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インドの暫定鉄鋼輸入禁止措置・MIP、終了期限まで約1カ月。熱延、SG適用で上乗せ関税へ

鉄鋼新聞 6/30(木) 6:00配信

 鋼材輸入に対し保護主義政策を矢継ぎ早に導入しているインドで、今年2月に発動した最低輸入価格制(MIP)の終了期限が約1カ月後に迫ってきた。実質的な輸入禁止措置に当たる同制度はWTO(世界貿易機関)協定違反の疑いが濃厚。暫定措置のためWTOでの係争には発展していないが、日本をはじめ各国間ではインド政府への疑念がくすぶっている。一方、MIPが撤廃されると、熱延鋼板に関しては、同国が3月に正式発動したセーフガード(SG、緊急輸入制限措置)による上乗せ関税が課されるといった問題もあり、日本の鉄鋼業界はインドでの動きを注意深く見守っている。

 インド政府は今年2月5日にMIPを6カ月間の暫定措置として導入。対象となる鉄鋼製品は173品種で、日本の主力輸出品、熱延鋼板も含まれる。
 6カ月の適用期限まで1カ月余りとなる中、現地報道によると、インド国内では適用延長を求める声も出始めた。インド政府が延長に踏み切るかどうかは不透明だが、WTOに抵触する措置だけに、延長となれば再びWTOでの係争に発展する可能性もある。
 一方、熱延鋼板に関しては、今年3月発動のSGとの関連が懸念材料となる。インドの熱延SGは、中国、ウクライナを除く発展途上国からの輸入、MIPを上回る価格での輸入に対し、適用を除外している。MIPが撤廃されると、発展途上国製を除くすべての熱延鋼板に20%の上乗せ関税が課される形だ。
 インドが2月にMIPを導入して以降、熱延鋼板の国際市況が上昇し、実勢価格はMIP最低価格(1トン445ドル)を上回っていた。足元のマーケットは最低価格を下回るが、これまでは同国への輸出品のほとんどがSGの上乗せ関税の対象外だったとみられる。
 WTO協定違反が濃厚なMIPに対しては、早期撤廃を求める声が依然として多いが、撤廃後はSGの適用によってインド向け輸出は一段と難しくなる。そのSGについても、調査手法などでWTO協定に抵触している疑いが強い。日本のインド向け熱延鋼板輸出量は2015年で約140万トン。インド国内には日本製熱延鋼板を求めるユーザーが根強いだけに、日本の関係者は、インド政府の出方を見守る構えだ。

最終更新:6/30(木) 6:00

鉄鋼新聞

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