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「都会でも明るく輝く」“人工流れ星“は、どのように生み出される? 宇宙・天文×エンターテインメントの可能性

SENSORS 6/30(木) 16:00配信

中学生の頃NASAを訪れたことをきっかけに宇宙の魅力に惹かれ、“宇宙のことを学ぶためには不可欠“な物理を学ぶべく、大学では理学部物理学科に進学。大学在学時から現在まで、“宇宙の魅力を発信する“という立場から活動。宇宙飛行士を目指すタレント・黒田有彩による連載。宇宙をとりまくエンターテインメント・テクノロジーを中心に、様々な角度から宇宙の魅力を伝えていく。
今回は、流れ星を「人工流れ星」として実現すべく研究・開発を行う株式会社ALE代表取締役 岡島礼奈さんにお話を伺った。

黒田有彩です。私が大学のとき専攻していた物理は、ありとあらゆる現象をひとつに統一することを目指す学問。例えば、りんごが地面に落ちてくることと地球が太陽のまわりを周ることは、同じ式で説明できます。
私も、一見別のように見えるものを、何かひとつにして、自分の中により大きな人生観・世界観・宇宙観を持ちたい。よく、大学で物理を学んで、どうして芸能界で活動しているのかと聞かれます。理由は「やりたいから」に他ならないのですが、自分のその好奇心の先の共通項とは何なのか、果たして解はあるのかないのか。それを、人生をもって解決してみたいのです。
そんなとき、私と同じく、けれどまた別の形で「宇宙」と「エンターテインメント」を組み合わせることを目的としている女性がいらっしゃることを知りました。その方は、現在「人工流れ星」の実現に向けて活動をされている岡島礼奈さん(株式会社ALE代表取締役)。人工流れ星はどのようなメカニズムなのか。そして、東京大学理学部天文学科を卒業後、現在に至るまでの経緯、その道を歩んでこられたお人柄を知りたくて、お話を伺いました。

都会の空でも明るく輝くレベルを確保することに成功--実験の方法とは

--まず、人工流れ星というのはどういうものなんでしょうか。

岡島:流れ星が光るのは、宇宙空間に漂っている塵が、地球の大気圏に向けて高速で突入することにより、その部分の大気が断熱圧縮され、エネルギーが急激に高くなりプラズマ発光するからです。
これと同じように、まず人工衛星に流れ星の素となる粒々を入れてロケットに載せて打ち上げます。高度500kmの軌道に乗せて、そこから流れ星を光らせたい地域上空で流れ星の素を宇宙空間へ放出。その粒が大気圏へと突入し発光し流れ星となる。このようにして、天然の流れ星を人工的に再現することを目指しています。

--建物の中などでなく、本当に流れ星の原理を使って作ってしまうんですね。なんて壮大な計画...。

岡島:人工流れ星は上空60km~80kmで発光する計画なので、地上で見える範囲は最大で直径200kmとなります。関東圏で当てはめると、実に3,000万人の人たちが同時に流れ星を楽しむことができるんです。

--それは大変なお祭り騒ぎになりそうですね!色はどんなふうに見えるんですか?

岡島:現在、青・緑・オレンジの3色は地上での実験に成功しています。この3色以外にも選べる色を増やせるように研究をしています。物質によって色が変わるので、炎色反応のような感じですね。でも、じつは、普通の金属単体の炎色反応とは異なる色が出ることもあるんですよ。この実験自体が、もはや科学的探究しがいのあるものですよね。ちなみに、流れ星の粒には人体に影響のない化合物を使用しています。

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最終更新:6/30(木) 16:00

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