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匠大塚春日部本店、客なだれ込む レストラン、食品スーパーにも期待

埼玉新聞 6月30日(木)10時30分配信

 埼玉県春日部市粕壁東の旧西武春日部店跡地に、国内最大級の大型家具店「匠大塚春日部本店」が29日、オープンした。東武スカイツリーライン春日部駅東口のにぎわい拠点の新たなスタート。午前10時半の開店に、地域住民ら約200人が駆け付けた。

 2月、約30年にわたり親しまれてきた百貨店が閉店した。救世主となったのは匠大塚の大塚勝久会長。春日部市は生まれ故郷であり、大塚家具の前身「大塚家具センター」の創業地。昨年、経営権を巡る長女との対立に敗れ会社から去った同会長は、「匠大塚」を設立し、4月に春日部本店の出店を発表。わずか2カ月でオープンにこぎ着けた。

 この日午前10時すぎ、正面玄関には開店を待ちわびる地元住民で人だかりができた。開店と同時に客が店内になだれ込み、社員80人が店内で出迎えた。大塚会長の長男勝之社長は「予想以上に多くのお客さまにお越しいただきとてもうれしい。日本全国の人に匠大塚を見てほしい」と笑顔を見せた。

 地元としては今回のオープンを春日部東口の活性化に結びつけたい。春日部商工会議所の尾堤英雄会頭は、「西武が退店したときはショックだった。駅東口、市の核となる場所。素晴らしい店舗ができてよかった」と祝った。

 一方、百貨店に慣れ親しんできた地域住民は、家具専門店のオープンにさまざまな感想を持つ。とりわけ、かつてあった地下1階食品スーパーと7階レストランの早期開店に期待を寄せる。同社は現在類似店舗を入れる検討を進めている。

 近隣に住む70代の女性3人は「レストランと地下のスーパーはいつできるのかしら。女性を呼ぶにはブティックがないと」とさっそく注文を付けた。育休中という30代の会社員女性2人も「家具はひんぱんに買うものではない。これまではレストランで食事をしたり、地下でギフトを買ったりできた。小さい子どもを高級家具店に連れて来れるか不安」と打ち明けた。

 店舗から出てきた客の声からも課題が垣間見える。市内の60代男性は「スペースが広くてゆっくり家具を見ることができた。家具は素晴らしいけど、(値段は)庶民には手が届かない」。

 地域住民にとって、大型立体駐車場の使用もハードルが上がった。3千円以上購入の場合、3時間無料となるが、買い物がなければ1時間400円。70代夫婦は「百貨店なら何かしら買って無料になったけれど、高級家具となるとそうはいかない。今日は料金を払います」と駐車時間を気にする様子だった。

 とはいえ、匠大塚にとって新店オープンは慈善事業ではない。前日のインタビューで大塚会長は家具を購入する客層の二極分化を強調した。オープン当初、顧客の地域を関東圏に広く設定している。「これまでのコンセプトを貫く。あくまで価値のある家具を置く。10年持たないものは家具とは言えない」と自信を見せた。

 気になるオープン初日の売り上げ。担当者は「おかげさまで上々の滑り出しです」と胸をなで下ろした。

最終更新:6月30日(木)10時30分

埼玉新聞