があった」。タカタが28日に東京都内で開いた定時株主総会後、会場を後にした株主はタカタの説明を受け、当面存続するとの確信を得られたと安堵(あんど)した。

 総会でタカタは弁護士などで構成する第三者委員会「外部専門家委員会」を2月に設置し、車メーカーとのリコール費用の分担交渉を含めて経営再建案の策定を依頼している現状を説明した。株主から一連の取り組みによるタカタの存続の可能性を問われ、高田重久会長兼社長は「非常にありがたい話として、ほぼすべてのカーメーカーから『急に(タカタが)おかしくなってもらうのは非常に困る。しっかり継続して部品を供給してくれ』という話をいただいている」と説明。こうした条件のなか金融機関から支援を得ており、事業の継続を前提に外部専門家委員会から具体的な再建案をまとめてもらうとの見通しを示した。

 今後の交渉について車メーカー幹部はタカタとの契約内容は各社で違うため、「リコール費用の負担割合は横並びではなく車メーカーごとの話し合いで決まる」。また日米欧の車メーカーでリコールの状況も異なるとし「全体の合意は一度で得られないかもしれない」との見方を示す。

 タカタは車メーカーとの協議で部品の安定供給責任を果たす意向を示す一方、事業の存続を前提とした支援を引き出す難しい交渉に臨むと思われる。株主総会では現状の取引について、新規受注した案件もあるが「受注の総量は減少傾向にあり、厳しい状況だ」(高田会長)と説明。足元のリコール問題が解決できず、中長期的な展望を描けない状況が続く。車メーカーとの生き残りをかけた交渉は時間との戦いにもなっている。

最終更新:6月30日(木)8時30分

日刊工業新聞電子版